15ミニッツ・ウォーのレビュー・感想・評価
全35件中、21~35件目を表示
プロフェッショナルとしての誇り
先進国の特殊部隊と聞くと、黒づくめで装備も防弾仕様ガチガチの集団というイメージを私は安直に思ってしまいましたが、この作品に登場する特殊部隊は正式発足の前の状態だからなのか終始ゆるい格好で精鋭揃いとは言い難かった印象がありました。
しかし、その印象とは裏腹に終盤のクライマックスはとても緊張感が張り詰め全体の緩急の押さえ方は良かったです。
1970年代が舞台だけあって中盤のワイプの使い方もその時代に合わせた感じがして凝ってるなとは思いました。
最後に言える事は先生役のオルガ・キュリレンコは可愛いの一言。
スタイリッシュな映像だけじゃない
複数の狙撃手、複数の背景、複数の展開が格好いい分割画面で構成されて、ビジュアル的に練られた映画だと感じた。
クライマックスまでの煽りも見事で、まさにハラハラドキドキと感情をかき立てられて、戦争映画でありがちな命が軽々しく簡単に消されてしまっているけれど、同時にまた命の尊さみたいなものをも感じさせられて、不覚にも涙をこぼしてしまった。
それぞれに主義主張があっての行動なんだろうけど、すべてが無意味なように感じてしまう。確かに高揚感はあったけれど、虚無感みたいなものを感じさせてくれたこの映画は予想以上に重々しく深いものだった。
ラグビーワールドカップから学んだ〝信頼〟と〝覚悟〟
実際に弾丸が人の頭や体を貫通する時の様子。
訓練を積んだ射撃手の人たちの狙撃の精度。
パニックに陥ったとはいえ、逃げようとするより、動かぬ標的のように真っ直ぐに向かってくる兵士(あまり訓練されてない?)がいるのか。
バスのボディーの防弾効果。
すべて私には未体験、未学習のことなので、この映画にリアリティがあるのかないのか、正直わかりません。
ただ、実際の戦闘においての凄惨さが、この描写のたとえ3割未満だとしても、こんな現場を経験したら、普通の人は間違いなくPTSDから免れないと思います。
ひとつだけ確かだと思うこと。それは、テントに待機している司令官の判断に必要なのは、次のふたつだということ。
①前線に送り込んだ5人への信頼
狙撃スキル、現場判断力への信頼が持てないのならそもそも現場に出してはいけない。つまり、この作戦は始めから取るべきでない。
②しかし、相応の準備・装備と信頼を持って送り込んだ以上、優先すべきは彼らの判断であり、パリではない(上司への忖度や自身の保身など、現場の切迫状況を知らない者達への配慮は決定的なミスに直結する)。〝パリ〟に従わないことの責任は自分一人で取るという覚悟を前線の5人に示すこと。
ラグビーワールドカップを通じて、
・グランドでの判断はすべて選手自身の考えと責任で下されている
・監督も選手もスタッフも試合開始前にすべての準備と覚悟ができている
というとても大切なことを学んでいる今、本当に実感を持ってそう感じました。
リアリティに欠ける実録テロドラマ
映画が始まってすぐにスクールバスジャックが発生、フランスの特殊部隊が緊急出動と、緊迫感あふれる出だしで期待感が盛り上がります。ところが、犯人たちの計画はグダグダだし、現地に着いてからの展開ももたつき気味です。また、スナイパーチームが遮蔽物のない炎熱の砂漠で帽子もかぶらず何時間も待機したり、自動小銃を乱射してくる相手を単発のボルトアクションの狙撃銃で縁日の射的のように撃ちまくって制圧するのはリアリティなさすぎです。複数の狙撃手による同時狙撃と言う離れ技がすごかっただけに残念。
悔しい
せっかくほぼ完璧にミッションをこなしたのに、最後に汚点が残ったのは残念。でも、この出来事があったから精鋭の部隊になれるのかもしれないですね。見た目はパッとしないけど、仕事は一流。これが精鋭部隊というものですね。
シビアタッチで劇的内容
実話を元にしたフィクションらしい
画面が揺れ揺れで緊張感を出しつつ どちらかというと淡々としたドキュメンタリー風なのですが 最後の戦闘はジョンウィック並みに劇画的に殺しまくります
う~ン 新しいと言えば新しいかも
面白かったです
リボルバーでも!?
