ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ここにいるのに存在しない世界で
今にも果てそうな蛍光灯がチカチカする公衆トイレ
うずくまるアーサーの悲哀に満ちた目、額にうかぶ血管の蓄積した虚しさ
綺麗ごとを並べた壁の裏で排除されて蔑まれて
いつのまにかマグマのようなもう1人の自分を内包させた
しなやかで、強靭な肉体をうねらせて踊る時アーサーは
そのエネルギーがとてつもない方向にはみ出そうとしているのを必死に抑制しているように見えた
どうか、どうかこのまま自分の中にいて、と
自分の居場所を探したかっただけ
小さな喜びを噛み締めたかっただけ
僕は存在するのか。
届かない叫びは刃と化した
あの衝撃から何年経つのか
社会はどう変わっただろうか
彼はこの秋にまたやってくるという
カタルシスもない、感動もない、ただ圧倒された
善悪は、主観でしかない。綻びや歪みが生じている社会において、この命題が正義の鎧を覆うと人間は暴走する。
そのことをホアキンの怪演に圧倒されながら思った。
あまりにも重すぎて、しばらくは見る気になれない。
絶対的な狂喜への変貌を悲しくも魅せる人間ドラマです。
今年の秋の大本命でアカデミー賞確実と言われる作品ですが、DCコミックス系の作品は肩すかしされた事も多く、個人的にも合わないなぁと思える事も多いので腰が重かったのですが、先日リニューアルオープンしました丸の内ピカデリーのドルビーシネマのオープニング作品とあって、丸の内ピカデリーで観賞しました。
で、感想はと言うと、いや~凄い!凄いわw
ジョーカーとしての誕生を描いていますが、ブレる事なく、2時間と言う時間に圧倒的な熱量と有無を言わさぬ情念を重く静かに観る側に叩き込んできます。
稀代の悪役キャラでバットマン最大のライバル。
本来ならバットマンのスピンオフに位置するのですが、この作品はスピンオフが完全に独立と言うか本家を食ってます。
なので、バットマンのスピンオフと言うよりもバットマンがジョーカーのスピンオフの様な変な逆転現象を感じます。
ストーリーは完全オリジナルで今までのジョーカーになる過程とは別物なので、以前のイメージに引っ張られると違和感を覚えるかなと思いましたが、違和感を覚える隙間を与えないぐらいにこれでもかと叩き込んでくる。
それも迫力や力技と言うのではなく、じわりじわりと狂気に導き、ジョーカーとしてなる辺りから狂喜に変わるのが圧巻的。
アーサー・フレックは病気を抱え、コメディアンとして大成する事を夢見る母親思いの心優しき青年。
仕事先の解雇をきっかけに様々な苦難がアーサーの行く先々にのし掛かる。
それは思いがけない物ばかりでいろんな物が信じられなくなり、いろんな物に裏切られ、次第にジョーカーとして変貌していくのが上手い。
本筋がブレる事もなく、ジョーカーへの変貌を描きつつも、小さな起伏と言うか、取っ掛かりとなる傷的なのが至るところに散りばめられていて、それが上手く昇華していく。
なので、ジョーカーとしての変貌していく事に待望感を寄せつつも、混沌の中のカリスマの誕生に喜んでしまう。
完全にゴッサムシティの住人の気持ちが分かりますw
観ていて、何処までが現実で何処までが空想かが分かり難いかったりしますが仮に現実であったとしても空想であったとしても、その過程を経た結末は悲しい。アーサーの思いや切なさ、悲しみは観る側にキリキリとナイフを突き立ててきます。
ジョーカーと言うと、ジャック・ニコルソンのイメージが個人的に大きいですが、観賞後はジョーカー = ホアキン・フェニックスのイメージに塗り替えられました。
とにかくホアキン・フェニックスが凄い。
今までジョーカーのイメージとはかなり違い、ジャック・ニコルソンやジャレッド・レトとは程遠く、どちらかと言うとヒース・レジャーのジョーカーに近いですが、完全に新しい解釈でのジョーカーを作り上げました。
役への作り込みも鬼気迫るものがあります。
ジャック・ニコルソンのジョーカーとは別物のアプローチではありますが、ジャック・ニコルソンが主演の「シャイニング」のジャック・トランスに通じる狂気を感じる。全身でアーサーの悲哀を演じてます。
アーサーが憧れるマレー・フランクリン役のロバート・デ・ニーロも当たり前ですが流石に良いです。
