ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ジョーカーを名乗った空虚な男の妄想劇
どこまでが(劇中における)現実でどこまでが妄想なのか、と追求することはしない。作り手が解釈に委ねて明かす気はないと名言しているというだけでなく、それでは答え合わせに過ぎないから。ただ、はっきりと言えるのは、本作のジョーカーは「ジョーカーを名乗っている」というだけで、別にジョーカーではない、ということ。終盤の展開が本当なのか妄想なのかはともかく、ジョーカーを名乗った空虚な男に、大衆が自分たちの不満や怒りを託そうとする。その社会性がこの映画の肝であり、このひしゃげたご時世に爆発的に受け入れられた理由なんじゃなかろうか。
映画的には撮影、演技ともにみごとだが、気にかかるのはあからさまに『キング・オブ・コメディ』『タクシー・ドライバー』とハッキリ名指しできるスコセッシ映画をモチーフにしていること。アメコミ映画に新しいアングルからアプローチすることで、従来のジャンル映画の壁を破ろうという試みが、限りなく先達の作ったもの(スコセッシ映画)に近づいていく、といのはやはり懐古趣味ではないか。スコセッシ御大が今でも常に攻めているからこそ、目指す天井が見えてしまっている感じが気になった。
敗者のカリスマ
バッドマンシリーズのジョーカーは、どこか人間離れした超人的なキャラクターでしたが、今作のアーサーは誰よりも感受性が強くて感性の塊みたいな人間だったので、意外と言えば意外でした。ただ、良く考えるとコメディアンという職業は、人よりも感受性が強くないとできないし、ジョーカーも感受性が強くないとあんな人間の闇を突く様な事を思いつくわけがないですよね。
アーサーが何故ジョーカーになったのかは、作品を鑑賞していれば自ずと理解ができると思います。アーサーは実際に殺されてはいませんが、実質は社会に殺されているのと同じです。
今年の夏に京都で無差別殺人がありましたが、日本に限らず世界中でも無差別殺人が沢山起こっています。アーサーも彼らもギリギリのところで自分を保っていたものが、何かのきっかけで爆発してしまった。それは、貧しさからの差別だったり、解雇されたり、馬鹿にされたり、そんな他人からしたら些細な事の積み重ねなのかもしれません。アーサーは特別に凶暴な人間ではなく、どこにでもいる資本主義に飲み込まれた敗者です。
資本主義のお祭騒ぎが終わり、気がつくと世の中はゴッサムシティじゃないか。私には、何の後ろ盾もないし、誰も助けてくれない。災害や不況で私達は簡単に貧困になる。人々は助け合うのではなく、自分より弱き人を押し除ける。アーサーは、ディストピア化した未来の私です。
興味深かったのが、アーサー自ら洗練されたジョーカーに変化していったのではなさそうだということです。周囲が、ジョーカーを奉りカリスマに作り上げていったのです。だって、自分達の代表が情けなくてダサい奴だと、自分も情けなくてダサい奴って事じゃないですか。
仮に観たものの全てがジョーカーのネタだったとしても、私達はこんなにアーサーに熱狂しています。アーサーに共鳴しています。私達は冷酷な強者を求めているのか?敗者のカリスマを求めているのか?
ジョーカーから離れられなくなる作品です。
悪から生まれたわけじゃない
気候は狂い、台風は暴れ大企業は汚職ばかり
国のトップはSNSやミサイル遊び
今の世も混沌としていて正しいことがわかりづらくなってきてしまってる
そんな時に現れるのかこのジョーカーではなかろうか
悲しみや辛さを笑いで覆い一筋の光となって人々を導く事は容易くはない
ただ、このジョーカーは自分のことだけ見てくれる優しさに飢えていただけなのかも
そりゃさ、誰だってそんな時があるだろうさ
弱気になってる時なんかとくにさ
だから踏ん張って頑張って我慢もして時には自分さえもなくなりそうになっても生きていかなきゃダメな時があるでしょ
辛いことと楽しいことが半分づつとは言わない、むしろ辛いことばっかりかもしれない
人に生まれたのだから仕方がないと諦めることもあるし
その逆もある
人だからこそ心から「幸せ」を実感することも出来る
そんな時はこの上なく暖かい気持ちで覆われて天にも登るような時だってあるよ
あー 生きてて良かったな〜〜と思える時が人生で数回あるだけで儲け物
そんな時がまた来るように踏ん張って頑張って生きていきたいものですね
タイトルなし
社会に側圧された孤独な男アーサーが
ジョーカーへと変貌する様が描かれている
元々持っていた素質
闇に落ちる
人はこうやって壊れていく
.