1976年フランス最後の植民地のジブチで実際に起きたスクールバスジャック事件に着想を得てGIGNの活躍を描いた話。
時代背景とジブチがどんなところかをあっさり字幕で説明した後本編スタート。
いきなり小学校21人が乗ったスクールバスに武装集団が乗り込んで来てソマリア国境へ向かう様に指示というところから始まって行く。
その後軽くチェイスがあったりGIGNが招集されたり何故か先生が好き勝手やったりとありながら中盤戦へ。
ちょろっと展開はあるものの、ここから暫く行くの行かないの内輪の話でたらたらたらたらたらたらたらたら…。
やっとその時が来て一気に盛り上がったと思ったら、なんすかこのハンドガンまで百発百中は?一瞬は盛り上がったけど直ぐに冷めてしまった。
どうせなら誰かにスポットを当てて背景を描くとか、直線的な駆け引きをみせてくれれば良いのに、これだったら半分の尺で充分かな。
ちなみに、あらすじにはGIGNが正式に組織化される前夜とあるけれど、実際には1974年に設立されているし、他にも複数の部隊が参加したし、連れ去られたのは31人で被害者も2名とのこと。
邦題通り
148本目。
邦題通り。
最後は見応えあった。
テロップを見ると問題提起でもあるのかな?
何か最近この手の映画館観たなぁと思ったら、あっエンデベか。
似てなくもない。
最後の銃撃シーン観てるとゲームみたいと思ってる自分がいる訳で、映画とは言えこの感覚ってヤバい、マヒしてるかと思ってしまう。
戦地の日焼けとオシッコ問題
オルガ・キュリレンコがフランス領ジブチの学校の先生ジェーン役。綺麗で気っぷのいいあんな先生がいたら喜んで学校通います、はい。その通学手段のスクールバスが反政府組織の4人にハイジャックされてしまいます。授業開始時刻を過ぎても生徒が来ない…バスがハイジャックされたと知ると現地にすっ飛んで行き、制止されるも聞かずバスに直行します。そこで子供たちをひとりひとり抱きしめ安心させてから、先生らしく質問『お腹空いてる人は?』無し。『オシッコしたい人は?』ほぼ全員(笑)
夜になって彼女もオシッコにいくのですが、バスの影で用を足そうとすると、偵察に来ていたジェルヴァル大尉と出くわし、声を上げてしまったジェーンは『ヘビが居た』と誤魔化す。ここで思い出したのが、確か『ロープ』でもこんなシーンがあったよーな…野ション女王です。フツウの女優さんならきっとNGでしょう。
4人のはみ出しだが精鋭スナイパー部隊を率いるジェルヴァル大尉。一刻も早く子供たちを無事に助け出したいし、本国からの命令でしか動かない指揮官にイライラする。時間の経過と共に敵の人数も増え、日差しが強くなりスナイパー達の体力も限界に近づく。ふと発した言葉からアイデアを思いつき作戦を決行する。
手放しでハッピーエンドとはいかないが、後味は悪くないです。
戦地には日焼け止めを忘れずに。
リアリティーよりエンタメ度が高めでした。
事実に基づいたテロリストの作品としては最近観賞したインドのホテルを舞台とした映画がリアリティーがあり衝撃的でしたが本作はエンタメ度をかなり重視した作品の印象。
バスジャックされたスクールバスにいる複数のテロリストを一気に射殺するミッション。
その精鋭のスナイパー達のオッサン度がハンパ無くて本当に大丈夫なのか不安になります(笑)
が、彼らのプロ意識の方がハンパありませんでした!カッコ良い!
そして女性教師のジェーン。
生徒を守りたい一心でバスジャックされたそれに乗り込む責任感が凄い。
綺麗で達筆。テロリストと対等に話せる姿は素晴らしい。
スナイパー達が上からの指示を待つのがヤキモキしますが「事件は会議室ではなく現場で起こっている」的などこかで聞いたセリフを思い出します。
そして無事に事件解決と思ったけどスナイパーの一言が重かったです。
女性教師のジェーンがウインクするシーンがメッチヤカッコ良かったです( ´∀`)
改めてテロリストに怒りを覚える
概ね史実に基づいた作品のため、面白い面白くないというより知識教養を高めたく観賞。
この手の映画は風化させない為にも定期的にやはり観たくなる。
どんな作品を何度も見ても常にテロリストに激しい怒りを覚える。
この作品に関しては政府の判断や初動の遅さが犠牲者を出してしまったとも捉えることができた。
一人の犠牲を成功と捉えてしまう政府にも激しい怒りを覚える。
改めて戦争面で言えば、日本の平和に暮らせていられることに感謝したい。
極限状態の人質救出劇
タイトルの「15ミニッツ・ウォー」は、1976年2月3日7時15分に発生した
バスジャック犯達とフランス特殊部隊GIGN(Groupe D' Intervention De La
Gendarmerie Nationale:ジェイジェン)との銃撃戦のことです。
実話を基に、フィクションも入れて映画化しています。
CIA(米国)とKGB(ソ連)を登場させるなどして、冷戦時代を演出しています。
人質となる子供達、子供達の教師、バスジャック犯達、国境警備隊、政治家、
GIGN達とGIGNの家族が登場することで、バスジャック事件をうまく伝えています。
スナイパーを扱った映画としてもよくできていると思います。
