ジョーカーのレビュー・感想・評価
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絶句
ダークナイトで見るジョーカーは不気味であるけれども、所詮は架空の生き物、と割り切れた。
しかしこちらのジョーカーは生身の人間。誰でもジョーカーになり得るという現実が恐ろしいし、不条理で過酷な状況下で、人がじわじわと病んでいく過程は見るのが辛い。
ほぼホアキン・フェニックスの演技でこの映画が出来上がっているわけですが、なんというか迫真とか鬼気迫るとかそんな言葉じゃ説明ができない。
映画館に忍び込んでチャップリンの映画を見るあの心底嬉しそうな目も、笑いの発作を抑えたいのにどうやったって抑えられない時も、演技はもはや演技でなく、アーサーという人間そのもの。
髪を緑に染めて、赤いスーツを着て、階段で踊るシーン。化けた、ついに。スイッチ切り替わった瞬間。なんて美しいんだろう。
ヒース・レジャーのジョーカーを超えられるわけがないという思い込みは、ぶっとんだ。
観終わった後は言葉が出ず。一人の男の演技が観る側の感覚をここまでおかしくするって、そうそうあることではない。
決して「面白かった」「良かった」「最高」なんて陳腐な言葉で、人に勧めることはできない。評判になっているからといって、軽い気持ちで観に行くこともお勧めしない。
ただただ、言葉が出なくなったという事実は、事実としてここに書き留めておきます。
ホアキン・フェニックスの圧倒的怪演
バットマンの悪役ということでアクション多目かな?と思って見たらそんなことはなく、親からの虐待、社会からの無関心、周囲の人間の悪意で一市民の精神のたがが外れてしまってジョーカーが誕生してしまうお話。
とにかくホアキン・フェニックスの演技が全ての内容だったので、人によっては楽しめないかもしれません。
さらっと楽しむ娯楽映画というよりは演技力マニア向けかな?
主演の演技力がすべて、ダスティン・ホフマンの演技みてるだけで二時間余裕だぜ、とかいう人ならぜひ見て欲しい
4
ホアキンの演技に戦慄!
説明不要のヴィラン、ジョーカー。
政治的なイデオロギーやお金さえ欲しがらない悪人はどうやって出来上がったのか…
ホアキン・フェニックスが正に狂っているとしか思えない演技で一人の男を体現する。
監督は「ハング・オーバー」シリーズのトッド・フィリップス。
「ハング・オーバー」シリーズの監督と聞くと軽い映画なのかと思ってしまうが、この映画は暗く、ドスンと重い。
ピエロからスタンダップコメディアンを目指す、一人の優しく純粋な男が受難の果てに悪に自分を見出すまでの物語。
それは本人の主観で見たらコメディでは無く悲劇でしか無い。
トッド・フィリップス監督はアメリカンニューシネマの手法でアウトローを描いた。
今回のゴッサムシティは「セルピコ」や「狼たちの午後」、「タクシー・ドライバー」などで描かれている汚いNY。ゴミ収集会社のストで山積みのゴミの中をスーパーラッツが這い回る。
そんな街角にホアキン・フェニックス演じるアーサーのピエロが殴られ、這いずり、笑い、踊る。
それは全て不協和音でしかない。
ジャック・ニコルソンが演じたティム・バートン版「バットマン」。
スーパーリアル路線に変更した後のクリストファー・ノーラン版で役に取り憑かれたて死んだと言われているヒース・レジャーが演じたジョーカー。
無かった事にされている「スーサイド・スクワット」版でジョーカーを演じたジャレッド・レト。
歴代ジョーカーを演じてきたのは演技上手な俳優たちばかり。
歴代の中でもヒース・レジャーの演技が忘れられない人は多いはず。
私もヒース・レジャーの神がかり的に狂った演技を見るために「ダークナイト」は年2、3回は見直さずにはいられない映画。
そんな手垢のついた役をホアキンはどう演じてくれるのかと心配混じりに楽しみにしていたら、 予想を軽く超えた演技だった。
20kg以上落としたガリガリの体に引きつるような不快な残る笑い声、ギクシャクとした動きはエサにありつけない病気の野良犬のよう。
