ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ジョークを言う人
昨年劇場で観て、改めてWOWOWにて。
この映画自体が「タチの悪いジョーク」。
時計の時間や利き手など、現実なのか妄想なのか分からず、全て信じることができない。
音楽も劇中で鑑賞されている作品も、演出として巧みで「映画」という手段を最大限に使って表現していると思う。
一方通行的なストーリーでなく、感想や意味付けは観る者に委ねる映画はやっぱり楽しい。
この映画を鑑賞後に思うことは、「悪のカリスマ誕生物語」と期待してはいけないのだなということ。悪行をしようと思っていたのではなく、積み重なりが結果として悪に走らせてしまった。そもそも「悪」も主観なので善悪の判断基準自体も曖昧ではないか。
「悪のカリスマ」ジョーカーを期待して、この作品のジョーカーがイメージと違うと言う人もいるだろうが、それも含めてこの作品はなおさら人それぞれでいいんだと思う。
明るい気持ちには決してなれないが、年に一度は観て新たな発見をしていきたい。
金持ちへの羨望を洗うカタルシス
強烈でした
衝撃的
すごかったです。
人を笑わせ、幸せな気持ちにするはずのピエロの悲しみ。
劣等感、悔しさ、そしてそれが怒りへと変わっていく過程。
2011年にウォールストリートで起きた「我々は99%だ」というデモを思い出しました。格差社会と言われ、貧富の差がますます広がり、非正規雇用でワーキングプアが増大した日本にもその運動は広がりました。
私には彼の悲しみが痛いほど伝わってきます。誰が彼を悪だと断罪できるでしょう。彼は献身的に病気の母親を世話する心優しい息子でもあります。彼にほんの少しの心のこもった言葉や愛情をかけてくれる友人や親やパートナーがいて、やりたい仕事で生活ができていたら、こんな結末にはならなかったでしょう。
さらに、白人で男性であるという米国では最も優遇されているはずだからこそ、社会の落伍者となるのは女性や有色人種よりつらいのかもしれません。
社会から見捨てられたという感覚、失うものは何もないという絶望感から無差別殺人に走る事件は、日本でも時々起こります。ギリギリのところでなんとかタガか外れないよう保っている人たちが、日本にもどれだけいるか。ジョーカーは他人事ではなく予備軍はたくさんいるのです。
単純な勧善懲悪とは一線を画すこういう映画がハリウッドで作られたことがうれしいです。
ホアキン・フェニックスの演技が圧巻でした。
よかった!!
どんな不幸も命を奪っていい理由には、決してならない。
ジョーカーというひと殺しがいかにして出来上がったかを正当化・美化して描く・・という実は単純明快な作品。
もちろん作り方も上手いですしホアキン・フェニックスの演技はすさまじい程狂ってて映画好きとしては見所は沢山あるのですが、最後は冷酷な人殺しになってしまうわけで、これが一般に大ヒットしたことは恐怖以外のなにものでもありません。
昨今の通り魔的な事件の動機と被り、こんな作品に「共感」してしまう若者が出て来るのは困りものです。
どんな不幸も他人の命を奪っていい理由には決してならない。
確かに、世の中は理不尽だし悪いひとも多いですが、「それでもみんな頑張って笑顔で生きている」のです。それを忘れないでほしいな、とおじさんは思います。
アカデミー賞 作曲賞おめでとう🎊
だってトリックスターのジョーカーだもん
これこそ自分が長年”夢に見ていた映画”。
もし自分に漫画や映画を作る才能があればこんな物語を書きたいと妄想してのがついに現実になって目の前に現れた気持ちでした。
イキってるヤツをぶっ殺して、世界が同調していく。
ってのは、この映画の超表面的な部分かもしれない。
でも僕はそこ生理的に反応した。めっちゃゾクゾクした~。
ギリギリで辛くなるくらいの緊張感がずっと保たれてるのが一周まわって気持ちいい。
ずっと何かが起こりそう。でも意外と起こらない。
アーサーへの同情やジョーカーの誕生……よりヴィランが蔓延るゴッサムシティが出来上がる前夜というのにゾクゾクしました。
ここから何十年も続くバットマン vs ヴィラン(ジョーカー)の戦いになっていくのだな、と。
車のシーンはうおおお!!ってなモンですよ!
”ジョーカー”じゃなくてもいいじゃんって意見もあるけど個人的には”ジョーカー”だからこそ楽しめました。
前述の”ヴィランでカオス化していくゴッサムシティ”っていう”バットマンの物語”を背後/未来に感じたから。
ダークナイトってよりバットマンシリーズかな?
オチもジョーカーならでは。
”だってトリックスターのジョーカーだもん”の一言で納得させられる。
そう思うと、ラストの走ってるカットは見事だと思うのです。
あの3分ほどにすべてが詰まってるのかも。
見終わってからいろんな人の考察/感想を読んで考えを巡らすとまた楽しい。
どこまでが現実なのだろうか?
