ジョーカーのレビュー・感想・評価
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劇薬。ただし一部の方には効きにくい場合がございます。
狂う=仮面を外す
社会全体が貧しい時代。貧困層は切り捨てられつつある。ここで間違えてはいけないが、富裕層は決して、意思を持って「切り捨てよう」としているわけではない、ということだ。差別は無知や無関心から生じるもの。富裕層も状況を改善したいと思っているが、具体的な行動を起こすわけではない。また、貧しい彼等のことを知ろうとしないので、何をすべきかもわからない。ただ社会に心を痛め、上っ面の言葉を並べるだけだ。寄り添うことはない。しかしそこに、悪意は無い。
さてこれは、映画の中だけの話だろうか。
正直に言うと、私にはこの映画、あまり刺さらなかった。彼に感情移入できなかったから。狂う程追い詰められた経験が、結局私には無いと悟った。そして劇中の富裕層のように、何も感じず、何も行動せず、それでいて社会を悲しむ(ふりをする)、自分を恥じた。
depressed
共感も同情もしないのに物凄く悲しくなった。
ただ悲しくなる対象が何なのか分からないけど、自分自身への恐怖なのかもしれない。
正義が何かなんて疑問に思わない。
彼の生い立ちによって左右される事もない。
ただただ深く悲しくて、とてつもなく怖い。
これはフィクションなのにリアルであって、近い将来な気もしてしまう。
ただ。
帰宅したら両親から小包が届いて、開けた瞬間涙したという事は
彼の悲しみに思いっきり触れていたんだと実感した。
ひたすら切ない
たくさんの方が仰るようにホアキン・フェニックスの演技が素晴らしかったです
貧富の差、自分たちと少し違うと思う人を受けつけない排他的な心ない人たち、孤独、親の介護、政治への不信感、そういう今の社会の問題から、アーサーがジョーカーになっていく悲しさが心に残りました
本当は優しい青年だったのに、あんな社会がジョーカーを生み出したように思います
とにかくひたすら切なかったです
凄い映画
ファイトクラブを20年前観て以来の衝撃
香港の若者が、観たらまずい冗談抜きで問題作
現代版タクシードライバー
是非アカデミー賞を取ってほしい。グリーンブックと対称的な鬱作品。
キングオブコメディ タクシードライバー ファイトクラブをサンプリングしつつジョーカーに感情移入させない距離感を保つ演出は今まで未体験の作風。
本当に怖い、犯罪行為を煽りかねない映画。
ヤバい映像だった
この狂気と妄想を肯定的に受け入れたくなってしまう、本当にヤバい映像作品だった。
アーサーの笑いとマレーのショーで幕を開けたこの映画が意味するものは、あまりに象徴的で、身震いする。
ホアキン・フェニックス演じるジョーカーはかつてないほどにオリジナリティ溢れるものだったけれど、同時にすべてのバットマン作品に通じるような印象も受ける。まさに彼の名演があってこその映画だと感じる。
作品そのものの印象としても、これまでに感じたことの無いような感覚を覚えた作品で、かなりの衝撃をじわじわと食らった。
アーサーの行動はすべて間違っていない、そう思ってしまうところが、繰り返しになるがヤバいと思ってしまう。
題材 ✖︎ 演技力 ✖︎ 音楽 = ヘビー級鬱映画 (褒め)
夜回 ひとりで鑑賞。 見る前から予告で分かってはいたけど、容赦なく重い… 今までのジョーカーと切り離して考えるものです。(個人的にはダークナイトが好き) ハンソロのように「ジョーカーの昔…」 でもない訳で… だから、DCが好きで見に行くと、ん? となるし、セブンやミストみたいな別鬱映画のようにネタになりそうなこともなく、自分の中では辛口評価。
ただ、映画としては、重厚感たっぷりの良作。みなさん言うように怪演と音楽がすごいので、体調のよいときにオススメします。
映画作品としては完璧です
ホアキンの演技も完璧です。
荒んだ社会構造から来るイジメや暴力の蔓延。
生きるために必要な福祉もまともに受けられない社会。
そんな場所で、このような主人公が死なずに生きていくには、
そうなるか、
それともそうならないように精神病院で一生暮らすしか選択の余地はないです。
最後のシーンは主人公のもう一つの幸せな方の生き方を示したものかと、(ケアワーカーの優しい笑顔がそれを示唆していたのかと) ふと思いました。
彼はずっと泣いていた。
笑ってる?
いや、あれはずっと泣いている。
悶え苦しむ気持ちが、笑い声から伝わってきた。
主人公は、人を笑顔にしたい、と楽しく生きようと努力するが、彼の身の回りに起こる出来事は反対のことばかり。よかれと思ってやったことが、裏目に出る。周りの人から気味悪がられ、嫌がらせされたり、暴力を振るわれる。
いつか誰かが、自分の声を聞いてくれる。
いつか誰か、自分のことに気づいてくれる。
いつか、いつか、変わるんだ!
