劇場公開日 2019年10月4日

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ジョーカーのレビュー・感想・評価

全1172件中、401~420件目を表示

3.0ホアキン抜きにこの映画は成立しない

2022年5月25日
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鑑賞方法:映画館

もしもの話だが、バットマンなど存在せずに、ただの一人の狂人を見つめ続ける映画があったとしたら、面白いだろうか?精神に疾患を抱え、仕事に支障をきたし、家族を失い、やがて社会に牙をむいていく。

過去にそんな映画をいくつか見た気もするが、ここでは取り上げない。

何と言っても、この映画で見るべきはホアキン・フェニックスの、その狂気じみた演技だろう。おそらく、映画賞を総なめにするほどに魅力的だ。われらがダークナイトが彼と対峙したときに互角に渡り合えるか、今から心配だ。

しかし、考えてみれば不思議ではある。

ジョーカーは、いかにしてジョーカーになったか?それを一本の映画にまとめたというのに、彼は我々の前に姿を現すや否や、消え去ろうとしている。彼は今から重罪人として裁きを受け、一生刑務所を出られないはずだ。ゴッサムシティの闇の世界にどうやって君臨するのか、今のところその特殊能力はかけらも現れていない。

いわば、この映画は、我々がよく知っている人物を掘り下げ、強大な悪の道に染まっていくほんのさわりの部分だけを描いた物語に過ぎない。その描き方は巧妙で、強い刺激を伴う。

ここからは想像に過ぎないが、映画会社としてはこの映画の出来栄えに満足しているとは思えない。きっと魅力的な「敵」(この場合「正義の味方」とも言う)が登場しないゆえに、娯楽性に欠けるからだ。その、悪と正義の迫力のバトルを描き出すことに、映画本来のダイナミズムを発揮すべきであって、残念ながらこの映画にはそれがない。

独立した一つの作品としてみたら、欠陥があるとしか言えない。R指定にするまでもなく、映画館には、いい年したオッチャンのサブカル好きが押し寄せたにとどまり、若い女性の姿はかけらもない。そんな空間が居心地よかったりもするが、一部のマニアに喜ばれるカルト作品にしておくには惜しいほどに、パワフルで印象深い。

もうひとつ。蛇足に過ぎないが、興味深い現象として、ここ数年のトレンドに、『イット/それが見えたら終わり』で描かれた、ピエロあるいはクラウン恐怖症。それから、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が挑戦した、あえて懐古主義的に今じゃない時代をふりかえる手法が、この映画でも取り上げられた。この2作と本作の類似点は非常に多い。そしてもちろん、ノーラン作品の『ダークナイト』抜きに、この映画は語れない。

ジャック・ニコルソン。ヒース・レジャー。そして、一瞬で強い印象を残したジャレッド・レト。いずれも魅力的だが、現時点でホアキンにまさるジョーカーはいない。そんなことを考えさせられた映画だった。

2019.10.7

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うそつきカモメ

5.0もう観たくないけど個人的に選ぶ2019年No.1ムービー

2021年9月21日
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今回の作品ではジョーカーの過去が描かれています。

なぜジョーカーはピエロのメイクをし、狂気的に笑うのか。

その過去には「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の教えで、コメディアンや大道芸人として活動していた過去がありました。

普通の心優しい青年だったジョーカーが、なぜ連続殺人犯になり、悪のカリスマ的存在になったのか。

豹変していくジョーカーのストーリーは必見です。

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三浦誠大

5.0ここ数年でいちばんグッときた

2020年10月6日
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記憶に残る映画でした。

ただ人を笑わせたい、
そんな優しい男を悪のアイコンに変えた原因は
自身の中に隠れてた潜在的な悪だとは言い切れなくて

世の中からの蔑み、嘲笑、無関心、暴力、孤独感だったりしたのかおもいます。



そしてなんといっても、
ホアキンフェニックスの演技!!

