劇場公開日 2019年9月20日

  • 予告編を見る

「納得できる作品。」アド・アストラ zippo228さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5納得できる作品。

2021年8月24日
iPhoneアプリから投稿

寡黙な印象のSF作品でした。渋い作品ですね。SFアクションだと勘違いした人の場合、拍子抜けだったという感想もあるようですが、テイストは70年代の大人向けSF映画を彷彿とさせます。
ストーリー的には「みのないSF話」であり、SFである必然性すらあやうい。プロットは「地獄の黙示録」の頃からの使い古されたものであり、脚本よりも撮影や特殊効果での的確なセンスがなければ持たないような作品でした。そしてそれが成功している事が凄い。
そのようなSF考証の説得力はさすがハリウッドの超大作という感じですが、予算より以前にセンスがものを言った作品だと思います。

よくこの企画に大作規模の予算がついたものだと思いますね。ストーリーに感動したという人もいると思いますが、使われているプロットは「地獄の黙示録」からのありきたりなもので、しかもそれを更に地味にしたもの。ブラット・ピットの主演決定がなければ実現しなかったのではないかと思います。結果として良作に仕上がった事を考えると、ブラット・ピットの作品を見る目と、思い切りの良さは大したものだと思います。
この映画はSFとしてはムード重視の、ポエムのような映画であり、発想の勝負を全くしていない。つまり需要としてはなかなかその価値が低い、ジャンルとして難しいところに切り込んで、うまくやりおおせた作品だと思いました。

zippo228