こんなに演技をして日常生活ができるのかと勝手に心配になるほど。
でもよく考えたらホアキンは「ザ・マスター」でも狂っていたから大丈夫か。
今の世界情勢を入れつつ孤独な男の普遍的な話になっているのでいつの時代も色合わせない。
何度でも見たい映画。
予告でも分かる通り「キング・オブ・コメディ」に影響を受けているので、見て行くとより楽しめると思いう。
凄い…ヴィランなのに同情してしまった…。
『ジョーカー』鑑賞。
*出演*
ホアキン・フェニックス
*感想*
バットマンのヴィランであるジョーカーを主人公にした本作。バットマンの知識は少しだけあります。レビューサイトでは高評価ばかりだったので観に行きました。とても良かった…鬱になりかけたけどw
「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母親の言葉を胸にアーサーは笑いを届けるためにコメディアンとして、ピエロの格好をして笑いを届けようとするが、やがて次々と理不尽な出来事がアーサーにふりかかり、やがて笑いを届けるはずが、徐々に善人から悪人に染まっていく。。
「そんな~嘘だろ…?」と思わず呟いてしまう場面が多々あります。
可哀想で仕方ない物語でしたが、最後のアレはアーサーが貯めていた思いが一気に爆発させてました。ヴィランであるはずが、思わず同情してしまいました。精神的な問題、貧困、理不尽な社会、、アーサーの場合はどんな理不尽な出来事があっても笑う。でも、心の中では大号泣しているんです。
ちなみにバットマンでお馴染みのゴッサムシティ、そして後のバットマンになるブルースが出てました。
前半は辛かったけど、後半はまさに爆発!!
総じて、大傑作!とまでにはいかないけど、ホアキンの演技がめちゃめちゃ凄かった。
徐々に悪のカリスマ・ジョーカーに染まっていく描写がとにかく素晴らしかった!\(^^)/
ジョーカー、カッコ良すぎ!!最高!!
みんな嘘をついて生きている
政治は貧困層を救うと吹聴しながら、社会保障を打ち切る。
夢を与えてくれたコメディアンも、弱者を笑いものにする。
愛していた母との繋がりも、偽物。
そして、恋人も自ら作った虚構と気づく。
社会も、他人も、自分も虚構まみれ。
虚構は自分の梯子を外し、地の底に叩きつける。
虚構に踊らされ、虚構に絶望した彼は、
虚構を捨て、虚構そのものに牙を向ける。
真の混沌とは誰もが虚構を捨てた世界なのかもしれません。
どこにでもいるかもしれない人間の話
本当にボコボコにされました。
今作はバットマンシリーズのもう一人の主役であるジョーカーがメインのお話であり、DCコミックファンからすれば待望のお話であったことは間違いない。
だが、蓋を開けてみればDCコミック、バットマンシリーズとの関連抜きにしても成立してしまう人間の弱さ、醜さを徹底的に全面に出したおぞましくも共感できる極めて稀有な作品となりました。
この作品の鑑賞後、現実と空想の違いは最早ないなと考えさせられ、今でも何処かにジョーカーはいるのではないかと思わされています。それほどまでに何処にでもいる人間が成りうる話だったのです。何も特別なことはありません。様々な時代にはジョーカーのように狂ってしまった者が必ず存在します。本作品はそんな大勢の中の一人を映像に納めてくれたように思いました。
内容の濃さ、音楽、カメラワーク等どれも素晴らしいものでしたが一番目を惹いたのはジョーカーの演技。あまりに馴染みすぎているというかジョーカー本人なのではないかと疑ってしまうほどの雰囲気に圧倒されてしまいました。不気味なダンスや痩せ細った身体、笑い声、ちょっとしたしぐさまで細部に渡ってジョーカーを演じていたのだと思います。本当に感謝しかありません。
鑑賞はオススメしますが、ジョーカーというカリスマに感化され過ぎないようにしてください。
以上興奮が未だ収まらず、色々と考え込んでしまった一個人の感想です。
革命的なアメコミ映画の新たな形!
