「ある意味で正当なSFだが…」アド・アストラ hk-ainselさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味で正当なSFだが…
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SFの面を被った純文学と言うと、正しく米文学としてのSFの系譜に連なっているともいえる。
小説にしてみると案外良いプロットかもしれないが、いかんせん映像にすると地味な感を否めない。
アド・アストラはポジティブで稀有壮大な言葉のはずなのに、卑小な人間劇になりすぎているのも、肩透かし感が出る要因。父と子の話をもっと深掘りするか、太陽系の果てまで行っても人類は何も変わらないし宇宙の孤児かもしれないと言う絶望感の描写に振り切るかすれば、また違ったかもしれない。
宇宙船や宇宙服などのガジェット描写は、ソユーズやアポロ計画のデザインを踏襲しているのだけれど、海王星まで行って30年近くも無補給で稼働しててこれかい、みたいなチグハグ感。
決してテーマは悪い訳じゃないんだけど、所々制作者はどのぐらい本気でSFを作ろうとしたんだろうと、首を傾げたくなる様な描写があってそこがマイナスになっている。
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