「その先を見たいのに⋯」バースデー・ワンダーランド モロもろきゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
その先を見たいのに⋯
原恵一監督作ということで鑑賞。
朝イチのせいか劇場はガラガラでした。
まあそれは置いとくとして。
全体的な感想としては、期待しすぎたかなという感じが否めませんでした。
所々挟まれるギャグは笑えたり、ワンダーランドのデザインなどいいところもあります。
しかし、子供向けのルックなんだけど大人にも刺さるようなお話を想像していただけに肩透かしを食らった気分でした。
小学生ながらも優しさ故にどちらにも立てない人間関係で憂鬱になって引きこもってしまった序盤からは、普遍的な話になるかと思いきや特に目立つところもなく終了。
最後に分かる成長のきっかけはベタですが、それでいいと思えました。ただ全体的に薄味だったかなと思います。
小学生が異世界に飛び込んで成長して戻ってくるというストーリーで、千と千尋を想像せずにはいられませんし、実際オマージュされてるところが多々見受けられました。
個人的に許し難いところは、「私の家族もそうでした」展開です。それをやってしまうと、どこにでもいる普通の少女じゃなく選ばれた血統なのかよと冷めてしまいました。それにしてもアニメ映画にはこの展開がありがち…。
原作が児童文学だからと言えばそれまでですが、そこに自分の思想や嗜好を入れ込んで別物にすることができる監督なだけに今一つだと思いました。
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