そう信じて、何度も、我慢して我慢して我慢して我慢して我慢するのだけど、みんな、裏切る。
みんな、自分のことしか考えていない。
カウンセラーにも、友だちにも、仲間にも、好きな人にも、自分のことを理解されることはなく、愛してくれていると信じていた母親にも裏切られ、ボロボロにされる。
ああ、自分には味方なんていない。
私は誰からも、嫌われる。
もう抗うのは、疲れた。
これが私の人生なのか、と気づいた時
ジョーカーは、生まれる。
はじめからモンスターだったわけじゃない。
人間の醜さが、彼を生んだのだと思った。
「Why so Serious?」
ダークナイトでの、ジョーカーの言葉。
あの不気味な笑いの裏に隠れていた、真実をこの映画を観て知ることが出来たように思った。
「世間のモラルなんて人間の戯言だ。
足元が脅かされるとすぐにポイ。
たちまちエゴをむき出しにする。」
ダークナイトでも殺人の全てを、ジョーカーが手を下していたわけじゃなく、人が人を裏切り、殺しは広がっていった。人など信用できない。人はすぐ裏切る。
この映画のジョーカーとダークナイトのジョーカーとは一見少し違う気もするけど、双方はちゃんと繋がっていると思うし、ジョーカーほどのモンスターが誕生した、その背景が描かれていて、私は納得した。
主人公の、役者さん。
リヴァーフェニックスの弟さん。
はじめのカウセリングのシーン。
はじめから狂気の目。
これはヤバい人とすぐわかる。
電車で3人殺してトイレで踊るシーン。
サナギから蝶になるような、
人が生まれ変わっているように見えた。
さいご、街の暴動を車から見る表情は、
美しい景色を見るような微笑みで
やっと他人から注目を浴び共感を得られ、喜びを知る。
演技が、素晴らしい。
別にジョーカーで無くてもいい
どん底にいた男が自身の周りや世の中で起きる運命や理不尽により、遂に一線を越える。
段階的に踏んで墜ちていく様や架空と真実のギャップなど見応えのある作品だった。
が、極論で言ってしまうと別にジョーカーで無くてもいい内容でもあった。
冴えない普通のおじさんと置き換えても十分やっていけるストーリーだと思う。
ジョーカーファンとしてはただの復讐だけでは無く、もっと驚きの行動を起こす意外性が足りなかった。
しかし作品の質としては素晴らしかったのも確か。ジャックニコルソンやピースレジャーとはまた別のジョーカーが観れたのは素直に嬉しい。
(但し、ジャレットレト、お前のは許さん
憐れみではなく共感の先に
立派な社会派映画だった。
結果的に表面化する悪に対し、それを生み出した悪の責任の重さを見過ごせなかった。
たしかに善悪は主観的なものだが、だからこそ今自分が一体何に泣いているのか、何がこんなに辛いのか、ジョーカーに対する憐れみではないこの共感の先をよく吟味したい。
本作はシリーズの原点だが、それでもここで見たのは明らかに現代社会だ。
抗えない不遇に怒れる人々は、将来ヒーローに成敗されてしまうのか。だとしたら、ヒーローってなんだろう。
この映画の間違いは、人々の増幅される怒りを野放しにした結果、文字通り無数のジョーカーを誕生させてしまうことだ。
ではどうすればよかったのか。
私たちは、それを考えるべきだ。
私たちの怒りや哀しみは、扇動されたり誰かに弄ばれるものではない。受け止められ、寄り添われ、慰められたりしながら、新たなエネルギーに変えていくべきものだ。なにより社会が、その営みを保証をしなければならない。
ジョーカーの誕生は決して自己責任なんかではなく、本人すら望んでいなかった姿のはずだ。
ジョーカーがはじめて舞うシーンは、善良に生きる道を手放した解放感と、周りを赦し続けることがどれほど辛く困難であったかを改めて見せつける。泣けた。道を外す方が楽であり、日々ギリギリの状態で保たれる善意や正義になんの意味があるのか、私も時々わからなくなる。
小男との最後のやり取りも涙が止まらなかった。ただ一人自分を傷つけなかったのは、結局同じ痛みを知る者だけだった。しかしその相手にも、もうジョーカーのなけなしの優しさが届かない。
ジョーカー、ひいてはバットマンが誕生せずにすんだかもしれない世界を今願うのは間違いだろうか。
そんな、根本すら考えさせられる勇気ある作品だったと私は思う。
そしてホアキン・フェニックスが凄まじかったのは、本当に一瞬たりとも役者としての彼を感じさせなかったことだ。私が見たのはジョーカーであり、ホアキンではないと断言できる。唖然とするほど真の役者だった。
スーパーヴィランのジョーカーではないジョーカー
バッドマンを一作目から観てるわけではないので、僕にとってのジョーカーは、ダークナイトでヒース・レジャーが演じたジョーカーこそがジョーカーだった。
あの知性的な狂気こそが、ジョーカーがスーパーヴィランである理由であり、崇高なヒーローに対峙可能な要素だ。
と言う前段を踏まえて観ると、全く違うジョーカーにガッカリする。
ホアキン・フェニックスが演じるジョーカーは、バッドマンに対峙するためのジョーカーではなく、一般市民がなりうる可能性を秘めたジョーカーだ。
