ジョーカーのレビュー・感想・評価
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言葉に出来ない
ジョーカーの成り立ちが分かる!
Clown (=道化者)の悲哀
冒頭のシーンに全てが詰まっているような気がした。
笑わせることと笑われることは一重であり、笑わせることとは、テレビショーのマレーのように、誰かをダシにして、所謂今で言うイジリ芸だったり、笑われることとは、見下され、蔑まれ、この映画の冒頭のシーンのように何をされても仕方ない側面があるのかもしれない。
狂気に満ちた殺人犯に至る過程が、とても丁寧に描かれていた。ナイーブで優しい人が、ちょっとしたことがきっかけで、今まで内に秘めていた不満が爆発して猟奇的な犯罪者になってしまうのは、決してこの映画の中だけのお話ではない。
生放送の中で、カミングアウトして、悪の主観を述べるあたりは陳腐な展開に思えたが、アーサーの切羽詰まった心情が表れていて、鬼気迫るものがあった。ホアキンフェニックスの怪演のお陰だろう。
全体的に暗いトーンで進んでいく映画で、結末はなんとなく読めるものの、常にハラハラ感が付きまとい、アーサーの心理描写が見事に描かれている映画だった。
この結末をどう捉えたらいいか思い倦ねているが、なんだかスカッとした気持ちになってしまった。
テーマが弱い映画。これだと単なるアメコミスピンオフ
話題のJOKERを観てきた。まず、お断りしておくが私はアメコミは知らない。バットマンの悪役だなというぐらいか。テーマはアメリカの貧富の差、格差社会をJOKERの眼で描いている。この点はいいが、そのテーマをもっと全面に出しても良かったのでは。結局、アニメファンなら良く聞くバットマンスピンオフものになってしまった。せっかくホアキンフェニックスやロバート・デニーロの演技は良かったのに残念。
しかし、JOKERのようなヒール役が主人公の映画も斬新で3点はつけたい。合格点は上げられない。
それでも生きる…
ホアキンの奥深い演技力は素晴らしいのひとこと。作品のクォリティも高...
ホアキンの奥深い演技力は素晴らしいのひとこと。作品のクォリティも高いと思う。ただあまりにダーク過ぎて自分の好みには合わず、ジョーカーの持つ哀しみも自分の中で長年抱いていたイメージとは大きく違っていた。
思ったより残るなぁぁ
いまっぽい映画
普段アメコミ作品はあまり見ず、『ジョーカー』を見るために『ダークナイト』を見たくらい。アメコミ作品を見ない自分でも非常に面白かったです。バットマンシリーズを見ていればより面白味が分かるのかもしれませんが、『ジョーカー』だけいきなり見ても充分楽しめると思います。
貧富の差が激しい社会の中で、福祉などが削減され社会的弱者はますます追い詰められていく。そして極限まで追い詰められた人間が爆発する姿に哀しみと共感を覚えます。
でもただ辛いだけではなく、主人公の境遇を体現しているかのようなホアキン・フェニックスのゾッとする痩せこけた身体から発せられるダンスが美しく見とれてしまう。
また70年代調(?)の街並みや室内装飾もきれいだし、映像もちょっとノイズがあるフィルム調でかっこいい。
ストーリーもどこまでが現実なのか彼の妄想なのかわからない塩梅がいい。
たぶんいろんな角度から見ても非の打ち所がないのではないか。評判がいいのもうなずけます。すごい映画を見たという感じです。
ジョーカーらしさが微塵もない駄作
ジョーカーのバックストーリーは、仮にどれほど見事に描かれていたとしても見ることに抵抗がある。
ジョーカーのもつ「底知れない」悪意が背景を伴うことで限定されてしまう可能性があるからだ。
でも、映画化されてしまったら見ないわけにはいかない。そんなジレンマを抱えながら映画館に足を運んだ。
しかし結論から言うと、全くの杞憂だった。正直ほっとした。
これはジョーカーでも何でもない。有象無象の駄作映画だった。
わかりやすくダメなポイントを2つ挙げるならば、1つはアーサーに降りかかる不幸が軽すぎること。
看板強盗を追いかけたら裏路地でリンチされた、電車で酔っ払いにからまれた、自分の母親が妄想狂だった、憧れのコメディアンに晒し物にされたなど、どの不幸エピソードもとるに足らないくだらないことばかり。ウシジマくんの債務者のほうがよっぽどひどい目にあっている。
2つめはアーサーの犯行が衝動的すぎること。電車でからんできた酔っ払いを銃殺、警察の聞き込みにあった元同僚を撲殺、ウェイン邸でブルースに掴みかかるなど、全く知性を感じさせない行動ばかり。ジョーカーの魅力である狂気や狡猾さの片鱗が見られない。最後のTV番組でも怒りに任せて撃ち殺しただけで、心底つまらなかった。
この2つのポイントはジョーカーを描くのであれば、クリアしていて当たり前のポイントである。それすらできていない本作は全くもって論外というほかない。
ジョーカーのバックストーリーを描こうと思ったら、凄惨な不幸と狂気にくわえて、さらに100歩ほど踏み込む必要があるだろう。
ドットフィリップスには、もう一生このような身の程知らずなテーマには挑戦しないでもらいたい。
すべてを煙に巻くようでいて…
完結に、もっとも印象に残ったシーンだけ。
追突事故にあった護送車から彼を引きずり出しアーサーを悪のカリスマとして担ぎ上げ、バットマンの父親でありアーサーの母の想像妊娠の相手だったトーマス・ウェインを殺害した人物のシーン描写の丁寧さとリアリズムがなんとも不気味。
アーサーも彼の母親も、隣人の妄想恋人も、仕事仲間もボスも、カウンセラーだって悪くない人物だ(場合によって敵対する可能性はあるにしろ)。もちろんトーマス・ウェイン(バットマンの父親でアーサーの母の想像妊娠の相手)もマレー・フランクリン(アーサー憧れのコメディアン)だってもちろんそうだ。
アーサー(≒ジョーカー)を担ぎ上げた存在(匿名の今でいうインフルエンサーだろうか)を我々は意識して冷静な決定を各々がくだすべきだと感じた。
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