「この~木何の木、気になる木~♪」ある町の高い煙突 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
この~木何の木、気になる木~♪
日立関連会社でアルバイト経験があるのですが、朝礼のとき小林亜星作曲のCMソング「日立の樹」が流れていたことを思い出しました。「いつでも夢を」を流してる場合じゃありません!「日立の樹」を流さなきゃ・・・。その樹はやっぱり桜の木。せっかく伊豆大島の桜を植樹するんだから、もったいない。
元村長であった祖父兵馬(仲代達矢)の遺志を継ぎ、進学して国のために働く夢を捨て、村のために青年団長、煙害対策委員長を引き受ける関根三郎。合格通知は一高というから今の東大。もう、この時点で凄いことです。東大を蹴って、450人の村人のために・・・
煙突工事のために、ここまで葛藤があったことなど知りませんでした。しかも156mの高さを誇るんです!ピラミッドよりも高いんです!かつて足立区にあった、映画『煙突の見える場所』にも登場する“お化け煙突”でさえ80mなんです。建設用重機もなく、ほぼ人力で完成させた煙突に感激してしまいます。
もっと企業と村人が対決する物語だと思ってはみたのですが、暴力は使わず、禁酒禁煙、あくまでも話し合いで敵同士が和解するストーリー。前半はそうした暴動とかもあるのかと興奮気味に構えてしまい、途中は恋愛物語となり、最終的には大団円となる。現日立市の象徴とでも言うべき巨大煙突の歴史をしみじみと感じ取りました。
社会派ものとしても成立してはいるのですが、会話劇が続く中盤までがちょっと長く感じてしまいます。加屋純平(渡辺大)と関根三郎との対話も最初から穏やかだったため、もう少し盛り上がりも欲しいところでした。自殺した村人、猟銃事件など、いいエピソードも終わってみると、霞んでしまうのが残念。ただ、企業が悪ではなく、国策と称して何もかも規制する政府の方針や、第一次大戦で銅を量産して儲けようと企む大株主(斎藤洋介)など、そんな状況と闘う木原所長(吉川晃司)と村人の姿がとても良かった。
私は畳殴打がちょっとキツかったですw
ホント話は良いのですけどね。
ちなみに、実際は煙草葉作ったりしていたみたいですけど…今の時代煙草はイメージが悪いからか煙害?だからか…。