DCにおける代表的な悪役であるジョーカーのキャラクターをベースに見事なヒューマンドラマに仕上がっていた本作はまさにアメコミ映画の新しいスタイルを確立したと断言できる程だ。これはある種の「革命」と言ってもいいかもしれない。
とにかくホアキンフェニックスの怪演が最初から最後まで素晴らしすぎる。これだけでも本作は観る価値があり、もしもこれでアカデミー賞主演男優賞をゲットできなかったらアカデミー会員は全員クビにすべきだし、アメリカの映画界は終わることになるだろう。ゆえにキャッチコピーの「アカデミー賞確実!」はまず間違いないと言い切りたい。
作品としてもアメコミを題材としていながら、究極的に闇に堕ちていく人間を描いたヒューマンドラマとしての完成度は大いに絶賛されるべきだ。
現実と妄想の描写の切り替えの演出も見事としか言いようがない。全体的にダークなドラマでありながらも全くダレずにグイグイ画面に引き込まれ終始目頭を熱くさせられた。
これまでのDC映画やMCUのようないわゆる漫画的なエンターテインメントを期待してしまうと、だいぶ好みは異なるかと思われるが、個人的にはそーしたものとは一線を引いた作戦は大成功だと思うし、他のDC映画とは絡ませないで欲しいということを強く願いたい。
そして何と言ってもこの機会にホアキンフェニックスがとてつもない役者であるということが広まっていく事をとても喜ばしく思う。
久々に映画らしい映画を観れて、幸せだとしか言いようがない。
愛があれば…
まさに『ジョーカー』!
初R15作品劇場鑑賞でした。
そういったこともありドキドキしながら見た結果ですが、よかったです!
ジョーカーらしい話の展開、優しい人間が彼なりの正義に目覚めていく過程。素晴らしいかったです。
特に主演のホアキンさんの演技はもう鳥肌ものです。ずっと釘付けでした。
この不安定な世の中がジョーカーを生み出した⁈そんな感じの話で一鑑賞者として納得の物語でした。
字幕が苦手で普段見ないので、全てを見切れていない感じなのでもう一度DVDで見たいと思います。
とにかく辛い展開が続きます。覚悟してください!
総評
ダークナイトのイメージとは違った悲しさに溢れた人間味のあるジョーカーになっていた。見る価値ありです。ただとても重たい作品なので見るには覚悟が必要かもしれません。、
ただただ悲しい・・・
バットマンの悪役“ジョーカー”誕生の物語。
いやぁ、悲しい話です。元ネタのDCの方で、どの様に描かれているのか知らないので、そう言う観点ではなんともコメントできないんですが、ただ一所懸命に生きようとしていただけなのに、それが悪い方に悪い方に転がってしまって・・・。いやぁ、悲しい。
と言うのが、日本人の大方の感じ方だと思うんですが、アメリカでは、軍や警察が警戒態勢に入らなければならないほど警戒されていると言う。まぁ、アメリカ人が、どういう風に考えるのかは、何となくわかりますが、それは悲しすぎるよね。マッチョな脳みそ筋肉な連中の考えることは判らんな。
作品の出来は良いです!
