「「ロスト・イン・ラマンチャ」未見なら合わせてぜひ」テリー・ギリアムのドン・キホーテ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
「ロスト・イン・ラマンチャ」未見なら合わせてぜひ
構想30年頓挫9回との触れ込みを見聞きした方も多いはず。ギリアムの長年のファンなら2000年頃製作が進められ挫折した過程を収めたドキュメント「ロスト・イン・ラマンチャ」も観ているだろう。もし未見なら、今作を観る前でも後でもいいのでぜひご覧あれ。この壮大な奇作がよくぞ完成したものだとの思いを一層強めるに違いない。
騎士道物語の読み過ぎで自らを騎士だと信じたドン・キホーテ。トビーの学生映画でドン・キホーテを演じたことで、自らがキホーテだと思い込んだ老人ハビエル。ハビエルに従者サンチョだと勘違いされ共に旅するうち狂気と妄想の世界に飲み込まれていくトビー。現実と虚構、正気と狂気がメタに入り混じって展開する物語と映像世界はまさにギリアム節!アダム・ドライバーはトビーみたいに少々ポンコツな感じのキャラが似合う。ジョナサン・プライスは「2人のローマ教皇」と見比べるとその演技の幅に改めて感嘆させられる。
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