アガサ・クリスティー ねじれた家のレビュー・感想・評価
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衝撃的すぎる結末!
アガサ・クリスティの作品だけどイギリス人でも"知らない"と言う人がいるほどあまり知られていない作品らしいので期待せず見たのですが、良い方に裏切られました。次々に登場する人物は全員怪しい・・と見せかけて最後は「えーーっ?!マジ??」という結末。見事に騙されました(笑) ケネス・ブラナーやジョニデ、ジュディ・デンチなど豪華超有名俳優を多数揃えたオリエント急行殺人事件と比べてそこまで豪華ではない出演者で映画化された本作ですが、私はこちらの方が断然楽しめました。(むしろオリエント~の方が途中冗長で退屈でした) TVCMも見なかったし上映映画館数も圧倒的に少なく評価もあまり良くないのが不思議&残念です。115分トータルの感想が"グレン・クローズ" "探偵"など木を見て森を見ず的なコメントを読んでこの映画を見るのをやめる人が多くいるとしたら実にもったいない!やたらグレン・クローズばかり絶賛されてますが他の俳優陣も悪くないですよ。名優1人だけの力で良い作品にはならないと思います。粗捜しは止めてストーリーを素直に楽しんでほしい。
歪みは悪か
多くの推理小説が俳優を入れ替え定期的に映像化される中で、本作は良い出来だと思いました。淡々としがちな話を「観て」いられるのは、やはり役者によるところが大きいと思います。
随分評価が低いので鑑賞を迷いましたが、俳優陣のレベルからして映画としても耐えうるのではないかと。
非難の裏にある感情は何か。
返されない愛情、失恋、過度な期待。
消してしまいたいくすぶる不満。
愛しているからこそ選ぶ別離と破滅の道。
歳を重ねる毎に、想いとは裏腹の行動を取ってしまう素直でない大人達。
…悪口を言っているだけだったのに。
換気の悪い屋敷に蔓延する歪みが、真っ直ぐな魂に降り注いだ結果生じた不幸、そして非常時の度に発動される気高く深い愛情は、想いの強度を行動に反映させた時の恐ろしさを露わにし、言霊が生みの人間達を追い込む深淵の闇に落ちそうになりました。
一番ねじれている人、だあれ?
ミステリーと言うより、ねじれ切った相続人たちの心理ドラマといった感じで、探偵は狂言回しの役割であまり捜査や推理はしません。とは言え、重厚かつどこか妖気漂うイギリスのお屋敷の外観や内部の様子は雰囲気たっぷりだし、ばっさりと切り落とすような幕切れもいい感じです。
結局は、大富豪自身が、その死後も掌の上で相続人達を踊らせて楽しんでいるようなエンディングで、ヒッチコックの『レベッカ』を思い出しました。
名古屋モード学園
豪壮な館を舞台にした殺人事件という古き良き時代の王道のミステリーで、結末に仰天するというような作品ではないものの、端正な語り口で映像に写しとっている点を評価したい。ポワロやマープルといったクセのある探偵でなく、主人公二人が(知らない役者だが)典型的な美男美女なのも好ましい。
たくさん登場人物が出てきてみんな少しずつ怪しいというのはクリスティの常套手段だけど、映像だと誰が誰なのか頭に入れるのに苦労するな。クリスティは昔山のように読んだけど、本作は未読。小説だと真相の明かし方もまた違った印象になるのだろう。
映画を見た帰りに駅に向かっていたら、前方に“ねじれた建物”が…。
善悪の区別、人々の心の恐慌
マープルやポアロは読んでいたのですが、これは未読です。
なので犯人も何も分からず映画を観に行きました。
豪華なセットに出てくる役者達も皆、演技かうまい、達者です。
映画なのに、まるで、スクリーンの中で舞台を観ている様な錯覚を覚えたのは皆が意味ありげで、さも、自分が犯人だと言わんばかりの空気を漂わせているのです。
探偵役の青年が若く翻弄されていく様に観ている側としては不安を感じます、もしかして、元、恋人が犯人なのか、その時、彼はどんな行動をとるのか。
誰が嘘をついているのか。
大叔母を演じるグレン・クローズの台詞と演技が意味ありげ手もしかしてと思いながらも、彼女伊賀の皆が嘘をついている。
少女までもが。
家族なら信じてもいいというのは、この映画に関しては当てはまりません。
ラストで犯人が分かったとき、これは現代でもあり得る、クリスティって改めて凄いと思い、これは犯人が分かっていても本で読まなければと思いました。
微妙
クリスティ・ミステリの雰囲気が味わえる
アガサ・クリスティのミステリーの映画化です。大富豪が毒殺され、館に住む後妻、前妻の姉、息子夫婦、孫など一族を捜査するストーリーです。原作は未読ですが、クリスティ自身が自信作に上げた作品です。映画では犯人を特定するあたりが描かれず、ノートで犯人が明らかになるあたりがミステリー映画としては今一つでしたが、アガサ・クリスティのミステリの雰囲気は味わえました。
いまさらのオーソドックスな古典的ミステリー・・・
今から70年前の1949年に発表された、英国の女流作家アガサ・クリスティーの推理小説をいまさら(?)の映画化。
名探偵コナンファンなら、阿笠(あがさ)博士を思い出したりして・・・。「オリエント急行殺人事件」(1974/2017)など映画化された作品の少なくないクリスティーは、約100年前に活躍したミステリー作家だ。
そんな大物のクリスティーをして、自ら"最高傑作"と語っていた作品の、"初映画化"である。今なぜ"初映画化"なのだろう。
一代で億万長者となった大富豪レオニデスが毒殺された。私立探偵のチャールズは、レオニデスの孫娘で元恋人のソフィアから捜査を依頼される。
レオニデス家の屋敷には3世代にわたる一族が同居しており、巨額の遺産をめぐって様々な思惑が入り乱れていた。一族全員に殺人の動機があるなか、さらなる殺人事件が起きる。
印象としては、実にオーソドックスな古典的ミステリーだ。というのも、それは後世の作家たちがなぞった形式だからであり、現代ミステリーに馴れた向きにはシンプルすぎるかもしれない。
ページをめくることでミスリードされていく面白さのあるミステリー小説だ。
本作品にとって、真犯人の意外性はもっとも重要なことである。しかし、それ以外は、密室でもない屋敷の中での殺人事件であり、映像的な派手さはなく、映画化する甲斐のない話かもしれない。
むしろ登場人物の会話(セリフ)だけで、背景の人間関係を成立させるところが多く、演技派の俳優の見せどころ。本作はキャスティングのほうが重要となる。
そういう意味で、「天才作家の妻 40年目の真実」(2018)でアカデミー賞ノミネートされたグレン・クローズが、大伯母イーディス役で出演していることが目玉である。ほかにも子役ジョゼフィン役のオナー・ニーフシーなど、キャスティングの注力が分かりやすい。
時代背景が古く、捜査手法もゆるくて、ツッコミどころ満載だが、古典的な展開とあわせて、安心して楽しめる。
映画がファンド化した現代は、原作がないと映画のためのお金が集まりにくい。世界中から原作を漁るのは当たり前で、本作のように過去の名作にも再脚光が当たる。名作が名作と語り継がれる映画化である。
(2019/4/23/角川シネマ有楽町/シネスコ/字幕:松浦美奈)
ファッション誌をめくる様なオシャレビジュアル。
ちょっとね
流石クリスティー
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