良い感じでアーサーの変貌を手助けしてますw
また、明暗の色彩も見事で、いろんな感情を表現しています。
DCコミックス系の作品はマーベル作品に比べると明暗の暗の部分が多すぎて、必要以上に暗さを描き過ぎで見辛い感じがしましたが、今作のジョーカーではバッチリハマってます♪
その辺りを凄く感じたのはドルビーシネマで観賞した事も多分にあると思います。
ドルビーシネマの圧倒的な映像表現は凄かったです。上映前のデモ映像で本当に黒色を見せられた時にはビックリしました。
なので、ドルビーシネマで観た事で少なくともプラス0.5点は付いてますw
IMAXで初めて観賞した時も凄いと感じましたが、今回のドルビーシネマはそれ以上。場内は黒を基調としていて、色彩がより鮮明。勿論音も良い。
映画を観ると言うよりもアトラクションの様に映画を体感すると言った感じでプラス600円が全然高くないです。
3D作品には殆ど魅力を感じませんが(映画を観る際はメガネを掛けるので、メガネ オン メガネになるからw)、IMAXも今回のドルビーシネマも作品によるかも知れませんが、映像表現に力を入れた大作には絶対良いです。
作品に難点を言うとすれば…少しアカデミー賞とか賞狙いの所が見え隠れして、賞取り作品として意識し過ぎてるかな?と思えなくはないかなと。
世界が狂気を受け入れる体制がある事自体、それはコメディであり、コメディなら民衆を笑わせ導かせるコメディアンとしてアーサーがジョーカーになったのは必然。
でもその必然は悲哀であり悲劇であるけど、圧倒的な悲劇の悪のカリスマに魅了されます。
触れ込みに「絶対に観ないといけない作品」とありますが、絶対に観ないといけないは言い過ぎでも観る価値は絶対にあります。
その際はドルビーシネマかIMAXで観賞を強くお薦めします!
かなりの問題作
だと思いますよ
現代の格差社会を露わにしてるのもあるが、不器用な1人の人間でありながら、誰にでも起こり得る「善と悪」を行き来し、妄想の世界で自分を作り上げていくJOKER アーサー。
やっぱ、人を蝕むのは「孤独」だ
孤独を知った時、凶変し姿を変える
それでも理性が働くか、乱れるか…
多分、世の中には沢山いるだろう…
何をやっても上手くいかない人(と思ってる人)
ホアキンF の演技のコレまたスゲぇ〜事!!
まるでアーサー本人かと思わされる繊細で独特の不気味さと孤独感
👏🏻👏🏻
おそらくアカデミー賞主演男優賞では??😉👍🏻
悲しきヴィラン ジョーカー!
序盤からアーサーのやり場のない怒りと悲しみを丁寧に丁寧に描き、トーンを落とした絵づくりで彼の鬱屈とした日々を表現しているのが印象的でした。ストーリー的には、終盤までこれといって大きな事件が起きるわけでもなく、ただひたすらアーサーに寄り添う形で進行していきます。
アーサーはコメディアンを目ざしているものの、笑いが止まらない病気を患い、仕事も人間関係もなかなかうまくいきません。心と体と現実社会がかみ合わない中、彼の渇いた笑い声が悲しく響きます。そんな彼を思いやる人は母親ただ一人。だからこそ、彼は母親に対して献身的に接します。しかし、その母親さえも自分を無条件に愛してくれる存在ではないと知ったとき、彼はついに壊れました。
彼の生活を間近で観察していくうちに、彼に共感し、あるいは同化したような心持ちなり、彼の心がひび割れ、粉々に砕け散っていく様が苦しくたまらなかったです。恥ずかしながらバットマンシリーズをまともに鑑賞したことがないので、ジョーカーについては外見の特徴を知っているだけでした。しかし、本作においてジョーカーの悲しい誕生秘話を目の当たりにして、彼を単なる犯罪者として糾弾する気持ちにはなれませんでした。
ここまでアーサーを蔑ろにして追い込み、その一方で彼の犯した殺人を歓迎し、彼にすがるように集まってきたゴッサムシティの市民こそが、「ジョーカー」を生み出した張本人とも言えると思います。これをアーサー側から見れば、絶望の中に「ジョーカー」という居場所を与えてくれたと言えなくもないでしょう。「ジョーカー」は、この時代に、この地で、生まれるべくして生まれた存在なのかもしれません。
そんなジョーカーを、ホアキン・フェニックスが文字通り怪演しています。バットマンやジョーカーに関する予備知識はいっさい不要の本作、彼の演技を見るためだけに劇場に足を運んでも損はしません。