主観/語り手をキーに現実と空想がわからなくなる映画としては『アメリカン・アニマルズ』も面白かったなぁ。
例の階段ダンスシーンで使われる音楽がマリリン・マンソンみたいだったのがなんか嬉しかったです。
やっぱアメリカではそういう感覚なんだ、と。
映画でこういうことしていいの?
映画でこういうことしても良いのか?と思わせるほどに、観る者の様々な感情を刺激する演出には感心する。
誰もが、自分の人生の上手くいかなかった部分とジョーカーを重ねるよう仕向けられる。大袈裟かもしれないが、観ている間はそういう気にさせる力強さがあり、高評価には納得。
良く出来ているけど、もう一度観たいとは思わない。コミックの空想世界に、こんなに生々しい失意や悪意を持ち込んで映画に仕立てても、こういう作品を「良い映画」だとは言いたくない。良くも悪くも評論家向けである。
デニーロを出演させ、「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」との妙な繋がりを感じさせる仕掛けは、何とも不気味で狙い通り。ゴッサムシティ、バットマン物語の利用の仕方も巧妙過ぎる。
「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」「(ノーラン版)バットマン」という優秀作映画(しかも複数本)の力をしっかり借りてる点は、微妙にルール違反な気もする。
「ジョーカー大活躍のスピンオフ・アクションムービー!」を期待して、なんか違った!と思っている若者には、30歳とか40歳になったらもう一回観ていただきたい。
ジョーカーが語る、誕生秘話
ジョーカー自身が語る、誕生秘話。
そんなもの信じられるわけがなく、ストーリーも『悪いジョーク』が繋がれて行くような展開
最後も、2時間真剣に観てきた観客を嘲笑うようなオチはまさにジョーカーの悪趣味そのものである。
ハングオーバーで悪趣味極まりないバカ騒ぎを描いた監督だからこそ描けた、真にジョーカーを描いた作品である。
演技が素晴らしい!
パーフェクト
ホアキン演技力!
ユーモアの綱渡り
「人を笑わせるのは、人を怒らせるのよりも難しい」と祖母が言っていたのを思い出した。本来は誰か笑わせるためのユーモアも失意や悲しみの中では凶器にもなり得る。ユーモアとはそれだけに儚く、脆いものなのだ。そして、本作の主人公アーサーのユーモアは喜劇と悲劇の間を綱渡りする。これが“ジョーカー"というキャラクターが道化師である所以なのかと頷いてしまう。
本作の見事な点は誰しも悪に染まってしまう怖さを描いた点ではない。誰しも悪にならされてしまうかもしれない、というところに本作の面白さがある。喜劇に転げ落ちるのか、はたまた悲劇に転落するのか?善人が悪に堕ちるという作品はこれまでにも数多あったが、アーサーは悲劇という階段を転がり落ちるどころか、むしろ上り詰めていくことで喜劇にして見せている。悲劇と喜劇は表裏一体であり、どちらの方向から見るかによって、見え方が異なってしまう。それは時に善悪にも当てはまる。たとえ合法的な行為であっても、たとえ反社会的な行為であっても、単純にその善悪を決めきれないこともある。
言うまでもなく、本作はバットマンの宿敵“ジョーカー”の誕生までを描いた作品であるが、それと同時に我々が知るあの“ゴッサムシティ”誕生までを描いた作品と言っても良い。一人の人物の登場によって、あるいは一つの出来事によって、世論は、メディアは、そして社会はいとも容易く変化する。そして、この恐さ、この愚かしさ、このバカバカしさの根源は一体何なのだろうか?と観客に問いかける。
コミカルに見せるラストシーンを笑って済ますか、不謹慎と見做すか、あるいは憤りを感じるかは観る者によって違ってくるだろう。だが、そのいずれかの感情を抱いたとすれば、それはジョーカーの術中にすっかり嵌ってしまったということであろう。
なんなのだろうか
映画『ジョーカー』を観てきました。
皆さんの評価はやたらと高いようですが、わたしにはとてもそれほどの作品には思えませんでした。
ベネチア映画祭の金獅子賞という触れ込みですが、この種の映画祭にはありがちな、判り難い映画です。判り易ければいいと言うものでもありませんが…。
恵まれない境遇にあるアーサーが、凶悪なジョーカーへの変貌していく過程が描かれるのだが、そこで主張したかったのは何なのか。
理不尽な暴力に晒されて、地下鉄の中で3人の証券マンを殺すことになるのですが、それも、結局銃を持っていたがために、偶発的に殺してしまい、そのことにより、また自らの怒りが増幅されたように見える。
また、母親の問題の絡んでおり、バットマン(ブルース・ウェイン)との因縁なども描かれているのだが、とても感情移入できるものではない。
根底にはゴッサム・シティにおける格差の問題が大きく横たわっているのは判るのだが、それならそれで、別の描き方があるように思う。
アメコミ映画というジャンルを超えた社会派映画
本年度アカデミー賞本命と話題の本作
格差社会の中、職を解雇され日常生活でも問題抱え窮地に追い込まれつつも、夢を持ち続け生き抜こうとする、変わり者と他者に受け入れられないアーサーに共感、胸を締め付けられた
アメコミ映画というより社会派ドラマとしてズシリと心に響いた
人と違う一面覗かせ周囲から冷めた反応されても、見下されても夢に向かって挑戦続けるアーサーの様な人物と思い合い平等な社会になるよう切に願う
監督はホアキン・フェニックスにアーサーを演じてほしくて脚本を書き、ホアキン・フェニックスは人生は簡単ではない事を描きたかったと話している
様々な角度から社会問題を取り上げ、何故アーサーはジョーカーになってしまった背景が描かれており、興味深く惹き込まれた
魅力ってのはこう言うことをいうのさ、、、
たぶん誰もが知っているヴィラン。ジョーカー。
初登場は今からおよそ80年前(wiki調べ)マジ?w
それなのにこんなにも洗練されていて人々を引き付けるのはなぜなのか?