許されない
同調してはいけない
だけど…
彼の孤独と苦しみ哀しみ哀れさが
痛いほど伝わってくる
そこに感情移入してしまいそうになる
.
社会を変えなきゃ
そんな大きなことは言えない
でも何かを変えなきゃ
噴き出すものは抑えられない
.
ホアキン・フェニックスのジョーカー誕生
世の中に
影響を与える映画が生まれたのでは…
衝撃的な作品です
ジョーカー🃏は身近にある。
最初から最後まで観賞した途端、言葉が全く出なくなり、ガツンと来てしまった。
余りも世界中で起きている現実問題がこの映画にも繋がっていて、自分自身だけでなく、他人もジョーカーになりかねない事が身近にあると言う事を改めて思い知らされました。
この作品の主人公であるホアキンフェニックスさんは名優であり、タクシードライバー主演俳優、ロバートデニーロさんの演技も作品にインパクトを与えていて、監督のトッドフィリップスさんもバットマンシリーズ、タクシードライバー、キングオブコメディ作品を研究して、途中にチャップリン作品を挿入して制作した事を評価します。
銃も怖いけどスーパーラットも怖い
ゴミ溜めの様な街
アーサーの具合悪そうな顔
ボロい建物
初めは映像的にも見てて気分悪かったのが
ジョーカーが生まれてからは
世界観が変わったように綺麗に見えてきた
悪者ジョーカーとなっていく
ホアキン・フェニックスの演技に魅入ってしまいました
何がいいのかさっぱり分かりません❗️
前評判が凄く良かったのでかなり期待して見ましたが、期待外れ!全く感情移入できず、はっきり言って退屈でした。どこがいいのか誰か教えて下さい。見終わっても何も残りません。時間の無駄でした。レビュー評価の異常な高さに何か作為を感じてしまうのは僕だけでしょうか❓
かなりブラックなエンターテイメント作品
アーサーの境遇や環境を想えば少なからずの同情は否めないが・・
ジョーカーの行いには共感は絶対!出来ない!
・・夢や希望、未来ある子供達には目隠しすべき・・R15は正しき選択でしょう・・
ホアキンさん、既に
体型が安定されていて安心しました🍀
地獄から生まれた道化師
『ダークナイト』ヒース・レジャーのジョーカーは、悪魔そのものの「狂気」が人の形をして、地上に舞い降りたような存在だった。
すべてのルール、理(ことわり)を破る存在という意味で「トランプのジョーカー」だった。
本作のジョーカーは、違う。
障害を抱えた貧困にあえぐ人間が、他人から存在を認められず、社会に虐げられ、悪意に晒されて、身体に埋まっていた「悪魔の卵」が徐々に大きく育ち、孵化する姿を描いていた。
悲劇が喜劇に見える、笑えないコメディアン「道化師のジョーカー」の誕生物語だった。
進むも留まるも引き返すも、この世界全てが地獄であり、幸せにはならない理不尽な世の中への憤り、怒り。
そして、恐怖の「笑い」が爆発する。
殺人という行為は許されないとは思うが、無自覚に弱き立場の人をさげすんでいる富裕層~一般人が、実に「殺されて当然」とさえ感じ、ジョーカーに感情移入してしまった。
人種を分断し、社会保障費を削り、格差が広がる一方である現在のアメリカ社会で、これをよく作ったなと感嘆しつつ。
実際に虐げられている(同然の低所得などの)層に、この映画は救いとはならないようにも思えもし。
あと、日本でも、安い仕事しかない若い人や、会社をリストラされたり、ハラスメント関連で鬱になったりした人にとっては、本作の内容は「今そこで現在進行形の地獄」そのものを見せられるようなものかもしれない。
(日本でヒットするなら、この国も貧困に喘いでいる人が多く、社会や政治に不満を持つ人が増えているということであろう)
正直、つらく感じる部分もあったが、これを成立させたのは、ホアキン・フェニックスの怪演であろう。
危ういバランスの中の、面白さであった。
たった1人の人間で人は変わる、変われる、変わってしまう
今更だが見に行った。
