「病んだ時代を映す、心優しき《悪のカリスマ》」ジョーカー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
病んだ時代を映す、心優しき《悪のカリスマ》
アメリカン・コミック映画の常識を覆す映画でした。
ホアキン・フェニックスの演じるアーサーは社会の片隅でひっそりと
老いた母親を介護しながら暮らす50男です。
超能力どころか、
金なし、
地位なし、
チカラなし
精神を病んで抗うつ剤を多量に飲み、カウンセリングを
受ける男。
仕事はピエロの扮装をした大道芸人で、笑わせる仕事なのに、
“ワーハハハハ“
“ワーハハハハ“と、
笑いだすと止まらない持病を患っている。
深夜の電車で笑いが止まらないアーサーを足蹴りにして
張り倒した証券マン3人を、銃で撃ち殺してしまう。
そうしてアーサーは悪の道に嵌って行くのです。
DCコミック映画で史上初のヴェネチア国際映画祭・金獅子賞と、
アカデミー賞主演男優賞をW受賞。
世界的に人々の共感と支持を集めたのは、自分たちの中に、
ホアキンのジョーカーが棲んでいるからだと思います。
急勾配の階段をピエロの姿で軽々とステップを踏みながら
踊るように下りる。
懐かしい80年代のBGMが鳴り、美しくも哀しい物語に
感動が湧きあがる。
この映画ではバットマンのブルース・ウェインは7歳の子供で、
アーサーの母親ペニーはブルースの父親のトーマス・ウェインの家政婦だった。
だから、ジャック・ニコルソンジョーカーとも、ヒース・レジャーのジョーカーとも
生い立ちが違う。
ゴッサム・シティを狂乱と混乱のるつぼに陥れるカリスマ・ジョーカー。
凶暴の嵐にゴッサム・シティは燃えあがる!!!
この映画は、
アーサーがジョーカーとして誕生するまでの全くのオリジナル・ストーリー。
脚本の素晴らしさとホアキン・フェニックスの繊細で大胆で独創的な怪演に
心底震えた。
本当に圧倒的で衝撃的な映画だった。
差別や貧困による格差社会の、差別された人々に捧げられたと
感じました。
いつも心温まるコメントありがとうございます。
アーサーがマレーを殺したのは、「事実」ということです。
私もこの辺を確認しました。
この彼の妄想がわからないのが難しさです。
日本人には少々難解です。
最後にカウンセラーを殺害したのでしょう。
彼にはカウンセラーのような上級階級が「敵」となったのでしょう。
しかし、
ホントに私は何も知らないので、琥珀糖さんのレビューで、ああ、あのウェイン家のご子息ブルースくんがその後バットマンになったんですね。
参考になります、ありがとうございました。
琥珀糖さん
コメントありがとうございます♪
本作はひらたく言えばキングオブコメディのリブートだと思いますが、それならば続編はいったいどのようなコンセプトになるのか見当もつかないです。
アーサー(或いはアーサーとは別人かもしれない真の主人公)がそのまま主役なのか、それとも本作のテーマだけを受け継いだ丸っきりの別作品なのか?
期待に震えて公開を待ちたいと思います^ ^
琥珀糖様
共感、コメントありがとうございます。
私もこのジョーカーの映画は内容もですが、主演のホアキン・フェニックスさんに魅了され映画のあと、ネット配信始まるや否や2、3回観てると思います。
悪いんです、悪いんですけど哀しさとセクシーさにどハマりいたしました。
いつも素敵なレビュー拝見してます。
毎回深いレビューをありがとうございます。自分のあっさ〜いコメントが恥ずかしくなりますw
昨日までアメリカ旅行行ってましたが、カナダ人とも全然違ったし、日本人との価値観の違いを改めて学びました。他者を理解することの難しさや人間の本質をえぐり出す、本当に悲しい作品でした😢。
共感ありがとうございます。
本年も宜しくお願いします。
本年も、私のような作品に特化したレビューではなく、
作品関連情報を豊富に盛り込んだ多彩で艶やかレビューをお願いします。
本作、ジョーカーの悪の行為には共感できませんが、
彼が悪に堕ちていくプロセスは理解できました。
彼の生きていく環境は悪化し続け、生きていく選択肢が段々となくなり、
悪にしがみ付くしかなかったと思いました。とても切なくなりました。
仰る様に、我々にも起こり得るプロセスです。誰にも止められないプロセスです。
では、また共感作で。
-以上-