ジョーカーのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
彼は、笑う病気を持っていた。なにも面白くないのに笑ってしまう彼は、発作でなく自分の意思で笑おうとしたときでさえ、人と笑うタイミングが合わなかった。もちろん気持ち悪がられた。人は彼に普通になれと言ったし、彼も悩んでた。彼がコメディアンになりたいのは、病気で強制的に笑わされてる自分と、面白いジョークで思わず誰かに(ある意味強制的に)笑わされている人々を重ねていたからではないだろうか?彼にとって、コメディアンになるとは普通になる手段の1つだったように感じる。しかし、実際有名になってみれば、世間は彼に笑わされることはなく、彼を嗤っただけだった。面白くもないジョークしか言っていないのに、ジョーカーと皮肉満載の名前をつけられて…。
この映画、暴力描写は多いし、鬱っぽくなるし、報われない。しかし、ただそれだけが魅力の映画は悪目立ちはするが、名作にはなれない。この映画の真の魅力は、繊細な比喩的表現にあると思うのだ。例を1つあげるとすれば、ピエロの面をゴミ箱に捨てるシーン。「仮面を捨てる→本当の自分を曝け出す」というのは誰でも感じたと思うが、それだけではない。仮面の下もメイクなのだ。普通になろうとしてつけた偽りの仮面を、剥がしてみたが、その下もメイク(偽り)だった。元に、彼はジョーカーとなってもまだ人間味がありすぎる。相手の言葉に反応したり、怒りを顕にしたり、もとの自分と何も変わっちゃいない。このように、この段階ではメイクはただの偽りでしかない。このシーンは最後の血で口を描くシーンに繋がる。彼は気付いた、笑うと決めてしまえばいい。他人とタイミングを合わせて笑えないのなら、絶えず笑顔でいればいいと。ここで初めて、メイクがただの偽りでなく、思い描く自分になるための道具へと昇華した。
ここまで妄想を垂れ流した訳だが、このようにダークさや、ネガティブさを全面に出した映画だとしても、細部を眺めてみれば繊細な表現や、沢山の可能性が考えられるシーン等が転がっているということを伝えたかった。
1つ確かなことがあるとすれば、映画を見る私たちを誰一人笑わせられなかった彼は、やっぱりコメディアンには向いてなかったということだろうか。
善とみるか悪とみるかのバランス
映像★★★★★引きと寄り、ピンとボケなどメリハリ効いてる。色彩・明暗、良い。そしてなんと言ってもジョーカー。えんじのスーツ、ガリガリの体、ダンス、決まってるー。
音楽★★★★★7.80年代のアメリカとアーサーの鬱な感じ、悲劇と喜劇のメリハリが効いてる。歌詞の読み込みも推奨。
内容★★★★★ジョーカーと社会、善悪のバランスが絶妙。観る人それぞれの価値観を突きつける。いま、現代に生まれたことでさらに価値ある作品。この映画によって本物のジョーカーを産み出してしまうかもという不安はそれだけ社会の状態が不安定である(と自分がみてる)証拠。香港の射撃事件とダブるのも見事。
全体的に高水準でバランス良い!隙のない感じ。
めちゃくちゃカッコいい。
このピエロというかクラウンというか、白塗りに目元口元のメイク🤡考えた人天才。
すごく元気になった。ジョーカーからパワーを貰った。
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クラウンに涙のマークを足すとピエロになるんだって。馬鹿にされながら笑わせているが、そこには悲しみの意味を持つということを表現している。とな。まさに涙だったねー。
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#映画#観賞記録#joker#smile#WeAreAllClowns
ただただ暗く、意外性の無い凡作
メッセージ性が強く、美しい。
全てが美しかったです。とにかく美しかった。
あとジョーカーの思想には深く共感しました。
「善か悪か、決めるのは個人の勝手だ」という発言は、この世界の確信をついていると思いました。
悪評をしている人の中に、人殺しには共感できない、という人もいますが、それ自体を悪と定めているのも、貴方の勝手なのです。本質的に善のモノも悪のモノもこの世には存在しません。社会倫理的にどうたら、といわれても、社会の倫理なんて個人が集まって共感者多数から作り上げられた常識と言う名のテリトリーです。枠の外に住まう人ももちろんいます。そいつらを人は悪と罵るのです。
ちなみに、ここまでの感想も僕個人の勝手なのです。感想なのだから当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。
この映画で改めて気付かされたこと、それは人は皆常に自分勝手だと言うことです。
誰かを助けるのも殺すのも自分の意思、自分勝手。全てはそこに収縮します。大多数が良かれと思うことは正義の名のもとに擁護されます。
この世は多数決です。最も合理的だがどうしようもならない問題点ももちろん存在する。この世は欠陥だらけだ。
この世界の闇の本質をスーパーの袋詰めセールの強欲な主婦並に詰め込んだ作品だと思います。
色々と考えさせられます。是非。
IMAXかドルビーシネマか迷って 先日オープンした丸の内ピカ...