「アメリカン・スナイパー」「ザ・シューター/極大射程」よりも楽しめる
映画だと思いました。
自動小銃(AK-47)、狙撃銃(FR-F1)、拳銃(MR73)の描き方が、実戦的です。
自動小銃(AK-47)は、30発の銃弾を装填し、遠距離の敵を正確に撃てませんが、
有効射程距離は300mもあり、600発/分で連射することもできます。
狙撃銃(FR-F1)は、10発の銃弾を装填し、遠距離の敵を正確に撃てますが、
有効射程距離は300mであり、ボルトアクションなので、連射することはできません。
拳銃(MR73)は、6発の銃弾を装填し、近距離の標的を素早く撃てます。
狙撃銃(FR-F1)が有利なのは、敵と距離が離れている状況に限られるということです。
敵と距離が近くなれば、狙撃銃(FR-F1)は自動小銃(AK-47)に不利になり、拳銃(MR73)
を使うことになるというのが、実戦的です。
1970年代は、政治目的のハイジャック事件が以下のように多数発生していた
時代です。
1972年5月8日、パレスチナ過激派テロリストが、ベルギーのブリュッセル発
イスラエルのテルアビブ空港行きのサベナ航空をハイジャックして、
イスラエルのロッド国際空港に着陸させ、逮捕されているテロリストの解放
をイスラエル政府に要求しました。
1976年6月27日、イスラエルのテルアビブ空港発、ギリシャのアテネ空港経由、
フランスのパリ空港行きのエールフランス139便をハイジャックして、
ウガンダのエンテベ空港に着陸し、イスラエルで服役中のテロリストに加えて
ドイツ等などで服役中のテロリストの釈放を要求しました。
この事件については「エンテベ空港の7日間」を鑑賞すると良いでしょう。
フランス特殊部隊は、1972年9月5日にパレスチナ武装組織がミュンヘン
オリンピック開催中にイスラエルのアスリート11名が殺害した事件に対応
するために創設されました。
日本のSATもこの事件に対応するために創設されました。
この事件については「ミュンヘン」を鑑賞すると良いでしょう。
日本でもバスジャックは以下のように多く起きています。
・2014年5月11日、宮崎交通のバスがバスジャックされました。
・2012年4月22日、西東京バスがバスジャックされました。
・2011年3月 2日、遠州鉄道路線バスがバスジャックされました。
・2008年7月16日、東名高速バスがバスジャックされました。
・2004年4月 3日、秋田中央交通の路線バスがバスジャックされました。
・2004年1月 5日、遠州鉄道路線バスがバスジャックされました。
・2003年7月28日、川中島バスがバスジャックされました。
・2001年1月13日、京都市営バスがバスジャックされました。
・2000年7月22日、宇和島自動車の路線バスがバスジャックされました。
・2000年5月 3日、西鉄バスがバスジャックされました。
犯人は乗客3人を牛刀で刺し、1人が死亡、2人が重傷を負い、
SAT(特殊急襲部隊)が突入しました。
ジブチ共和国は、アフリカ北東部にあり、北はエリトリア、南東はエチオピア、
南はソマリアと国境を接し、西は紅海に面し、アラビア半島に極めて近く中東に
含まれる場合もあります。
日本からは遠くて小さな無関係な国と思いがちですが、中東から日本に向けて
輸出される石油はジブチ共和国の領海を通過して、輸出されています。
パンフレットは、よくできているので、映画を理解したい人にはお勧めできます。
抹殺・虐殺という言葉が似合う映画。
WELCOME TO 1976 IN DJIBOUTI....FRANCE'S LAST REMAINING COLONY.というテロップが、オープニングクレジットに流れた後、ロシアに支配された中に孤立したようにフランスの国旗がジブチに置かれている。
朝、小学校の女教師ジェーンが黒板に今日の日付を書く。それは、1976年2月3日。日付を書き終わるや否や、別の場所では、小学生21人?を乗せたスクールバスが4人のジブチ人分離主義者によって、ハイジァックされてしまう。すぐさまジブチ警察の2台のジープがバスを追いかけてくるが、バスのリアガラスごとジープにめがけて、高性能自動小銃AK-47(通称:カラシニコフ銃)がうなりを上げる。その後、バスは、日本の警察も使っているスパイクでパンクさせられ、停車させられてしまう。その場所は、”Nomansland”(軍事対立の中間の、いずれの勢力によっても統治されていない領域又は、緩衝地帯)。
暗転して、次の恐ろしい言葉が..."inspired by true events" この言葉を見て、残りの1時間半をどのように過ごそうかと悩むこととなる。個人的には、禁句。デタラメ映画の象徴。
シナリオは、フランスとしては、テロリストの要求は一切飲まない。人質の中に3人のアメリカ人がいるので、今回アメリカ人対過激派要員として1名同行することが必須条件となる。パリからジブチに向かう空港でしらけさせられる言葉。
Look, the problem is, my plane is full. 機長...は拒否?拒否って?
