「WHITE ROOM」ジョーカー ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
WHITE ROOM
で、毎度毎度痺れる。。
もうすぐ公開される"ジョーカー2"に合わせて、現在リバイバル上映されている本作を鑑賞してきました。
このレベルの作品になると、こちらには初見の方はいないだろうから、あらすじ云々は省略で。。
私は、様々な媒体で3、4回位観ているのだが、解説とか見ていないので、
初見の先入観が拭いきれず"決めつけ"ている部分もあるかもしれませんが。。
しかし
観るたびに実はほとんどがアーサーの妄想に思えてきて立ち止まってしまう。
(DCやアメコミは詳しく知りません)
この信頼できない語り部がみせる現実と妄想にいつも溺れてしまう。
差別・貧困・病気、社会的弱者という背景。
自分ではどうしようもない怒り。
彼に同情しても良いのか?
心優しかったアーサーは、理不尽だらけの世の中の犠牲者なのか?
民衆に祭り上げられた哀しいピエロは、我々の代弁者なのか?
本当に"弱い者"なのか?
現実逃避の先に希望を見たのか。
その希望は願望から作られた都合の良い妄想なのか。
辛い現実から逃れるための手段として彼の中で美化された妄想に、鑑賞者も混乱させられ、徐々にアーサーと同化していく恐ろしさ。
彼に付き合わされてしまうのだ。
私が、あなたが、
アーサーに共感(共鳴)して
"しまった"所が、もしかしたら彼の妄想
(嘘)だとしたら。。と、考えると、
又また恐ろしい。。と、思うのです。
言わずもがな、ホアキン・フェニックスの魂の芝居に圧倒される。
これが見たくて、あまり観たくないのに観てしまう。
痩せこけた身体にアンバランスなピエロのメイク。
不気味で異様なのに、美しいとさえ思ってしまう。
初見から何年も経っているのに、こんな風に思い続けているという事は、
まだ、取り込まれたままなのか。。
だって、勿論続編も観るし今から楽しみだ。
コメントありがとうございます。
この作品に続編を作るのはそれだけ反響がすごかったからでしょう。
時代背景も関係するでしょう。
共感
これこそがこの作品に対する視聴者の想いだと思うのですが、どこか終末思想を感じてしまいます。
世の中によってある意味葬られたアーサー
それを彼は「ジョーク」に変更してショーの中で表現しました。
そして更なる特大のジョークを思いついたと、彼は言っていました。
それが「2」なのでしょうか?
楽しみですね。
いつもありがとうございます。
さて、
外国映画の解釈の難しさがある作品です。
妄想と現実の交錯
母の妄想
他人の行動には「何かおかしい」と思えるのですが、
主人公の妄想
これを主軸にされると現実と妄想の区別がつかなくなります。
また、地下鉄で起きた出来事が事件になってしまいます。
サンドイッチマンの仕事上の出来事は日常的だったのでしょうか?
少しだけ、自分だけで抑えていた妄想
それが具体的状況を思い描くことによって「現実が創造」されるのかもしれません。
昨今流行った引き寄せブームの逆の引き寄せ
この作品はもしかしたら「創造」という概念を悪魔的発想に置き換えた作品なのかもしれません。