劇場公開日 2019年10月11日

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「とても美しい 絵画で綴った叙事詩のよう」第三夫人と髪飾り りょうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とても美しい 絵画で綴った叙事詩のよう

2021年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

とても美しかった
美しい絵画が音楽とともにすぎていて、女性の美しさも際立ち、静かに時が過ぎていく
第三夫人と周りのひとびとの様子も上手に描いている
主人公はほとんど話さない 目や表情でどんな感情をいだいているかを見せる
時には目をそむける嫉妬、独占欲、
第一夫人の流産の悲しみ。
要所要所で蚕が出てきて、時の流れを映し出す 水もまた同じく
生卵の初夜のシーンも美しく
女性を求めるシーンは意外だったけれど、それは彼女が初めて官能を覚えた相手だから執着したに違いない
そして子供の「私は男になる」は男の子のほうが優位でかわいがられている、女しか産んでいないと形見が狭い、そんな環境を家族の会話で見せている
脚本が素晴らしくうまい。
スパイク・リーの全面協力というのも分かる
最後、赤子を殺そうとするのは、男の子を産むべきで男の子が欲しいから
髪を切るシーンもそう 男の方が良いから
(本当は、男だけでは子供は産み育てられないのだけどね)
祭りのシーンも良かったな
本当に素晴らしい。素晴らしいとしか言いようが無い
ベトナム人女性監督アッシュ・メイフェアさんの次作にも期待する
本当に良いものを見させて頂きありがとう

※ベトナムでは上映が禁止されたというのはとても悲しい
素晴らしい作品はいかなる理由においてもボイコットされてはいけない

りょう