原作というかバットマンのジョーカーは全然知らない。映画があると聞いたので、ウィキペディアでちょっと経緯?を見て予告も見たくらい。その程度。
しかし、なぜR15なんだろうと思いながら。
これは凄い。
酷すぎる。狂っている。
いや、狂っているのはこの社会かもしれない。
富裕層は支持され死んでしまったら悲しまれ、
貧乏人は見向きもされないし死んでも気づかれない。
貧乏人の言うことなんて耳を傾けようともしない。
仕事はない。金もない。裏切られ、笑われる。
何をしようとしてもダメ。嫌われる
こんな腐った世の中に送るメッセージなのか。
しかし、暴力と狂気に溢れている。
R指定なのが理解出来た。
公開当初囁かられていたが、事件が起こるかもしれないというのはわかる気がする。
賛否両論分かれるってそうゆうことか。
このジョーカーという男により、
世の中は変わっていってしまう。変わり果てる
なんだ警察。なんだ金持ち。そんなのぶっ壊せ
これがとても原作がコミックだとは思えない。
監督もホアキン・フェニックスも言われていたが、原作を見ていないらしい。なるほどな。
原作好きの人からしたら違うだろって所もあるだろう。
これを字幕だけにしたのは正しいかも。
憎しみと苦しみがひしひしと伝わってくる
見てから何時間も経っているが、
ずっと震えが止まらない。そんな映画だ
ジョーカー降誕
バットマンシリーズに愛着もなく、ジョーカーにも特別な思い入れもないのだが映画として素晴らしいのはやはりジョーカーという確立されたキャラクタのせいなのか
とは言え、ただの狂気と言うには切ないし、ジョーカーになる過程や抑圧された感情が解放されていくのは共感すら覚える
その適度な緊張感がたまらないし、ジョーカーをジョーカーたらしめた物、それを確認出来た意義は非常に大きいことだと思う
前半2点、後半3.5点。前評判を超えず
ホアキンの心が死んだ瞬間に命を宿した"ジョーカー"。
とにかく下記2人の迫真の演技が素晴らしい作品でした。
一方で、前半は少し退屈してしまう流れがあった気がします。
■良い点
・ホアキン、ロバードデニーロの演技が素晴らしい
・ニューヨークの地理的な闇がよく表現されていた
■悪い点
・特に前半は展開力が弱く、退屈してる観客も多かったのでは
まさに喜劇。
貧富の差が激しく不満や怒りを表した殺伐とした世の中。
明日どうなるかもわからない自分たちの生活。
ひたすら長い階段と帰路への重い足取り。
毎日生きていく事で精一杯な日常。
どんな時も笑顔で。と母の言葉を信じ鏡の前で笑顔をつくる。
もう、出だしのこれだけでも暗くなる。
見る前から話題となっており、賛否両論と言われてますが残酷性より精神的なもの。
刃物や銃は出てくるが、そんなものはジョーカーの付録にしか過ぎないと言うこと。
観ているだけでこちらの精神が蝕まれていき憂鬱な感覚に陥る。自身の魂すら吸い取られてしまう。
これがジョーカーの武器なのかもしれない。
そして観る人の置かれている状況で、物語の見方すら変わる。
アーサーの内に秘めた何か、これがこと切れた瞬間・・・
憂鬱な程のひたすら長い階段を軽やかな足取りで下る姿は
心優しい母思いのアーサーがジョーカーにかわる瞬間でした。
ひ弱なアーサーがジョーカーへ変貌した時の格好良さも見もの。
そして彼の喜劇に私たち観客も巻き込まれていく。
これが物語のオチ。完全に一本取られました。
そしてダークナイトを見ていない人はきっと理解不能。
ただ話題だから、、、で観覧されてはこの映画は駄作にしかすぎないのです。なので安易に観ると後悔します。
セリフも決して多いわけではなく
下品な笑いと訴えかける目元。
心から笑っていないスマイルも恐怖すら感じる。
全てがジョーカーのペースに持っていかれ、
極限まで落とした体重はほぼ骨と皮。骨が浮き出たあの奇妙な後ろ姿にホアキンの演技力の高さと役に込めた意地を改めて実感できました。
何だかんだ言われてる割に総ナメ!
