劇場公開日 2019年10月4日

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「絶望と幸福の階段」ジョーカー みきおさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0絶望と幸福の階段

2019年10月16日
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10.16 鑑賞

自分がもし映画監督なら…
構想、キャスティング、脚本、撮影…何年も時間をかけて作り上げる2時間の作品の1秒も無駄にしたくないと考えるだろう。
そんな前提があるとしたら、この作品で多く現れた階段は大きな意味を為してくる。

物語の前半部分に描かれる階段の描写は上がる方がメインだ。それもアーサーの足取りはかなり重く、辛く、絶望を感じ取れる後ろ姿…
そして後半部分は降る方がメインとなる。
その足取りは軽く、陽気で、幸福を感じ取る事が出来る。

一般的には、かけ上がる方が高揚感や達成感を味わう印象を受ける。しかしこの映画は、アーサーは、降る方に高揚感を得ている。それは降る事に恐怖を感じなくなったから、寧ろ幸せを感じたからに他ならない。

彼がジョーカーと成った瞬間が階段の描写により、鮮明に描かれてる。
ジョーカーは俗世に降り立った天使(悪魔)と成った。

映画の描写に無駄はない。

みきお