スラム街のヒーロー
バットマンの宿敵・ジョーカー誕生までの哀愁漂うストーリー。これまでのアメコミ映画とは一線を画し、スラム街の暗い現実に視点を当てた、ヒューマンタッチの社会派ドラマに仕上げています。
ベネチア金獅子賞もうなずけるし、ジョーカー役のホアキン・フェニックスの不合理な社会への怒りと憎悪に満ちた演技は、鬼気迫るものがあり、早くもオスカー候補の大本命とか…。
ジョーカーはキャラクター的にも、主役のバットマンを喰ってしまうほどの存在感を示してきた悪脇役。これまでジャック・ニコルソンをはじめ、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトーなど、名だたる名俳優が演じたきた経緯もありましたが、その後を継ぐホアキンも、その重責を十分に果たしていたと思います。
今までも、ジョーカーには悪役ながらも、どこか憎めない人間臭さを感じたていたのですが、本作を通して、信じていた人からの裏切り、格差社会の底辺を生きてきた悲哀、などが根底にあることが明らかになり、そうしたキャラも納得しました。
そして、ウェイン家との因縁やバットマンシリーズの最初に繋がる場面も盛り込まれ、バットマンへのオマージュも忘れていないところが、嬉しかった。
最後に、死んだと思ったジョーカーが、スラム街の人々のヒーローとなって、再び立ち上がる場面は、ジーザス・クラスイスト・スーパースターを彷彿とさせる名場面だった。
発想が古い
バットマンの悪役JOKERがJOKERになるまでのお話と言う事ですが、
大昔に作られたJOKERの設定があり、それを守ったからなのか、
監督のセンスが古いのかはわかりませんが、
境遇や環境が悪を産んだ、みたいな安っぽい悪役の話になっちゃったなと思いました。
映画のストーリー自体も中盤まではわかりやすい話をダラダラと流してるだけの印象で、
JOKERとバットマンが兄弟!?(結局ガセ風味)みたいな話にしたいのは
序盤ですぐ予想がつくのに
いつまでもマンネリな茶番を見せられている様に感じて疲れました。
そのネタの後にJOKERとして目覚めて行く様は中々格好良いシーン多めで
楽しめました。
(ただ小人症の人に「お前だけは俺に優しかった」と殺さずに見逃すシーンは
まさにしょぼい悪役でガッカリです)
ラストのオチも、
全部妄想だよ~みたいな事を言われても、
つまらない妄想を映画にするなよ、としか。
つらい人生も、笑顔でいれば明るい日が来る
やっぱりジョーカー‼️マーベルを含めたアメコミ界最高のヴィラン‼️それはアメコミ映画最高傑作の「ダークナイト」でも証明されてます‼️そしてこの作品はいかにしてジョーカーという"狂気の怪物" が誕生したのかを観る者に突きつける悪夢のような傑作‼️母親と2人暮らしの、コメディアンを夢見る心優しい男アーサー・フレックに、社会の風は冷たい‼️ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ毎日‼️行政の支援を打ち切られる‼️メンタルの病‼️度を越した妄想癖‼️実の父親だと信じていたトーマス・ウェインからの冷たい仕打ち‼️好意を寄せるシングルマザーのソフィーとの日々が、アーサーの妄想に過ぎなかった残酷な現実‼️自分が養子であることを黙っていた母親を殺害‼️憧れのコメディアン、マーレイの番組でさらし者にされ、マーレイを殺害‼️そうして狂気の世界へと堕ちていったアーサーは、自分を慕うピエロの集団の頂点に"ジョーカー" として降臨する‼️この作品でアカデミー賞に輝いたホアキン・フェニックスが、精神のバランスを1つずつ崩していくアーサーの悲哀を全身で体現してホント凄まじいですね‼️アカデミー賞の演技部門を獲得したアメコミ映画が「ダークナイト」とこの「ジョーカー」で、キャラがいずれもジョーカーだというのも、いかにこのキャラがアメコミ映画最高のヴィランなのかを物語っていると思います‼️チャップリン作曲の「スマイル」を効果的に使用するセンスとか、80年代NYを連想させる荒廃したゴッサムシティの美術もホント素晴らしいです‼️そしてアーサーの人格形成に多大な影響を与えたコメディアン、マーレイ・フランクリン役として、そして映画「ジョーカー」に多大な影響を与えた「タクシー・ドライバー」「キング・オブ・コメディ」の主演としてロバート・デ・ニーロを起用しているのも運命的なものを感じます‼️皆に愛されるコメディアンを目指したアーサーが "恐怖のピエロ" ジョーカーへと変貌する‼️笑いが恐ろしさへ、喜劇と悲劇は表裏一体ということでしょう‼️まーたトラウマがひとつ増えましたー‼️
