「とにかく見てよかった」ゴーストバスターズ アフターライフ マルホランドさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく見てよかった
過去作は一切見たことがなく、とにかくゴーストバスターズという名前しかわからない。マシュマロマンという名前しかわからない俺でも本作は十二分に楽しめた一作だった。
こんなに心を強く捕まれたのは、シリーズを見たことがない俺でもスタッフの人たちが愛をこめてつくってくれたのだと画面の前の俺にもちゃんと伝わっているからだと思う。それは道具一つとっても輝ける見せ場を一つ用意しているからではないか。お気に入りの場面はいくつもあるのだけどECTO-1が水にぬれてゴーストバスターズのエンブレムの汚れが落ちてピカピカになるシーンだ。まさに現代によみがえったバスターズをワンカットで見せるのはなかなかにぐっと来た。またガジェット一つ取ってもどれも本当にかっこいい。プロトンパックを試射したシーンなんかあそこまで威力がすごいガジェットとは思わず、発射するシーンのカッコよさは本当に良い。これって当時映画館で見た人も同じことを思ってたのかなあ。ノスタルジーさも感じられるし、ファンに対して当時の心境にまた戻らせる思いも籠っているのだと思う。だからあれだけあこがれた人は多かったのではないだろうか。
映画の中でもすっかりゴーストバスターズというチームは都市伝説のようになってしまい人々から忘れ去られてしまった。それは昔の名作の続編を作る昨今の流れでどうしてもその続きに対してアレルギーを感じてしまう人がいて、「今更作るの?」と思う人たちもいるかもしれない。その人たちを感動させるためにはもう一度作品の旨味を丁寧に再現することだと思うし、それは今作では十分に成功していると思う。あのデザインは現代でも十分魅力を発揮していると思うので本当に色あせない映画であることは間違いないだろう。
また舞台の町もニューヨークという都会から離れた、自然あふれる田舎町というのもよい意味で現代的な街から遠ざけたからこそマッチしていると思った。何より子供たちがずっと頑張って、それでも困難な時は大人が後ろからぐっと支えているという構造にもなっていて幅広い年代の人が楽しめる一作だと思った。