「この世界はすべて神のものです。」魂のゆくえ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
この世界はすべて神のものです。
アメリカ社会において、地域のカウンセラーの役割をも担う牧師。「気軽に祈りを語る者は、本当の祈りを知らない」と手厳しいが、ビジネスと化した信仰と、自然破壊に異議を感じる良心の狭間で揺れている。
徐々に醸されていく不穏な空気。まるで、破滅に向かおうとする地球環境と、病におかされ先のない我が身を重ねたかのような深刻さ。
自然環境を乱す人間を、神は赦してくれるのか?と自問しつつも、「現状も神の計画だとしたら?」と返されればぐうの音もでない。そう、人間の所業もすべて神の意思だと思えれば、せめて絶望から解き放たれるのだろう。
ラストの解釈は多様。
個人的には、破壊者(いや、破戒者か?)を道連れにしようとしたが、彼女が現れ頓挫、せめて自らに責め苦の試練を課そうとした。そして、「愛する者」ではなく「守るべき良心」の彼女をいとおしく抱き寄せた、と感じるのだが?
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