IMAXかドルビーシネマか迷って
先日オープンした丸の内ピカデリー3のドルビーシネマに。
元々500席あったシアターを250席に
減らしてるので足元は人が通っても、
自分の足を引っ込める必要が無いほど余裕があるしシートは革張り!
肘掛けは一座席毎に両サイドにあるので
隣の人とケンカすることの無い親切設計
(ちなみにドリンクフォルダーは
ペットボトルは入れられないようになってるのはここだけの話し)
IMAXが迫力の映像美だとすると
ドルビーシネマは鮮明さが際立ってる気が。
デモで「黒」の見えかたの違いの
映像を流していてその違いに驚いたけど
本編映像でも色に輪郭が付いたような
鮮明さで更に驚き。
音響は既に色々なスクリーンで
導入済みのDollyAtomsなので
思った程の驚きは無かったけど。
それでもIMAXとは違った没入感があったし、ドラマ性+色彩度の高い本作品のような映画はドルビーシネマとの相性がいいのかも。
映画を観る環境は整ったのでいざ本編
予想していたほどの衝撃は無くて
中盤、少しだけダレたけど
いちキャラクターが何故うまれてしまったかが主軸だからそこは仕方ない。
けれど、
いちキャラクターだけに終わらせずDCを描く脚色には唸らされたし
不条理な世界でアイデンティティーを
見いだすことは今の世界でも同じで
それをいちキャラクターを確立させつつ
描いてしまう脚本は秀逸さを感じた。
「個」から「集団」
これは本当に恐ろしい。
アイデンティティーの確立に苦しむ人間が「集団心理」のトリガーに
なっていたと知ったら向かう方向性は
限られる。
DCコミック原作を読んでいないので
コミックをどこまで忠実に描いているか
わからないけど、忠実では無いにしても
このキャラクターを知るに有り余る
内容だったと思う。
R15指定だそうで、R指定が入った要素については個人的にはあまり気にならなかったけど、アメリカで物議を呼ぶのは解る。
脚本や脚色も素晴らしいと思ったけど
劇伴の力が凄い。
ホアキンの演技の相乗効果で
視覚と聴覚を刺激されっぱなし。
曲が無かったらホアキンのあの動きは
クラゲの模写にしか映らん。
とは言え、ホアキンを観るだけでも
価値は十二分にあると思う。
どうしたらあれだけの
表情をだせるんだろうか?
ただただ感心するばかり。
表情が多過ぎて全て見きれなかったので
おかわりしようかな……
あれ?