表情、動き、体つき、目線、笑い、泣き、、
すべての演技にひきこまれました。

ジョーカーとなった後も、
信頼してる人に向けた優しいような諦めたような表情が余計つらかった…


こんなに引き込まれた映画は久々でした。

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ちー

3.5心の闇

2020年8月10日
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なんだかシンパシーを感じてしまう。そんな自分が怖い。

この映画はアーサーほどではないにせよ、だれでも少しは持ち合わせているであろう、狂気性を見事に体現している。
だから観終わった後、後味の悪さが残った。
暗いけど、いい映画だと思います。

映像がレトロチックで、チャップリンの映画を彷彿とさせる。

都会の街があまりにも汚く、ゴミが多い。治安も悪く、ストライキのデモで人々は荒れている。何一つ明るい話はない。
そんな中、劇中で何度もでてくるアーサーの泣き叫ぶような笑い声が不気味に響いていた。

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るん

4.5ジョークを言う人

2020年7月26日
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昨年劇場で観て、改めてWOWOWにて。
この映画自体が「タチの悪いジョーク」。

時計の時間や利き手など、現実なのか妄想なのか分からず、全て信じることができない。

音楽も劇中で鑑賞されている作品も、演出として巧みで「映画」という手段を最大限に使って表現していると思う。
一方通行的なストーリーでなく、感想や意味付けは観る者に委ねる映画はやっぱり楽しい。

この映画を鑑賞後に思うことは、「悪のカリスマ誕生物語」と期待してはいけないのだなということ。悪行をしようと思っていたのではなく、積み重なりが結果として悪に走らせてしまった。そもそも「悪」も主観なので善悪の判断基準自体も曖昧ではないか。

「悪のカリスマ」ジョーカーを期待して、この作品のジョーカーがイメージと違うと言う人もいるだろうが、それも含めてこの作品はなおさら人それぞれでいいんだと思う。

明るい気持ちには決してなれないが、年に一度は観て新たな発見をしていきたい。

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うむぼんず

3.0金持ちへの羨望を洗うカタルシス

2020年7月23日
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鑑賞方法:映画館

主演・ホワキンの怪演はもう彼方に突き抜けたレベルでもう言葉も出ない。美男も美女も出てこないし、愛だの友情もない。無関心、暴力、虐待、。いい思いしてるのは限られた金持ちだけ、愛情、友情なんて甘いことなんてないっていう鬱憤を引き裂く。

映画への期待のひたつに閉塞した思いをスカッとさせるものだとしたら、この映画のヒットもうなずける。撮影テクニカル的には、光とフレームワークはもうピカイチ、さすが、プロ中のプロ集団。

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菜野 灯

4.5強烈でした

2020年4月22日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

強烈でした。
私も含めて、アメコミはあんな感じ、と思ってる観客にくらわせる気満々。

緊張すると奇行が止められない男。
人の目が無ければ緊張も無いかもしれないけれど、それは彼が渇望するものでもあるから。

他人の視線を超えたら、緊張感はただのワクワク。
怖い、でも面白かったです。

なんと言っても、最後の切れ味が最高!
やってくれるよね!

IMAXで鑑賞。
劇場でスクリーンを見上げて観るのも雰囲気あっていいかもと思ったけど、まとわりついてくるような弦楽器の音に浸りこむ感覚、ホント良かったです。

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グッドラック

4.0衝撃的

2020年4月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

すごかったです。
人を笑わせ、幸せな気持ちにするはずのピエロの悲しみ。
劣等感、悔しさ、そしてそれが怒りへと変わっていく過程。
2011年にウォールストリートで起きた「我々は99%だ」というデモを思い出しました。格差社会と言われ、貧富の差がますます広がり、非正規雇用でワーキングプアが増大した日本にもその運動は広がりました。
私には彼の悲しみが痛いほど伝わってきます。誰が彼を悪だと断罪できるでしょう。彼は献身的に病気の母親を世話する心優しい息子でもあります。彼にほんの少しの心のこもった言葉や愛情をかけてくれる友人や親やパートナーがいて、やりたい仕事で生活ができていたら、こんな結末にはならなかったでしょう。
さらに、白人で男性であるという米国では最も優遇されているはずだからこそ、社会の落伍者となるのは女性や有色人種よりつらいのかもしれません。
社会から見捨てられたという感覚、失うものは何もないという絶望感から無差別殺人に走る事件は、日本でも時々起こります。ギリギリのところでなんとかタガか外れないよう保っている人たちが、日本にもどれだけいるか。ジョーカーは他人事ではなく予備軍はたくさんいるのです。
単純な勧善懲悪とは一線を画すこういう映画がハリウッドで作られたことがうれしいです。
ホアキン・フェニックスの演技が圧巻でした。

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ピンクマティーニ

5.0よかった!!