彼を狂気に貶めたのは、『貧困』と、『孤独』であり、人々を誘導したのは『カリスマ性』ではなく、『一般的な不満』だ。
この映画を観て、秋葉原通り魔事件を思い出した。
犯人は『貧困』だったかはわからないが、『孤独』だったのは確かだ。
また今日こんな記事が出ていた
『12年勤務して手取14万円 「日本終わってますよね?」に共感の声』
貧困とは言えないけど、社会に対する不満は誰でもあると思う。
この映画の怖さは、不満は誰でも持っていて、不幸が積み重なった結果、誰でもそこに行き着く可能性を感じることだ。
社会的問題を炙り出そうとしている作品としては面白いが、ジョーカーの人物像の映画としては失格だ。彼はバッドマンを困らすことの出来るスーパーヴィランのはずで、苦悩をテレビカメラの前で吐露する人物像ではない。
彼がいかに成長しても、バッドマンに対峙する姿は想像できない。
ジョーカーというアイコンを使うなら、もっと徹底的な狂気を見せて欲しかったという感想で、⭐︎3っつ。
日本もこのままだとゴッサムシティになるぞ
期待にたがわぬ傑作。
社会から踏みつけられてきた男が、更に踏まれ続ける姿を容赦なく描く!その行き着く先は……。『お前も叫べ!暴れろ!』というメッセージと受け取る人間もいるだろう。R15になるのも当然。これは劇薬取扱要注意映画だ。
ホアキン・フェニックスの体躯から放たれるリアリティ。限界の先を見せられた気分。
決して痛快なダークヒーロー誕生譚ではない。救いのない狂気の先にカタルシスを感じるかどうかは貴方次第です。
笑いと狂気、表裏一体
昨今のDC作品の中ではダントツ!
現実世界でいうと、設定は′70年代でしょうか?
そのまるで当時のインディーズ映画を観ているかのような作中溢れ出る"時代の空気感"が素晴らしく、ずっと感心しながら観入ってしまった。
満点つけなかったのは、脚本にもう一捻り欲しかったなぁ。
来年のアカデミー賞、主演男優賞には30万円、作品賞には2万円、賭けるとしたらの現実的な金額です!
…まあ主演男優賞は倍率1.5倍ぐらいだろうけど。
追記なんですが、『不快になった』と低得点つけてる方がいますが、本作は"製作者が明らかに観客を不快にさようと作った"意図が有りますから、
お涙頂戴作品で泣いた
コメディ作品で腹抱えて笑った
ホラー作品でめちゃ怖かった
のような、"製作者の意図が通じてるのに評価下げる"って事しませんよねぇ、普通…
人生を翻弄された男。
映画の予告の映像から、少し気持ち悪くて少し恐いなぁと思っていたけど…。
彼の背後に色々有る物が本当に虚しくて泣けました💧
血も繋がらない母親を大事に思って生きていたけど、
彼が真実を知ってしまった時の衝撃、落胆。
幼少期の生育環境がいかに大事なのか?
これは、コミックレベルの話ではなく、新たな不幸を生まない為にも見るべき作品。
これは深い人間の映画
とても良かった。ホアキンフェニックスの演技力がとても高かった。ジョーカーはあくまで人間であり彼の狂気に満ちてはいるが非常に魅力的であり共感させる部分も有るキャラ像がとても印象的だった。彼のなんとも表現し難い得体のしれなさが作り出す狂気に満ちた彼の世界は本当に印象深くとても考えさせられた。最後にこれが現代の格差社会を非常に象徴するようなデモ、いかにもアメリカを暗に語ってるような深い映画だった。
共感がすごい
ダークナイト好きな僕にとっては絶対に見たい作品だったが予定がなかなかつかず、やっと鑑賞。ストーリー自体は予想通りの展開だったがひとつひとつのジョーカーに起こるイベント、それに対するジョーカーのリアクションがものすごい共感!やな事続いたら物に当たりたくなるし、クソみたいなやつに絡まれたら殺したくもなるよね。彼女ができたできたと思ってたら妄想だったとか、、そりゃ癇癪起こすわ。雰囲気と音楽に浸れる。
いまっぽい映画
普段アメコミ作品はあまり見ず、『ジョーカー』を見るために『ダークナイト』を見たくらい。アメコミ作品を見ない自分でも非常に面白かったです。バットマンシリーズを見ていればより面白味が分かるのかもしれませんが、『ジョーカー』だけいきなり見ても充分楽しめると思います。
貧富の差が激しい社会の中で、福祉などが削減され社会的弱者はますます追い詰められていく。そして極限まで追い詰められた人間が爆発する姿に哀しみと共感を覚えます。
でもただ辛いだけではなく、主人公の境遇を体現しているかのようなホアキン・フェニックスのゾッとする痩せこけた身体から発せられるダンスが美しく見とれてしまう。
また70年代調(?)の街並みや室内装飾もきれいだし、映像もちょっとノイズがあるフィルム調でかっこいい。
ストーリーもどこまでが現実なのか彼の妄想なのかわからない塩梅がいい。
たぶんいろんな角度から見ても非の打ち所がないのではないか。評判がいいのもうなずけます。すごい映画を見たという感じです。
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