「43億キロの旅」アド・アストラ だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
43億キロの旅
なかなか映画の評価が難しい作品。面白くはないわけではなく、ブラピの渋い演技も魅力的です。でも43億キロの旅というあまりにも広大なスケールな割には物語がシンプル過ぎて物足りなさを感じます。
ただ、シンプルな物語の割には、余計なサブストーリーが過剰なのが気になる作品でした。宇宙の旅の途中で漂う別の宇宙船を調査した時に人食い?猿のような怪物が登場しますが、正直あのシーンは必要だったのかが分かりません。自分探しのシンプルで静かに進む物語に水を差されたよう。
他にも月を車で移動中に盗賊?みたいな集団に襲われたりとか、こういうオマケ話はやめた方が、映画の評価も高くなったんじゃないかなって思います。せっかくここまでシンプルな物語にしたのですから。
ロイの自分探しと共に、父親と息子の愛の形も一つのテーマだったでしょう。43億キロの旅で父親への思いの変化が面白く描かれています。実際に父に会った時は、なかなか感慨深いシーンでありますが、父親の心理はいまいちつかみきれないところもありました。なにかヤケになっているだけのような。
そんな感動シーンの後には、宇宙船の一部を盾にしての脱出というスーパーマンみたいなあり得ないシーンが続きます。これは絶対生身の人間ではあり得ないシーンのため、折角の感動も正直ちょっぴり冷めてしまいました…。
ということで、本作は宇宙描写の素晴らしさとブラピの渋い演技に尽きますね。
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