抑圧からの解放
上映回によっては満席続きでようやく。
Jokerは、なるべくしてなったという感じでした。ありとあらゆる不幸を詰め込んだような境遇。もう笑うしかない、でも笑いたくて笑っている訳ではない。こんなに悲しく苦しい笑い声を普段耳にすることはありません。これだけ不遇の人生なら仕方ないのではないかと哀れむし、同情的な描き方にも取れます。ArthurからJokerへの変身は、不運の連続で八方塞がりとなった一個人に、持たざる者達の鬱憤の爆発という社会現象が究極の抜け道を与えたように思えました。
皮肉にも母親からHappyと呼ばれていたArthur。人を笑わせたいけど、笑われるのは許せないし、笑いのツボはかなり少数派。人を喜ばせたいというのは本心だったのでしょうが、それ以上に強いのは承認欲求でした。
Arthurの人格よりも驚いたのはGotham Cityの民度の低さです。Arthurの行く先々で起こる攻撃と拒絶と無視の繰り返し(確かに人相悪めですが)。もし福祉担当者1人だけでも彼に同情していたら。誰かが一言慰めていたら。誰かが自分の目先の利益より他人を案ずることができたなら。見ず知らずの人にほんの少し親切にすることは、労力の無駄でも何でもなく、誰かが明日への気力を保つきっかけになるかも知れないし、どこかの通り魔殺人を防ぐかも知れないのです。丁度八つ当たりや悪戯が巡り巡ってJokerを生んだように。過剰な自衛と無関心がGotham化を招くという危機感は現実の世界でも当てはまりそうです。
最後はBruceを襲った悲劇も描かれていて、JokerだけでなくBatmanも生まれた同じ市なのだと再認識できました。Bruceはヒーローになるよりも、巨万の富を分配して教育と医療・福祉、公共サービスを充実させた方が良くないか?とも思いましたが。
結局実親は分からず、特別な「ルーツ」の有無も不明のままですが、Jokerの犯罪者としての生い立ちと背景は、アメコミヴィランであることを忘れるくらい、非常に現実的かつ典型的でした。普段は社会生活を問題なく送りながら、家族に隠れてよそで殺人を繰り返しているような実在の殺人鬼達の方がよほど闇が深そうです。
Joaquin Phoenixを予告編で観た時は、Jokerを演じるために役者になったんじゃないかと思うほど強烈に似合っていて、キャスティングに感謝しました。随分痩せて臨まれましたね。険しい邪念を演じさせたらピカイチの眼光を持っています。
“The worst part of having a mental illness is people expect you to behave as if you don't.”
“I hope my death makes more cents than my life.”
報われない者たちへのテーゼ
これを低評価するのは、昔から恵まれていたり、才能があったり、基本的には努力という努力もしないで安定を手に入れてきた人たちばかりのように思う。
世の中報われないことばかりです。それを世間は努力が足りない、甘えるななどと言いますが、みんな同じ力を持って生まれるわけでもないわけで…。
全ては視点次第。そう言ってしまえばそれまでですが、このゴッサムの貧民層のようにジョーカーをヒーローとして見る人間も多くいるのは事実です。
この映画を肯定するわけではありませんが、私はこのジョーカーというキャラクターに同情しますし、部分的には共感します。それを犯罪者予備軍と呼ぶ方はどうぞ。トーマスウェインを可愛そうだと言って評価を1にして下さい。
絶望の世界
全てが絶望の日々。見るのがつらくなる映画でした。
守るものさえなくなった人間が頑張って這い上がっていく映画でもない。精神的な病を背負い泣きたくなるような底辺仕事すらうまくいかず年老いた親の面倒をみながら妄想だけを心の支えに毎日を送る。そしてあるきっかけで抑えられなくなる自分の中の悪魔。
報われない人々が求めるヒーローはバットマンではなくジョーカーなのでしょうか?
