「事件は現場で起きている!」15ミニッツ・ウォー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
事件は現場で起きている!
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フランス領ジブチで独立運動のテロリストが子供たちが乗るバスをジャックした実際のロワイヤダ人質事件を映画化。
原題L'Interventionは”介入”、邦題は15ミニッツ・ウォー、まさに一昼夜も待機して15分で決着。
従って決行までの1時間余はのらりくらりの政府上層部や他人事のような外人部隊の司令官にいらつきながら子供たちの安否に気を揉むことになる。
強行突破は最後の手段であることは分かるが政治犯は金では動くまいし、テロ支援のKGBまで出てくるのだから事態は悪化の一途、青島刑事(織田裕二)の名セリフではないが現場を知らない上層部、部下を信頼もせずに何のための特殊部隊投入なのだろうか。おまけに本事件がきっかけでGIGN(フランス国家憲兵隊治安介入部隊)」がもてはやされるとは、結果論を巧みに利用する政治家の狡猾さが鼻を突く。
映画ではスクール・バスになっているが実際にはフランス兵士の子供たちを乗せた軍のバスだった、運転手も兵士で重傷を負った。史実では5才から12歳までの31人がバスに乗っており2人の女の子が犠牲になり男の子1人はソマリア軍に誘拐されてしまったそうだ(後に解放)。
子供たちに寄り添った先生の覚悟には頭が下がるがこれも映画での脚色、教師ではなく軍の女性社会福祉士のJehanne Bruが志願したそうだ。
手榴弾をくらったにもかかわらず助かったのはまさに奇跡、映画は英断した特殊部隊を讃えているようですが結果オーライでは済まされないお粗末な介入でした。
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