「結局のところ、息子は父の罪に苦しむのか?(これを日本版にリニューアルしてみる)」アド・アストラ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
結局のところ、息子は父の罪に苦しむのか?(これを日本版にリニューアルしてみる)
なるほど、壮大なスケールのわりには物語の進行は凡長で、落ち着きどころのはっきりしない映画なので、レビューの低調もわかる。
だがどうだろう、日本人に馴染みのない宇宙の話ではなくて、設定を日本に置き換えた話にしてみては?
例えば、舞台は幕末。公儀御庭番に腕っこきの若い隠密がいて、その亡父も名だたる隠密として名を馳せた。あるとき若い隠密が老中に呼び出され、任命された極秘事案は、父が最後に成そうとした蝦夷地探索の現状究明。実は、父は生きていて、頻発するロシアとの密貿易の手引きをしているのだとの情報があるのだ、と言い聞かされる。・・・まあ、未知の地は薩摩でもいい。もしくは戦国時代、秀吉に雇われた忍者でもいい。とにかく、時代から人物から全部馴染みのあるものに置き換えてみると、案外と奥深く示唆に富んだ映画と思えるのではないか? この設定なら父子の対峙も、最後に視線を交わす(交わしたよね?)二人も、それぞれの心情がよくくみ取れやしないだろうか。
コメントする