2020年2月21日
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鑑賞方法:映画館

見逃していたジョーカー、アカデミー賞ノミネート&受賞記念で再上映中に無事観ることができた。初めてのドルビーシネマにて。確かに音響の良さ、凄さを体感した。

映画は、とってもよかった。ジョーカーが好きすぎて9回も観ている知人がいたが、その気持ちが少しわかったような気がした。

妄想と現実、悲劇と喜劇。どこからがどちらなのか、観ているこちらもよくわからない、線引きできない場面がたくさんあった。でもそのよくわからなさも心地よい不思議な映画だった。比べるのもナンセンスだけれど、パラサイトより好き。

ホアキン氏の凄まじさを感じた。アーサーのあの笑い声が、耳から離れない。

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おゆき

0.5どんな不幸も命を奪っていい理由には、決してならない。

2020年2月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

ジョーカーというひと殺しがいかにして出来上がったかを正当化・美化して描く・・という実は単純明快な作品。
もちろん作り方も上手いですしホアキン・フェニックスの演技はすさまじい程狂ってて映画好きとしては見所は沢山あるのですが、最後は冷酷な人殺しになってしまうわけで、これが一般に大ヒットしたことは恐怖以外のなにものでもありません。
昨今の通り魔的な事件の動機と被り、こんな作品に「共感」してしまう若者が出て来るのは困りものです。
どんな不幸も他人の命を奪っていい理由には決してならない。
確かに、世の中は理不尽だし悪いひとも多いですが、「それでもみんな頑張って笑顔で生きている」のです。それを忘れないでほしいな、とおじさんは思います。

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ベーコンえっぐ

5.0アカデミー賞 作曲賞おめでとう🎊

2020年2月11日
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この映画を観る前と後では悪人に対する憎悪感が変わってしまった。どこかの宗教で罪を憎んで人を憎まず。と言うのを聞いた事があるが初めから悪人はいないとまで思えてしまう。(でも悪はダメだけど。)

実際にいたのか?と思ってしまうほど狂気に満ちたジョーカー。演技がリアルで怖いね。悲しいね。辛いね。

この映画を盛り上げている1つの要素にサントラがあってどれも聞いた事があるのにこの映画のおかげで楽しい音楽ではなく孤独で悲しみに満ちた迫力ある曲となってしまった!
忘れられない映画の1つになった。

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ひまわり

4.0だってトリックスターのジョーカーだもん

2020年2月8日
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鑑賞方法:映画館

これこそ自分が長年”夢に見ていた映画”。
もし自分に漫画や映画を作る才能があればこんな物語を書きたいと妄想してのがついに現実になって目の前に現れた気持ちでした。

イキってるヤツをぶっ殺して、世界が同調していく。
ってのは、この映画の超表面的な部分かもしれない。
でも僕はそこ生理的に反応した。めっちゃゾクゾクした~。

ギリギリで辛くなるくらいの緊張感がずっと保たれてるのが一周まわって気持ちいい。
ずっと何かが起こりそう。でも意外と起こらない。

アーサーへの同情やジョーカーの誕生……よりヴィランが蔓延るゴッサムシティが出来上がる前夜というのにゾクゾクしました。
ここから何十年も続くバットマン vs ヴィラン(ジョーカー)の戦いになっていくのだな、と。
車のシーンはうおおお!!ってなモンですよ!

”ジョーカー”じゃなくてもいいじゃんって意見もあるけど個人的には”ジョーカー”だからこそ楽しめました。
前述の”ヴィランでカオス化していくゴッサムシティ”っていう”バットマンの物語”を背後/未来に感じたから。
ダークナイトってよりバットマンシリーズかな?

