「ある意味、業。」サタンタンゴ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味、業。
長いカットの連なりのため、映画というよりも、スチールをずっと鑑賞しているような感覚だった。
正直、つらい。例えば、写真展にいって、150枚の写真を7時間かけてゆっくりと観察することを想像してもらえれば、この感覚が少しは伝わるかも─。
確かに、なんでこんなシーンをこんなにも長く…なんて思ったりもしたけれど、あの画質と絵づくりを見せられると、作家の意志がなんとなく理解できる、ような気がする。
しかも、1コマごとに修復を加え4Kスキャニングをしたという画質は半端ではなかった。本当にモノクロのスチール写真のレベルで映画が仕上がっている!
眠かった。意識が飛んだ。でも、高尚な芸術で近寄りがたいというだけに終わらず、内容にもかなり惹かれた。
個人的には猫と少女の表現が印象的だった。単に面白いとかそういうものでは片づけられない、凄い表現にあらゆる感情が揺さぶられ、脳が疲労してしまった…
物語を追うときっと欲求不満必至。この映像の素晴らしさを修業がてら気を張って頑張って臨んでください。
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