「喪失感と宇宙の寒々しさと」アド・アストラ Yukさんの映画レビュー(感想・評価)
喪失感と宇宙の寒々しさと
冥王星付近から発せられるサージ電流のせいで5万人の死者。原因は知的生命体探索に出て失跡した父親の宇宙船か。
陰鬱な独白、喪失感に苛まれた男、荒涼としたシンセサイザーの音、月では資源争いをしている未来。ハードSFらしい舞台装置が揃って、色々期待したけど、遥々冥王星まで出かけてしばらくぶりに再会した父親との会話は、なんだか肩透かし。サージ電流の原因も肩透かし。月や火星での出来事、帰りの核爆発はなかなかスリリングだったが....
そういうディテールはどうでもよくて、パーソナルで内省的なメンタリティを味わう映画なんだろうけど、観終わったあとに残るのは何とも言えない物足りなさ。
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