劇場公開日 2019年10月4日

「「上下逆転」を意識しながら観ると分かる」ジョーカー f(unction)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「上下逆転」を意識しながら観ると分かる

2019年10月6日
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鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

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f(unction)
everglazeさんのコメント
2019年11月9日

お褒め頂き光栄です!ありがとうございます。私のはいつも感想文ですが、f(unction)様のレビューは大変勉強になります。Batmanとの対比や階段シーンの分析はなるほど〜と思いました!

everglaze
f(unction)さんのコメント
2019年10月7日

エッシャーという作家にとっての主題は、今はあまり詳しくないので、ここでは控えさせていただきます。個人的にエッシャーにはとてもきl興味があるので、鑑賞の際にはぜひカミツレさんのご指摘を参考にさせていただきますね!

f(unction)
f(unction)さんのコメント
2019年10月7日

すみません、カミツレさんの「相反する二つの概念が実は同一のものである」というご指摘は、エッシャーに関するものでしたね。勘違いして、ジョーカーについてのものだと思い込んでしまいました。ごめんなさい。

f(unction)
f(unction)さんのコメント
2019年10月7日

社会的な転落は自己解放度をたかめる昂揚である。自己を偽ることが正気だとされる社会こそ狂気である。自己を解放する人間は狂気だとして見られるが、実際は狂気こそ自己を解放した結果の真実である。貧困層を上に、上級層を下にする。ジョーカーこそ英雄であり、ウェイン家は悪である。
「なんでも逆にするジョーカー」という見方をすれば、この映画があらゆる場面で「下を上に」逆転させているのだと、説明がつきました。階段の場面は自分にとって、その糸口となる重要なシーンです。
もし他に同じような見方をしている方がいたら、階段のシーン以外にどこで気づいたか、ということをぜひ知りたいなと思いました。

f(unction)
f(unction)さんのコメント
2019年10月7日

「相反する二つの概念が実は同一のものである」というカミツレさんのご指摘は、まさにその通りだと思います。
この映画を理解するうえで念頭に置くべきなのはたった1つ、「ジョーカーというのはなんでもあべこべ(逆)にしてしまう存在だ」ということです。そう気づかせてくれたのが階段の下降=上昇シーンでした。
他にも「喜劇と喜劇は同一の事象を引きで撮るか寄りで撮るかの違いだ」ということは多くの方がレビューして居られましたし、映画公開前に町山さんがラジオでお話しもしていました。(たしかにこの映画では追いかけっこのシーンが多く、これが喜劇と悲劇が表裏一体であるということに相当するのだと思われました。しかし映画だけでそのことを伝えきるのには成功しているように思えなかったのですが)これもまた、悲劇を喜劇に変えるチャップリン的道化師の技なのだと思います。

f(unction)
f(unction)さんのコメント
2019年10月7日

カミツレさん、コメントありがとうございます!私が言わんとすることを、ズバリ的確に言い表してくださってとても嬉しいです!

f(unction)
カミツレさんのコメント
2019年10月6日

f(unction)さん、ご無沙汰しております。カミツレです。

作中でアーサーが階段を昇り降りする場面がやけに多いな(あるいは、印象に残るな)とは思っていましたが、
「彼が階段を降りるたびに、カメラはまるで彼が階段を『昇っている』かのような角度から急勾配で写し出す」という演出と、その意図には気が付きませんでした。非常に鋭いご指摘だと思います。

エッシャーでいうと、無限に続く階段で有名な『上昇と下降』でも、階段を昇る者と降りる者が同じ段に描かれていますね。
私は、エッシャーの作品は「無限への志向性」が一つの主題だと考えていますが、f(unction)さんがおっしゃるように、「上昇」と「下降」とか「図」と「地」というような「相反する二つの概念が実は同一のものである」ということも表現しているのかもしれませんね。

読んでいて新たな発見が数多くありました。素晴らしいレビューをありがとうございます!

カミツレ