格差社会にまたまた現れた時代作
観る人の解釈によってストーリーが変化するなかなか面白い作品。
格差社会の鬱憤を晴らすのなら思いっきりジョーカーになって大衆を扇動するストーリーを楽しめば良しだが、
恐らく実際は3人と母親と同僚の5人を殺し、
小屋にも出ず、テレビにも出ず、大衆はただゴミ問題にデモをしているだけで、
部屋を出たら2人組の警官に捕まったという話ではないかとも観れる。
そう観ると、ラスト、
アーサーの思いついた一般人には理解できないジョークとは、バットマン誕生からバットマンそのもののストーリーなのかも、
バットマンをもアーサーの妄想とも読み取れるように作り込んだ本作は、本当になかなかの傑作と言えると思います。
間違いなく名作!だけど、、
ダークナイトのJOKERがどうしても上回ってしまう。
ジョーカーが、生まれる背景を描く
と言う点ですでに面白い。
ホアキンの演技も狂気じみてて鳥肌ものだが、
好きすぎるだけにヒースのジョーカーと比べてしまう。
ダークナイトでは
善人をも悪人に変えてしまったり
直接手を下さずともまわりがジョーカーの思うように
動いてしまうなど、
人の心理を
嫌なようについたジョーカー像だった。
悪のカリスマ性が異常だった。
例えば、人を殺す手段は
銃では味わえないからナイフを使う
みたいな台詞があったが、
今回のホアキンジョーカーでは
人気司会者を殺したのも
感情高ぶって銃だったし
小人症の仲間を
殺さなかったり
どこか振りきれなさがあったように感じた。
ここからさらに覚醒していくのだから
という見方もあるが、
群衆を動かすようなカリスマ性のある
天才ジョーカーになっていくような
ジョーカーには見えなかった。
でも、音楽や映像などは
どの部分をきりとってもかっこよく
これぞ映画!と思った。
湊かなえの「告白」の読後感に似た不快さが…
ホアキン・フェニックスの兄、
リバー・フェニックスの「旅立ちの時」を
直前に観た経緯がある中で、
ベネチア映画祭金獅子賞受賞や
キネマ旬報第1位の作品と言うこともあり
期待して観たが、何とも不快な印象だった。
出だしは、デフォルメの無いゴッサムシティ
が背景だったことに好感も覚え、
アーサーがどうジョーカーに変貌していくか
に期待を抱きつつ鑑賞し始めた。
ストーリー的には、
かつてのバットマンシリーズの前日譚
のような内容で、
バットマンの両親が射殺されるまでという
シリーズ冒頭につなげ、
なんとバットマンとジョーカーは母親違いの
兄弟かも、との興味深い展開を見せた。
しかし、アーサーがジョーカーになるまでの
人間性の変遷を描く視点は面白い着想では
あるが、そんな範疇を超えて、
犯罪の動機付けを与えるかのような
アーサーの変貌設定には嫌悪感を覚えた。
ジョーカーメイクで凶暴になる点は、
ドライバーがハンドルを握ることで
運転が荒くなることと似ていて、
この作品の製作陣が、
格差社会への啓発と共に
触れたい制作意図のひとつなのだろうが、
しかし、これらの点だけが大きなウエイトを
占めているとしたら
底浅いメッセージとしか感じ取れない。
何か、
湊かなえの「告白」の読後感に似た感覚で、
両者とも、ある意味、人間不信に陥っている
のではないかと勘ぐってしまった。
兄リバーは「旅立ちの時」で、我々に希望を
与えてくれる役柄に出会えたが、
弟ホアキンにとってのこの役柄は果たして。
タランティーノ、スコセッシ、
イーストウッド、ケン・ローチらの大御所の
作品が揃った選出年ではあるものの、
いずれも代表作とは言い難いレベルの作品
だったと感じている。
このことが左右したのか、
私にとっては映画鑑賞の際の
大切な指針としているキネマ旬報ベストテン
ではあるが、
結果的にベストワン作品には相応しくないと
感じる作品が選定された
数少ない年のひとつと思えた。
露骨な危険と凶暴性
面白くて危うい映画
すごいクオリティ高いし面白い!