初めてジョーカーを観たのは小学校の頃に上映された(年齢がバレるw)「バットマン」を見た時に全身タイツの様な男(バットマン)と真っ白な顔の男(ジョーカー)が闘うという内容をみて「ふーん」程度の感想であった。特にバットマンはダサいし、ジョーカーもヤバいダサさを子供ながらに感じていたし、ストーリーも追いかけている様で理解していなかった模様w
しかしサントラはカッコよくずっと聞いていた模様w(バットマーン♪)
なので「バットマン・ビギンズ」はスルーw
しかし何を思ったのか「ダークナイト」のパッケージのカッコよさに劇場へ。
たぶん史上最高のジョーカー(ヒース・レジャー)を目の当たりに、、、。
「昔見た白塗りのぼってりしたおっさんとえらい違いやw」
シーンから滲み出る悪のカリスマ性がとにかくカッコよく、夢中になった。
今作の評価とはズレているかもしれないが、ジョーカーのそんな魅力がホアキンにもしっかりと息づいており、ワンシーン事にジョーカーに近づいていた。
原作とは(原作も設定があっちにいったり、こっちに行ったりしているらしいですが)設定が大きく違い、かなり母親想いであったり、色々と哀しいないようがあり徐々にダークサイドに堕ちてしまった様なニュアンスが感じられ、その点では違和感(ジョーカーは根幹にはとんでもない悪が潜んでいるイメージ)がある。
とはいえ、ホアキンの役作りには驚きを隠せず、裸のシーンではかなりの減量にちょっとびっくりした、また笑うシーンでは最初は気になっていたが、次第にそれさえもスムーズに受け入れている自分がいた。
大きな出来事が起きたりする事はないが、いかにして世界中の人を惹きつけて止まないヴィランが誕生したのか?
またあなたはこれを見て何を感じるのか?自分は少し泣きそうになったw
今までこのジョーカーという役に多くの俳優が命を削ってきたが、今回もその演技に震えると思う。もはや演技ではないとも思う。
まだまだこの魅力的なヴィランは多くの人を魅了していくと思うが、出会った時から以上に長い間付き合っていく事になるだろう。
守るものがあるということ
社会生活を営む人間は、守るものがあることで常にルールに縛られていということを意識させられる映画。
強い者とは守るものが多い者である。
ルールを守ることによって人はその持ち物は守られている。
それに対して弱い者がとりうる抵抗、自分の存在を主張する手段とはノーガード戦法、ルールを無視した戦い(テロ)である。
人は、特に映画館に足を運べるような層は、守るものがあることの幸せさを知っていて、身近に壊されたくないものがある。そして、守るものがない人に対して同情できる。感情移入できる。
一方で、自らが抑圧されている存在として、憤りもあるし開放されることへの憧れもある。
ゆえに、JOKERに対して相反した感情を持たされる。
強すぎてとてもストレスのかかる映画であったが、観る価値のある映画であった。
不幸の連鎖が招く悲劇
周りに凄く良かったと言われるほど足が遠のいていた作品。
信じていた者に次々と裏切られていく姿が切ない。たぶん裏切られていくだけでは、ジョーカーに成り得なかったのかなと。
彼が抱える不満と彼以外の人が社会に対して抱える不満がマッチし、彼が暴動の象徴に祭りあげられたことで、ジョーカーが誕生したと思いました。
ただし、ジョーカー自身は社会に異を唱えるとかには興味なくて、あくまで自身の不満が中心になっているのが、僕たちの知る一匹狼のジョーカーの姿を上手く表しているなと感じます。
ただ、この作品は、ジョーカーがどうなるのかというオチを知っているからこそ、その過程を楽しめる作品で、ジョーカーを知らない人が観たら少し長く感じる部分もあるかもしれません。
是非劇場で確認してみてください❗️
エネルギーがある映画
全1166件中、401~420件目を表示