オチもジョーカーならでは。
”だってトリックスターのジョーカーだもん”の一言で納得させられる。

そう思うと、ラストの走ってるカットは見事だと思うのです。
あの3分ほどにすべてが詰まってるのかも。

見終わってからいろんな人の考察/感想を読んで考えを巡らすとまた楽しい。
どこまでが現実なのだろうか?
主観/語り手をキーに現実と空想がわからなくなる映画としては『アメリカン・アニマルズ』も面白かったなぁ。

例の階段ダンスシーンで使われる音楽がマリリン・マンソンみたいだったのがなんか嬉しかったです。
やっぱアメリカではそういう感覚なんだ、と。

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kizkiz

4.0映画でこういうことしていいの?

2020年2月3日
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映画でこういうことしても良いのか?と思わせるほどに、観る者の様々な感情を刺激する演出には感心する。

誰もが、自分の人生の上手くいかなかった部分とジョーカーを重ねるよう仕向けられる。大袈裟かもしれないが、観ている間はそういう気にさせる力強さがあり、高評価には納得。

良く出来ているけど、もう一度観たいとは思わない。コミックの空想世界に、こんなに生々しい失意や悪意を持ち込んで映画に仕立てても、こういう作品を「良い映画」だとは言いたくない。良くも悪くも評論家向けである。

デニーロを出演させ、「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」との妙な繋がりを感じさせる仕掛けは、何とも不気味で狙い通り。ゴッサムシティ、バットマン物語の利用の仕方も巧妙過ぎる。
「タクシードライバー」「キング・オブ・コメディ」「(ノーラン版)バットマン」という優秀作映画(しかも複数本)の力をしっかり借りてる点は、微妙にルール違反な気もする。

「ジョーカー大活躍のスピンオフ・アクションムービー!」を期待して、なんか違った!と思っている若者には、30歳とか40歳になったらもう一回観ていただきたい。

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Yuk

4.5ジョーカーが語る、誕生秘話

2020年2月2日
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ジョーカー自身が語る、誕生秘話。

そんなもの信じられるわけがなく、ストーリーも『悪いジョーク』が繋がれて行くような展開

最後も、2時間真剣に観てきた観客を嘲笑うようなオチはまさにジョーカーの悪趣味そのものである。

ハングオーバーで悪趣味極まりないバカ騒ぎを描いた監督だからこそ描けた、真にジョーカーを描いた作品である。

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はりねずみ。

5.0演技が素晴らしい!

2020年1月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

脚本、映像、音楽すべてが良かったです。
何よりホアキン・フェニックスの演技が素晴らしい!
アーサー、妄想の中のアーサー、ジョーカー、と同じ人であり違う人のような演じ分け。

特に階段のダンスと、ロバート・デ・ニーロとのテレビショーの場面が素晴しかったです。
ダンスの場面はジョーカーの解放されたようなダンスと笑顔が印象的であり、映像としてもとてもかっこよかったです。
テレビショーの場面はホアキン・フェニックスとロバート・デ・ニーロ2人の圧巻の演技で、それが現実に起こっているかのような臨場感と緊迫感でした。

5回も観てしまった。

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ぽつこ

5.0パーフェクト

2020年1月2日
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鑑賞方法:映画館

高い評価を得ている理由はよくわかる。シナリオはもちろん、ホアキンフェニックスの演技、カメラワーク、全てにおいてレベルが高い。細かな意見は言わないが、気分転換や共感を求めて観る映画ではない。
この映画はジャンルがちがう。ある種芸術として見なければならない。残忍な場面とか、暗い映画だとか、評価しない意見もあるが、これはそういう感覚で見る映画ではないだろう。
何も考えてないで楽しい気分で劇場を出たい人は寅さんを見るべき。

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cats eyes

4.0ホアキン演技力!

