「6年ぶりに観て一変」アド・アストラ マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
6年ぶりに観て一変
予告で結構面白そうだと封切り日に期待して観た映画です。
その結果大いに期待を裏切られる作品でした。
まず、世界観がわからない。
近い未来とか文章で出て来ますが、説明になってない。
やたら旧態依然の宇宙服やロケットが出て来る
割には月や火星に基地があるので混乱してきます。
だんだんレトロフューチャ的世界かとわかりかけてくると
今度は月で盗賊が襲ってきたりするシーンがやって来て
ますます混乱してきます。
だから生きているかも知れない父に火星からメッセージを
読み上げるシーンも技術的な限界でそうなのか
あえてそうしているのかわからなくなります。
地球で録音したヤツを流してみるのではだめなのか。
そしてやってることは認知症で徘徊しているおじいちゃんを
連れ帰そうとしてできませんでしたってだけで
宇宙という舞台を使う意味が全くない。
そして何より宇宙の表現が非常に乱暴。
宇宙を題材にした映画で重要なのはリアリティだと思います。
地上と勝手が違う人間が踏み入れてはならない領域を
画面上に徹底して描写することで、登場人物の心理や
行動の意味が引き立つと思いますが、そこがガンダムより
いい加減なのでどうでも良くなってきます。
ガンダムの宇宙もいい加減ですが世界観として
描ききっているので問題ない。この作品は問題あり。
なんだあのアステロイドベルトの突破方は。
必然性がどこにもないから何ら移入できません。
そもそもブラピを起用する理由もわかりません。
かっこいい彼が観たいならワンス・アポン〜を観た方がいいでしょう
ブラピとトミーリーにギャラを支払ったら予算が尽きたのでしょうか
この監督の映画は二度と見ることはないでしょう。
追記
なんてことを公開当時書いてて
2025年今それぶりに観賞してみましたが
改めて観ると
憧れの父親が人類未曾有の計画に向かいながら
行方不明になった真相を追いかけながら
道中で孤独に人生観と向かい合いながら
苦しみながらたどり着く話だったのかと
評価変わりました
世界観もレトロフューチャー
とかじゃなくてロイの夢や心情の内部みたいな
要素が強いからリアリティはないんだなと
父親が冥王星の異空間でどう生きてるかとか
細かな説明はいらず
ただロイの心情の中で生きている父の投影
だったんだと思うと印象が違ってきた
自由の許されない宇宙空間と孤独
そこを抜き出したんだなと
見方が間違ってましたね
追い求めても追い求めても離れていくもの
その辛さが刺さるものありました
ただ劇場で一発で観るにはきついかなw