けどものすごく危うい。
「自分の正当性を得るために、ジョーカー自らが作った映画」みたいにすら見える。
「表現の不自由展」の件で、世の中には「その作品の本当のメッセージは何か」みたいなことには微塵も興味がなく、ただルックだけでアリかナシかを判断するような人が大勢いることがよく分かった。
そういう人がこの映画を見たら「自分もジョーカーになれるかも」って思う可能性は大いにあると思う。
そしてもし「ジョーカーを見て決意した」って理由で何かの事件が起こったら、制作者は作品が現実世界に拡張したことを喜ぶ気すらする。
でも私は「正しくてつまらない」と「ダメだけど面白い」ならどうしても後者が好きなので、観てよかったし肯定します。抗えないレベルのカタルシスがある。
でも例えば「我が闘争」の思想をふんだんに入れ込んで、めちゃくちゃ面白い超大作エンタメ映画が作られたとしたら…って考えると…。
人を惹き付けるエンターテインメントは悪用されるリスクを背負っているということは忘れてはいけないと思う。
それとこの作品、共感性羞恥のある人にはわりとしんどい描写が多いです。私はわりとしんどかった。
ただの殺人映画
閉鎖病棟を観た後だったので、どうしても精神を病んだ人間が殺人するという似たようなストーリーに比較してしまった。出来は閉鎖病棟よりはマシ。でもただの殺人映画。やっぱりどんなに俳優さんが頑張っても精神を病んだ人の眼は真似できない。
また殺人に至るまでの人生や環境にみんな思いを馳せて感動するんでしょうけど、殺人は殺人であって、身勝手そのものであって、実際の世の中にはもっと苦労している人はたくさんいるし、この程度でダークサイドに堕ちるのかとガッカリした…。だから星は0.5。
それにしても映画会社は精神障害者をなんだと思っているのか。社会も社会で、いざ現実社会だと精神障害者だからといって殺人は許されない!極刑に!などと声高に叫ぶくせに、映画だと精神障害者が殺人しても共感したり、感動したりするんだね。いい加減なもんだ…。
どんな境遇であろうと殺人はやってはいけないことと、エンドロールで良いから映画会社には言ってほしかったです。例えフィクションであってもね。美化して終わりだなんて、現実社会との対比も含めて、観ていて胸糞が悪くなる映画でした。
ホアキン・フェニックス!
作者ジョーカー、ということで。おっさん、以上。
「ハウス・ジャック・ビルト」から5か月ですか。娘っ子が大きくなるにつれ、映画鑑賞の予算も時間もがっつり削り、鑑賞してもレビュー書く時間がもったいない、とまで生活が激変した。
ああ、「ハウス・ジャック・ビルト」みたいな変態映画が(いろんな意味で)観れた、あの頃が本当に遠く感じる。
「ジョーカー」。お客さん、入ってるな。
賛否両論のようで。あらまあ、ほんと「ジョーカー」だな。観る前から、なんだか「思った通りの」映画になってるんじゃないの?という期待を胸に。
「ジョーカー」
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作者「ジョーカー」
監督トッド・フィリップスのことであり、ホアキンのことであり、製作陣のことであり、ひょっとしたら、最近マーヴェル映画をこき下ろしたニュースのマーティン・スコセッシもそうかもしれない。
本作を「ダークナイト」のジョーカーでない、「ジョーカーの誕生譚」とまで「何故か言い切ってしまう連中」。
あらまあ、見事に引っかかっている。
まあ、だいたいのことはこの膨大なレビュー数を見ればわかることだが、映画リテラシーが高いつもりでいる常連レビュアーが思いっきり勘違いしていることでも、本作は大成功なのではないか。ほんと。
いつからだって?最初からである。
追記
本作に登場するアルフレッドのキャラがゲスなのも「楽しい」。
サイコパスはだれ
ジョーカーは生まれついてのサイコパスであってほしいと思っていますが、一つのジョーカー像が完成しました。ある意味、弱いものの味方です。
監督の降り幅すごいですね。
ハングオーバーからのこの作品でびっくりしました。でもキャラクター性とか、人間関係を徹底的に重視してるのは一貫してると思いました。
アーサーがショーパブ?みたいなところに出演したとき、派手に失敗するんだろうなって思って見てました。でも意外と上手く行ったみたいで、あれ?って思ってたらまさかの落ちでした。普通に失敗するシーンを見せられるよりつらいです。現実ではきっと目も当てられないくらい大失敗したんだろーなーって振り替えって思います。晒されるくらいですし。
良く優しい人がいちばん怖いみたいに言いますが。笑わせる事ができる人は、人を落ち込ませる事もできるんですね。となると、本当のサイコパスは監督自身なんでしょうか。と思った映画です。
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