「約2時間の前振り+ラスト2分のオチ」ジョーカー ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)
約2時間の前振り+ラスト2分のオチ
これは一本取られた!笑
まさか映画全体が一つのジョークという構造になっていたとは。。。
ジョーカーの有名なセリフで、ダークナイトでもカバーアートに使われた「Why so serious?(何故そんなに真面目なんだ?)」というセリフがあるんですが、ジョーカーというのはジョークを言う人を指しているんですね。
人生なんて喜劇で、世の中全てジョークだろ?
映像・音楽、全て強烈な印象を残す映画だった。
ホアキン・フェニックスは色々と奇行が目立つ俳優だったが、彼が演じるジョーカーの説得力はハンパなかった。
そしてロバート・デニーロの配役は明らかにマーティン・スコセッシ監督の「キング・オブ・コメディ」を意識しており、基本的なストーリーの構成はこの映画を下敷きしていると言っても良いだろう。
「キング・オブ・コメディ」の主人公ルパートはラストで自分の身に起こった悲劇を喜劇として笑いに変える。
本作「ジョーカー」のラストでは主人公アーサーは、悲劇を喜劇に変える為、自らの血で笑いの仮面を被るのだ。
映画のストーリーをどこからが妄想でどこまでが真実なのか?と追っていくが、(演出的にはちょうどアーサーの薬が切れ始めたころから妄想が始まるが。)、ラストで全てがひっくり返る。
これは一本取られた!とベネチア国際映画祭の審査員達は思ったのだろうか笑
最高に危険で最高に楽しめる劇薬映画だった。
かつて悪が立ち上がる瞬間でこれほど感動することはあっただろうか。
「立て、立つんだ!ジョー!カー!」
また、私もあれから色々な方のレビューをみて考えてました。ラストのアーサーの「いいこと思いついた。」というセリフで、アーサーが知る由のない両親を殺された幼いブルース・ウェインの姿が思い浮かぶ描写から、バットマンという存在自体が実はジョーカーの妄想だった(妄想が生み出した)んじゃないか?とも考えられるシーンになっていて、改めて恐ろしい映画だと思いました。そしてそれを演じるホアキンも恐ろしい(笑)
ヘルスポーンさんのレビューを踏まえ、2回目を観ての感想ですが、私はテレビショーで殺人を犯して捕まるまでは現実で、移送中の事故からヒーローになる所は妄想のような気がしました。
ホアキンジョーカー素晴らしかったです‼︎
全て妄想だったかもしれないし、本当だったかもしれません。
敢えて議論を呼ぶようなラストにすることで、余計にジョーカーの世界観に引き込まれるようになってますね笑