自ら追い込まれないとわからないであろう精神世界をジョーカーことアーサーの目を通じて観ている観客が体感出来る衝撃の映画でした。
「ブチ上がった」
今年120本目。
笑い方が秀逸。ホアキン・フェニックスよくあんな演技出来るなと驚きです。「スタンド・バイ・ミー」のリバー・フェニックスの弟。兄弟で凄い。
リバーは1993年に23才の若さで亡くなりましたが薬物過剰摂取で、酒もタバコも肉も食べないヴィーガンがなぜ? 毒親の理想に巻き込まれたおかげで、と後はネットですぐに調べられます。
脱線しましたが、ホアキンはオスカー確実視されてますね。それだけの演技だったと思います。
演技と共に音楽が良かった。派手な音は少なく、重厚な音楽がアーサーが悪に染まって行く演技に非常にマッチしていました。
「ターミネーター」も素晴らしかったんですが、こちらは全く別のジャンルで突出した作品でした。ジャンルで言うと心理ドラマですね。
この作品見ると、映画はやめられないと感じました。
とんでもないもの観せやがって!
今年は今作を観るために生きてきました。
もう死んでも良いです。
・・・というか、死んでたまるか!
ここまでの凶暴性観せられて!
こんな凶悪な作品は、日本では思いつきもしないだろうし、仮に作られたとしてもスポンサーが得られず、単館映画かDVDスルーで済んでしまう。
何気に今作も、黙殺されるか強制排除されてしまうんじゃないかと心配。
これをビッグバジェットで上映し世界公開するワーナーに敬意を表したい。
そして、Cノーラン不在でここまで仕上げた製作陣にも拍手。
人生なんて主観だ。喜劇か悲劇かなんて自分で決める。だから笑うんだ。病気じゃない。
JOKER誕生の瞬間である。
警官を地下鉄で撒いて颯爽と歩くアーサーには、戦慄というか感動すら覚える。
でもJOKERの凶暴性だけにフォーカスするのではなく、その凶暴性を生みだした背景こそ社会の病巣である事を観客は気づいて欲しい。
人殺し、という事実だけではなく、何故殺さなければいけなかったのか、という深掘りが、人が人に優しくなれる真実ではないだろうか。
「優しくしてくれたのはお前だけだったよ」
このアーサーのセリフが全てであり救い。
しかし、強くなければ優しくなれない、のも事実。
また「ダークナイト」見直しだな。
苦しくて美しい
バットマン関連は全て観ていますが、別格でした。
ただただ苦しくて辛くて絶望的。ダークナイトのようなユニークなキャラクターではなく、ジョーカーに変貌していくアーサーの生々しい感情をホアキンの圧倒的な演技で真っ向からぶつけられる苦しさに途中で気分が悪くなる程。コメディアンを夢見る主人公の映画が何故こんなに絶望的なのだろうと思ったが、それが人生なのかもしれないという思考へ持っていかれる。
救いがあるとすれば、彼が優しくされた人に見せた一瞬の情。ジョーカーへ覚醒した時のそれまでにない軽快な足取りに、彼が居場所を見つけた瞬間を見た気がしておめでとうと言いたくなった。
見終わった後は精神的に不安定になります。エンタメ映画ではないです。誰かと観に行くのはお勧めできません。映画館を出る時、こんなに周りから会話が聞こえない事はなかった位、黙り込む人が多かった。こんなにも苦しいのに素晴らしいと思ってしまう、自分自身が情緒不安定になってしまった気がする映画でした。
【追記】2度目の鑑賞に行ってきました。
初見と違い冷静に見る事が出来た分、映像や音楽の素晴らしさを改めて感じられた。あの印象的な階段は色々な意味を含んでいるのだろうと思った。階段でのダンスのシーンはお洒落過ぎて改めて鳥肌。細かなディテールを堪能出来て、再見して良かった。
優しい男が悪に変貌を遂げる話ではなく、ジョーカーとなりピエロのメイクを顔に貼り付けた彼の姿こそ、真実の彼の素顔なのだと感じました。
漂う憂鬱感
この作品をダークナイトの追体験を求める場合、肩透かしをくう羽目にはなると思います。
派手さはないですが、全体に漂う憂鬱感や、ダークな空気感は、そこに浸る気持ち良さを感じさせてくれました。
前に観たアドアストラがブラピを観る映画で、本作は、やはりホアキンフェニックスの為の作品でした。
彼をただただ観る。彼にのみ、感情移入する。そういう作品です。
きっとこの作品の監督は、この作品を通して、誰にだって、ジョーカーになる可能性がある、ということを伝えたかったのではなかろうか、と私観ながらずーっと感じてました。だって、ゴッサムの世界、あの息苦しさ、なんか似てません? いつの時代だってそうなのかしら? 今の日本に似ている気がするんですよねー。
その監督の意思を(勝手に私がおもいこんでいる)感じただけでも、とても良い時間が過ごせました。
憂鬱になるくらい長い階段、その先の曇り空、どこまでも続く下り坂、ゴミの山の向こうのドーナツ屋、だれも掃除しない廊下、落書きだらけのエレベーター。
どこまで続くのだろう、この憂鬱な映像。
どっぷりと浸かりました。どっぷりと疲れました。
主体的に物事を判断し決める精神的な自立を得る物語?