-What do you mean? GIGNの隊長ジェルヴァル大尉は、激怒か?
Full with passengers. There are no extra space.
"Prick! if you don't want your legs broken,.........understood?"
この話は、作られすぎ!どっかの古いアメリカ映画の台詞。こんな搭乗便の変更なんて、乗客を全て降ろしてでもメンバーを乗せなければ、21人の小さな命を守るという大前提があるのに政府が根回しをしていない意味の分からない映画となってしまう。このヘンテコで大げさな場面のおかげで、失望することとなる予見が確実となった。
その空港内でメンバーの1人ジャンに同じメンバーのロルカが婚約指輪を見せながら、嘘でもいいから誉めてもらいたいのに、聞いた言葉が、 " Friend is not my job." GIGNのメンバーが仲間に言う言葉、何これ? と思っているとジャンのスナイパーとしてのポリシーが感じられる場面となっている。
この映画.comが映画配給会社からの受け売りだけを載せるサイトとわかる部分。映画の解説部分で”正式に組織化される前夜に行われた伝説的” この言葉は次の言葉より誤認を呼んでいる。
Simultaneous shot.
-What?
Five synchronized guns, a single shot.
Everyone goes down, no return fire.
他のサイトの説明では、すでに2年前より組織されていて、そうでないと5人のスナイパーが、息を合わせて、敵5人に動きを一瞬たりとも許さない致命傷、つまり一撃で頭部にスナイパーライフルFR F1に込められたフラットノーズ弾をぶち込まなければ、囚われた子供たちが犯人の反撃による流れ弾に当たってしまう可能性があるためだと思うのだが......
彼らGIGNはすごい。嫌みです。そんな事なら書くなってか? 分離主義者を援護する形で大勢のソマリアの兵士が、戦闘を仕掛けてくる。それがあたかも、シューティング・ゲーム?夜店の鉄砲ゲーム? ソマリア兵の頭部にフラットノーズ弾が面白いように100発100中って、なんですかこれは、頭がウニになりました。
’80年代を思い出させるような音楽に加え、画面を2分割・3分割・4分割と昔の探偵ものテレビシリーズのような描き方をした、何かをはき違えている。
Gentlemen, honestly, that was a success.
-A success? Are you kidding? You call this a success?
-Is that what you'll tell her parents?...................................
-Have you seen enemies?
-Do you think we're butchers?
-Where were you, General?
We were waiting for orders.
Imagine what would've happened if we started firing.
It wouldn't be one girl we'd be putting in a coffin.
It'd be the whole class.
結果として、犠牲者が出てそれに苦しむジェルヴァル大尉なのだけれども...
エンドロール前にこの様なテロップが映し出される。
THE HOSTAGES AND THEIR FAMILIES
WERE NEVER OFFICIALLY recognized
AS "VICTIMS OF TERRORISM" AND TO THIS DAY,
しかし、AFVTというフランスのテロ犠牲者協会 という組織の見解では、2015~2016年にかけて、このテロ行為の当時の生徒さんたちが本を出版しています。
とにかく、脚色すればいいものではないことを思い知らされた1作であることは、間違いがないのは事実となった。
参考にできる意見として.......
Variety
エンターテインメントビジネスニュース取り上げる週刊誌とウェブサイト。
Film Review: ’15 Minutes of War’ 2019.8.2 1:50AM PT(太平洋標準時)
「この映画における論争を無視することは、切り離すことのできない真実があり、軍事手順と鋭い戦術だけに焦点を合わせることは、不快な歴史的背景を大画面の興奮と引き換えにすることである。」
Hollywood Reporter
映画、テレビなどのエンターテインメント業界の情報を扱う週刊誌、隔月の特集誌、季刊のグラビア誌、ウェブサイト、PDFの新聞、iPadアプリケーション、およびイベントなど。
'15 Minutes of War': ('L'Intervention') 2019.5.20 11:33 AM PDT
「まるで21世紀の映画製作の魔法が、ひどく保守的で絶望的で視野の狭い1980年代の台本にそのままになってしまっている。」
最後に
The ring is ugly.
But you'll make a good husband.
Gメン’75を思い出す横並び。
女性教師の存在はないばかりか、実際には、21人ではなく、31人の生徒さんが拉致されたのですが、全員が軍関係者の子息で、その内2人の生徒さんが、亡くなっています。この映画は、GIGNの活躍を描いた、はっきり言ってプロパガンダ映画と言えるものです。
全35件中、21~35件目を表示