オスカー受賞、主演男優賞、確実です。
私達も毎日こうして生きているだけで、世の中に不満を持っている人は沢山いるし、
嫌な事がタイミングよく重なり、ボタンの掛け違いや虫の居所が悪い時は誰だってある。
それでも、どんなに辛い時も笑顔でいなくてはいけないし、人は怒りを押し殺さなくてはいけない時もある。
人の本質なんて何がキッカケになるかわからない、紙一重なのかも知れない。
悲劇を喜劇にかえる事ができるジョーカーの力。
あまりにも引き込まれすぎて観終わった瞬間、これは喜劇だったのか〜と夢と現実の境目と余韻から抜け出せませんでした。
凄まじい傑作
本作は予告編を見て、これは凄そうだと思っていたのですが、ここまで凄いとは・・・。
ホワキン・フェニックスの演技は凄い以外の言葉が出て来ない。それ以上に演出が素晴らしく、ワンカットワンカットを実に丁寧に作っているのには驚ろかされた。
監督はハングオーバー!シリーズを手掛けたトッド・フィリップス。あんな作品の監督にここまでの才能があったのかと、驚嘆してしまった。脚本と製作まで兼ねているのだから、本作は彼の世界観その物なのだろう。
映画の狂気さは「タクシー・ドライバー」なのだが、ロバート・デニーロが出演していることで、リスペクトしていることが良く分る。舞台が70年代というのも良く似た雰囲気を引き継いでいる。
それにしてもハリウッド映画が凄いと思わせるのはその時代考証だ。走っている車や建物など、70年代の物を全て用意していて、その舞台セットは驚異的だ。これだけでも本作は相当コストの掛かった作品であることが良く分る。
物語は善良な人間だった主人公が極悪なジョーカーになっていく姿を描いているが、その過程は、今の一般的な人なら誰でもジョーカーになり得る可能性を示唆し、現在社会への警鐘を鳴らしているような気がする。
余りにも所得格差が広がり過ぎた現在、映画を観終わって外へ出ると、心優しかったアーサーがジョーカーへ変貌した現実その物になっている。消費税が増税され、平民は益々貧しくなるのに対し、特権階級が数億の賄賂を手にしても権力を手放さない姿を見ていると、まさにジョーカーが生まれ育つ土壌が出来ているような気がする。
本作を見てから、バットマンシリーズを観ると、まるで見方が変わってしまう。バッドマンは親から巨万の富を引き継いで、潤沢な費用で最新機器や最新兵器を使って、悪を退治しようとする。対するジョーカーは自分の身一つだけでバットマンと闘っているのだ。
それを考えると富の象徴であるバットマンと、貧民の象徴であるジョーカー、どちらに感情移入出来るだろうか。その対比は今のアメリカとイスラム過激派の関係のようにさえ思える。
本作は演技、演出、脚本等、映画の完成度の高さは勿論、そのテーマの深さにおいてもぜひ一見する価値のある作品であると思う。
滅多に見ない洋画を
観ました。
これ見るなら見る前にダークナイトとバットマンビギンズ見るよう勧められましたが
見ずにジョーカー
あぁなんだかジョーカーがセクシーなのよね
かなしいはずなのに、かなしい哀愁みたいなのがセクシーさで表されてるのね。
いやぁ今日の映画2本は
楽園とJOKERって
どっちも濃いかった。
ありがちなストーリーも 演出と役者の力で素晴らしい作品と なる事を実感する映画
恥ずかしながら、
主演のホアキン・フェニックスを
知らずに観賞しました。
冒頭のカウンセリング中の
泣き笑い?で一気に惹き付けられ
名優デ・ニーロですらただの
脇役、最後までホアキンの演技に
魅了され続けました。
人間は、喜怒哀楽が一つでも
欠けると精神的におかしくなるけど
アーサーは喜と楽がない人生
最後は辛い生い立ちを知り
完全にプッツン‼️
最悪な殺人気の完成です。
なかなか過激な殺人シーンも
あるけど、後味の悪くはない
良い意味の余韻が残る不思議な
作品でした。
ゴッサムシティの悪夢
ダークナイトを起点に考えるとウーンという感じが多少あります。単体作品としては充分な内容ですが背景を理解できていないと退屈で冗長と感じるかもしれないですね。
アクターの演技力は申し分ないと思います。もう一度ダークナイトを観てから再考したい気分です。
ブルース少年との絡みは後にどんな影響をもたらすことになるのか見極められたらと思います。
娯楽性を求める作品ではない事だけは明らか。
迫力
話の内容は文化の違いもあり、全てを理解は出来ていないと思う。あまりのことに引く場面もあった
思っていたものと違い、白塗りで出ていたのも4分の1くらいだった。
他のジョーカー作品も観ていないし、あまり情報を入れないで観たからかもしれない
それでも、ジョーカーになってからの演技に圧倒される。物語に引き込まれたような気持ちになる
これは何の涙だろう。
泣き所ではないシーンの連続で、なぜか涙が出た。
社会道徳から正反対の身勝手さに、人間味ある美学を感じた。
布石はやや多いが、「彼」が完成していく演出が緻密で美しい。
負のテーマや感情さえも昇華させる芸術は、国境を越える。
それを改めて感じさせてくれる作品でした。
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