観客にこれだけ考えさせる脚本と映像設定は大したもの。
初見の時の狂気を描いた映画という印象と異なり、二度見で実は不幸で可哀想なだけの人間が、道徳的には問題あるにせよ主体的に物事を判断し決める精神的な自立を得る物語と思えてきた。
後味苦し。
何回も見たいと思う作品ではないです。
バットマンもジョーカーも見たことがないからなのか世界観には入れず。心に弱さを抱えた夢見がちな男の人がそういう反応をしてしまうことによる結果の結果の結果がどこまでも見てて苦しかった。
ただ、いわゆる悪役のイメージとはキャラが違った。
「JOKER/ジョーカー」を試写会にて鑑賞 2019年9月1...
「JOKER/ジョーカー」を試写会にて鑑賞
2019年9月19日
初めて語られるジョーカー誕生の物語
人間味あふれる主人公アーサー
彼の使命は人をハッピーにする事
どんな人生が彼をここまで狂わせてしまったのか...
孤独な男が狂人ジョーカーになるまでを描く軌跡
現代に通ずる社会の闇
この腐った社会の産物ジョーカー
すぐ隣でジョーカーは生まれているかもしれない...
ヒーローかヴィランかそんな定義をぶち壊す
妥協無しの暴力描写
ダークナイト以来の背筋が凍るほどの恐怖。
観客が現実社会の闇に呑まれてしまいそうなほど心締め付けられる彼の笑顔の仮面の下に隠れる辛く心苦しい物語...
彼の人生を目の当たりにし心打ち拉がれる
暗く、感動的でありながらとても人間的なこの映画。ホアキン・フェニックスによる素晴らしいパフォーマンスで、すべての人に勇気を与える。アメリカン・ニューシネマの影響を色濃く受け映画オマージュにコミック世界をも感じさせるこの映画だからこその物語
史上最高の演技と最高の物語
最高ジョーカーここに誕生
映画史をも変えるほど強烈な最高ジョーカー誕生の瞬間を見逃すな!
“HAHAHAHAHAAHA!!!”
“PUT ON A HAPPY FACE”
10/4(金)日米同時公開
#ジョーカー
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#robertdeniro
とは言えジョーカーは殺人鬼
バットマンシリーズは何ひとつ観ていないけれど、充分楽しめた。観てから行けばもっと良かったんでしょうね。
アーサーの痩せ細って丸めた背中を見ると惨めさが伝わってくるし、生い立ちを考えても卑屈になってしまうのは分かるような気もするけれど、だからといって人を殺していい訳がない。やはり悪人。
なんとなく薄気味悪いのに、ピエロのメイクをしてスーツを着て階段で踊るシーンや、駅のホームで警官が襲われてるのを尻目に悠々と歩いていく(踊ってたっけ?)シーン、口の中の血で唇描いて笑うシーンはカッコいい〜なんて、不覚にも思ってしまった。映画として魅せ方、観せ方が上手い。
アメコミ関連はあまり観ないジャンルだけど、ダークナイト等今度観てみようと思う。
2020/08/23
ティム・バートン監督の2作品、ノーラン監督の3作品を観た後の再鑑賞。ジョーカーのみでも面白かったが、一連の流れを知った上で観るとまたさらに面白い。ダークナイトの徹底的な悪のみのジョーカーと、今回の悲哀を帯びて悪と化していくジョーカー。どちらも凄い。既に高評価を得て完結しているバットマンシリーズを、全く違う映画でこれだけの映画を作ってしまう、凄いです。改めてフォアキン・フェニックスも凄いです❗️
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