「病んだ親子の壮大に見える個人的物語」アド・アストラ ミッチさんの映画レビュー(感想・評価)
病んだ親子の壮大に見える個人的物語
よく考証を重ねただろうサイエンスフィクション要素に、極めて個人的哲学的な物語。
父と子のそれぞれの人生観、生き方、綺麗に解決した分けでは無いが主人公が大切なものを悟るまでの、人類を巻き込んだ壮大に見えるもあまりに個人的な物語だった。
謎も大した事が無いし、地球外生命の発見に憑りつかれた父の判断も頷けない、重要なミッションなのに軍はなぜ科学者だけに任せたのか。
観客を飽きさせない為に無駄に突っ込んだ、月の紛争や遭難シャトル、軍との確執などもなんだかいただけない。
全てが主人公の悟り(大事なものは何かね)をえるだけの為の犠牲ならば、あまりに代償が大きかった。でも待てよ、万人はなかなか変わるものではない。これくらい大きな出来事でようやく分かるのかも。それを映画で見せてくれたのなら、意義がある気がする。
事実この映画を見ていて家族や友人の大切さを再認識した。いつも側にいてくれる人に感謝したい、そう思えた。だからこの映画、万人受けしないだろうけど割りと好きかも。
こんなエンターテイメントでは無い映画をプロデュースするブラピは、深い映画愛を持ってるし、自らの人生にも当てはめて、思うところがあるのかも知れない。
コメントする