第79回ベネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞した様ですが、アカデミー賞では、どうかなぁ・・・。保守的と言われるアカデミー会員に、これが、どう届くかですね。
負のオーラがすごい
精神的に健康な人が持つ精神病者像
ここにちょっとケチつけたくなりました。
虐待、貧困、差別、いじめ
もともと精神的に病みやすい気質ならば、これらの要因が
重なれば殺人鬼に変貌しうるだろうという健常者の想像。
ジョーカーは虐待、貧困、差別、いじめの被害者であるがゆえに
悪者化していった。という筋立てだろうが、被害者であることを
説明する描写は足りない感がある。その足りないところを、
精神異常者ならやりかねないよねっていう浅い説明で蓋を
しているところに、製作者の精神病をもつ人への
偏見があるように思える。
シリアルキラーと被害者であるがゆえの殺人鬼への転化の二択
が、悪役像の選択肢としてあるだろうが、この2つは相容れないものだと自分は思う。
その前提だと、本作はジョーカーが後者であることを主題としているように観ていたが、自分の母親を殺害していくあたりから、ちょっと被害者であるという肩入れが
できなくなってしまった。母の殺害以降むやみやたらに人を殺すただの殺人鬼と見えてしまった。これだとただ殺したいだけのシリアルキラーになちゃって物語の主題がブレてるように感じてしまう。
もちろんもともとシリアルキラーの素質があって、そこに周囲の要因が降りかかって
シリアルキラーと化すことも全然自然だろって反論も当然納得できるけど。
ただ映画を観た印象だとやはりブレてるかなと、、
その説明不足とかブレを補っているのが、ホアキンフェニックスの
圧倒的な怪演。ザ マスターでも思ったけど、本当に狂気を
演じさせたらすごい。また、重苦しいヒヤヒヤする音楽やカメラワーク
も上手い。映画を見ている間、上記した違和感が気にならず
に映画に引き込まれたのはこれらがあってこそだと思った。
アーサー役のホアキン・フェニックスさんが凄かった!
Smile
人生は近くで見れば悲劇だが、遠くで見れば喜劇である。それでも人は主観でしか世界を見ることができない。笑えないけど笑うしかない。笑うことでのみ悲劇から救われる。そして、大衆(ピエロ)が滑稽であればあるほどそれは喜劇になりうる。アーサーに感情移入できる部分もあればそうでない部分もある。彼は決定的な出来事をきっかけとして変化したのではなく、着々と我々の心が離れていく、むしろ近づくことが恐怖となる。アーサーが抱く自分の存在に対する不信感。名もなき大衆の一人。それは名もなきピエロであり、仮面を被って笑ってみせる。そんな一人の男が絶望の淵に垣間見た狂気。その狂気が彼を動かし社会をも扇動していく。「殺人」が正当化され、実行した張の本人が英雄として崇め奉られるような世界。果たしてどちらが狂っているのか。アーサー・フレック。彼はなるべくしてなった悲劇のジョーカーなのではないだろうか。さてはこれら全てさえもただのジョークに過ぎないのだろうか。
あと、劇中にチャールズ・チャップリンの「モダン・タイムズ」が出てくるのも正にって感じ。
シーザー・ロメロ、ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レト。そして、ホアキン・フェニックス。優劣をつけるのは好きではないしそれを抜きにしても今作のジョーカーはカッコよかった。
期待していたものと少し違っていた
ヴィランのジョーカーではないと思いました。
最高にセクシーなジョーカーは、申し分なかったです。
キャストはとてもいい演技をしているし、電車内での暴動シーンはとても美しい。
あの病気の笑いが狂気の笑いに変わっていく様などは、素晴らしすぎました。
けれども、もっとジョーカーには怪誕してほしかった。ジョ―カーの生まれた背景が、蔑まれた者たちが共感できるような、あんな「程度」(言葉がわるいが)の理由で、あの悪逆非道のカリスマ犯罪者になったとはどうしても思えなかったです。
あれは「誰でもジョーカーになるんだよ」というピエロマスクの暴動へとつながっていく演出なんだろうか?などと思ってみてましたが、ジョーカーは「概念」なのでしょうか。
私のなかでは、彼ははじまりのジョーカーだけれども、バットマンのヴィランであるジョーカーは、のちに現れるのだと思いました。(ブルース、こどもだったし)
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