2019年12月8日
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鑑賞方法:映画館

興奮

周りに観に行ったほうが良いと言われ今更ながらに観に行きました。
序盤からずっと引き込まれてあっという間にTHEEND。

途中、現実なのか空想なのか判断難しく、色々葛藤ありながらジョーカーが誕生したんですね。

ヒース・レジャーが亡くなって代役いないと思ったけど、ホアキンやってくれましたねー
体まで仕上げてきて最高でした\(^o^)/

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yuu

5.0ユーモアの綱渡り

2019年11月22日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

「人を笑わせるのは、人を怒らせるのよりも難しい」と祖母が言っていたのを思い出した。本来は誰か笑わせるためのユーモアも失意や悲しみの中では凶器にもなり得る。ユーモアとはそれだけに儚く、脆いものなのだ。そして、本作の主人公アーサーのユーモアは喜劇と悲劇の間を綱渡りする。これが“ジョーカー"というキャラクターが道化師である所以なのかと頷いてしまう。

本作の見事な点は誰しも悪に染まってしまう怖さを描いた点ではない。誰しも悪にならされてしまうかもしれない、というところに本作の面白さがある。喜劇に転げ落ちるのか、はたまた悲劇に転落するのか?善人が悪に堕ちるという作品はこれまでにも数多あったが、アーサーは悲劇という階段を転がり落ちるどころか、むしろ上り詰めていくことで喜劇にして見せている。悲劇と喜劇は表裏一体であり、どちらの方向から見るかによって、見え方が異なってしまう。それは時に善悪にも当てはまる。たとえ合法的な行為であっても、たとえ反社会的な行為であっても、単純にその善悪を決めきれないこともある。

言うまでもなく、本作はバットマンの宿敵“ジョーカー”の誕生までを描いた作品であるが、それと同時に我々が知るあの“ゴッサムシティ”誕生までを描いた作品と言っても良い。一人の人物の登場によって、あるいは一つの出来事によって、世論は、メディアは、そして社会はいとも容易く変化する。そして、この恐さ、この愚かしさ、このバカバカしさの根源は一体何なのだろうか?と観客に問いかける。

コミカルに見せるラストシーンを笑って済ますか、不謹慎と見做すか、あるいは憤りを感じるかは観る者によって違ってくるだろう。だが、そのいずれかの感情を抱いたとすれば、それはジョーカーの術中にすっかり嵌ってしまったということであろう。

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Ao-aO

2.0なんなのだろうか

2019年11月16日
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映画『ジョーカー』を観てきました。
皆さんの評価はやたらと高いようですが、わたしにはとてもそれほどの作品には思えませんでした。
ベネチア映画祭の金獅子賞という触れ込みですが、この種の映画祭にはありがちな、判り難い映画です。判り易ければいいと言うものでもありませんが…。

恵まれない境遇にあるアーサーが、凶悪なジョーカーへの変貌していく過程が描かれるのだが、そこで主張したかったのは何なのか。
理不尽な暴力に晒されて、地下鉄の中で3人の証券マンを殺すことになるのですが、それも、結局銃を持っていたがために、偶発的に殺してしまい、そのことにより、また自らの怒りが増幅されたように見える。
また、母親の問題の絡んでおり、バットマン(ブルース・ウェイン)との因縁なども描かれているのだが、とても感情移入できるものではない。

根底にはゴッサム・シティにおける格差の問題が大きく横たわっているのは判るのだが、それならそれで、別の描き方があるように思う。

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エンドルフィン

5.0アメコミ映画というジャンルを超えた社会派映画

2019年11月15日
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鑑賞方法:映画館

本年度アカデミー賞本命と話題の本作

格差社会の中、職を解雇され日常生活でも問題抱え窮地に追い込まれつつも、夢を持ち続け生き抜こうとする、変わり者と他者に受け入れられないアーサーに共感、胸を締め付けられた
アメコミ映画というより社会派ドラマとしてズシリと心に響いた

人と違う一面覗かせ周囲から冷めた反応されても、見下されても夢に向かって挑戦続けるアーサーの様な人物と思い合い平等な社会になるよう切に願う
監督はホアキン・フェニックスにアーサーを演じてほしくて脚本を書き、ホアキン・フェニックスは人生は簡単ではない事を描きたかったと話している
様々な角度から社会問題を取り上げ、何故アーサーはジョーカーになってしまった背景が描かれており、興味深く惹き込まれた

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Noriko
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