「カイロレンの中の悪夢」テリー・ギリアムのドン・キホーテ lynx09bさんの映画レビュー(感想・評価)
カイロレンの中の悪夢
まだ少年だった頃に映画館で観た「バンデットQ」。…衝撃的に魅了されました。そして「未来世紀ブラジル」「フィッシャー・キング」「12モンキーズ」等々、ギリアムエキスを摂取してきて辿り着いたコレ。観終わった後は、原題が良かったなぁ…なんて思ったりもしましたが、まぁそんな事は些末な事。展開のわりに何だか優しくゆったりした時間を味わえました。
皮肉めいた虚実がない交ぜになりながら、各々の心のなかの旅路にそっと手を差し伸べてくる感じ、「仕方がないじゃない」と生きてきた人に「仕方がない事はない」と放たれてる様に、気が付けば落涙しておりました。
そしてアダム・ドライバーであることの奇跡。ふと思って、カイロレンの心象風景を体験する様な見方をしていたら、笑える位にシンクロしてたのですよ(笑)。まぁ、それも個人的には涙を助長するネタになりましたけどね。ドン・キホーテとその作者については知っておくと良いのかもしれません。ギリアムさんは、これが入り口でも良いんじゃないかな?なんて思いました。
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