「父と子の物語」アド・アストラ すぐるさんの映画レビュー(感想・評価)
父と子の物語
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これは、インターステラーのような科学を題材とした宇宙物語でもなく、
2001年宇宙の旅のような神秘的な物語でもない。
ただ、冒頭の転落シーンではいきなりハラハラさせられたし、
月がまるで地球化されたのごとく旅行感覚で行けてしまうシーンであったり、
資源を求める抗争による銃撃シーンや、
実験動物に襲われるシーン、
火星、そして海王星へ向かう場面など、
今までのSFとしては一見違う角度から宇宙を捉えているのは新鮮味があった。
宇宙映画・SF映画としては、
映像・音楽ともに素晴らしいと思ったが、
でも確かにストーリーとしては、
一連の伏線と思われるシーンが結末になんの絡みもなく、
単調と思われるかもしれない映画だと思う。
しかし、これは父と子の物語
イかれた親父が地球を攻撃していると思われ、
それをプラピが阻止しに行くという物語の過程の中で、
最後にやっとこさ会えた瞬間の、
トミージョーンズの言葉は少ないがさすがといえる演技と、
幼い頃から父親と距離があった子を演じるプラピの演技
もう二人はええおっさんなのだが、
そのなんとも言えない父と子の間
(しかも地球から何万光年離れた海王星の宇宙で二人っきり)
「船長は船とともに死ぬ」と言いつつまだ未知の生命体を追い求めようとする父親に対して、
「お互いが全てだ」という息子。
クルー全員殺してまで、船に何十年も独り漂っていた父親と
その父親との葛藤と戦ってきた息子の物語としてみれば、
インターステラーの父と娘の愛の物語よりも、
科学の視点や、映画としての巧妙なストーリーがない分
熱く感じるものがあるかもしれません
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