「難しかった」ジョーカー にあさんの映画レビュー(感想・評価)
難しかった
アメリカの文化も
アメコミについても
全く知識なく観てしまったためか、
そもそも理解力が乏しいせいか、
ここまで絶賛されてる理由が分からなかった。
けど、アメコミ映画のジョーカーがどんな人物なのか
興味は湧いた。
主演の人の演技はものすごく上手。
表情もそうだけど、
走り方をはじめとした体の動かし方が
すごくリアルだった。
ケースワーカーとの相談の場面で、
「僕の話なんて聞いていない」から始まる
人生や生活に対する不満や嘆きや悲しみ、
バスで子供をあやしたときに
子供の母親に煙たがられて笑い出す場面、
どこにも行き場がない誰にも認めてもらえない
痛みが描き方にも演じ方にもよく表れていて感嘆。
“I hope my death makes
more cents(sense) than my life.”
このフレーズはかなりくるものがあって、
泣きそうになった。
それが一転、
電車内から始まる一連の殺人があまりに突発的で
急に置いてきぼりにされた感じ。
どんなに辛くてもしんどくても
それはないわ…となってしまい、
ちょっとついていけなくなった。
1つ1つどれにも経緯と理由があって
無差別ではないし制裁的なものなのだけど
うーん、、
そのやり方しかなかったのか…だし、
過去も現実も確かにひどい
どこにも助けを求められない劣悪すぎる状況だけど
だからと言ってその殺人は許されないじゃん…て。
パーツパーツから物事を繋ぎ合わせて
しっかり理解していくところや、
垣間見える思考が
地頭のいい賢い人なのに
なんか殺人に至る心情部分の描写が
匙投げされてるように見えて、
ただただ短絡的にカッとなってヤっちゃう
頭の悪いやばい人みたいなのが
もやっとした。
後半はかなり暴力的なシーンが多くて
これは紛れもなくR指定。
心の荒れや社会の乱れを
とりあえず過激な映像で
さくっと表現してるように見えて、
そのあたりもっと丁寧に描かれていたら…
と思うと、もったいなかったな…という感想に。
<memo>
脳障害により、急に笑い出す疾患は実在する。
▶︎情動調節障害(Pseudobulbar Affect:PBA)
この疾患は、感情を司る脳の領域に障がいがあり、
突然激しく泣いたり笑ったりしてしまううえ、
自分ではコントロールできない。
頭部外傷後遺症(TBI)、多発性硬化症(MS)、
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、
脳卒中やアルツハイマー型認知症に併発する。