「一般視聴者・批評家から高い支持を受けています。」第三夫人と髪飾り Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
一般視聴者・批評家から高い支持を受けています。
「この映画は一夫多妻制が許された時代を背景にしているもので、結婚観に関しては、現在のベトナムでさえ、今でも結婚に際しては両親の意見を参考にしている若者もいる。その他には、この映画でも取り上げているものとして宗教観や霊的にまつわるもの。そこには、儒教や仏教、そして1部にはアニミズムの考えも含め、宗教の混ぜ合わさったものが家族構成や子供たちの躾け、例えばお年寄りに対する礼儀ある接し方がなどがある。神聖的霊的なものに対しては、霊魂の再生や仏教の教えを信じているベトナム人も少なからずいる。」この映画の脚本家で監督でもあるアッシュ・メイフェアのコメント。
映画としては、何とも言えない素晴らしいの一言の背景を舞台にした官能的映画と称されている本作。撮影監督が素晴らしいのか、女性をとらえいる夜の場面でも間接的に何かを挟んでからの描写を多用し、また日中の中でも素肌に当たる水浴びのシーンでも、その甘く美しく女性を描き切っている。シナリオは、第三夫人のメイを主人公にそれを取り巻く女性陣、第一・第二夫人に加え、第二夫人の子供、ニャンとの交流が、メイの中に幼さゆえにまだ子供の部分を残している、この映画で唯一安心して観ることが出来る場面となっている。つまり男性陣は、老家長、現在の家長の出演は多いのにもかかわらず、ほとんど台詞と言えるものがない、映画の添え物状態となっている。この映画.comやその他のサイトでも第一夫人を”唯一の息子を産んだ穏やかな”と形容しているが、実質は別の顔を持ち合わせていると感じ、メイの赤ちゃんを見る目が、第一夫人も第二夫人も何かほくそ笑んでいるように見える怪しげで陰湿な最高の演技をされている。しきたりという名を借りた別の世界を見ているような気分になる。
-I want a boy.
That's right.
Mistress Xuan is not the real lady of the house yet.
Because she hasn't given any boy to Master Hung yet.
”人を呪わば穴二つ”
Please hear my prayer. 後悔しても後の祭り
Please give me a son.
Please let me be the only one to give birth to a boy.
第一夫人........根が怖い。
-Why do you feed him nightshades? (ナス科の有毒種)
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Can't let him die on Son's wedding day.
第一夫人の息子
Mum.....
I can't marry someone I don't know.
-I used to not know your father either.
-The first time we met was our wedding day.
地主は法律であり、弁護士のいない検事であり、裁判官として行政官として、小作民の人間頭数の管理もしている。
Why punish them? Why not just fire them?
-They got pregnant out of wedlock , we can't just let them go.
What will happen to her and the baby?
She and her baby belong to the temple now.
What about him?
He will be punished some more but he'll keep his job.
生者が通れる川から始まり、終いには、無残にもステュクスに流される若き人もいる。ベトナムの19世紀に生きた人、特に女性に焦点を当て、お茶の作法や生の物が血を抜かれ、神の供物になるところや人間の哲学的、宗教的な概念の転生までを一通りをゆっくりとした自然の川が流れるように映像が進んでいくのは、いいかもしれないが、面白いとほんの少しでも思わないものにとっては、苦痛の何物でもないが、しかし、今回は、何故かいつの間にか観終わっていた。
ラストのメイの泣き止まぬ子どもを癒しているのが嫌なのか? 自分の真のジェンダーを知ったためか? 次も女の子だったらどうしようという何とも言えない不安感からか? 抜け殻のように一点だけを見つめているのか? いないのか? 哀れとしか言いようがない。カイコの蛹(さなぎ)の繭(まゆ)を作りあげるまで、子供を作りあげるまで一生を捧げる運命を悟ってしまう。その反面、男の子になりたいと思っていたニャンが川辺で思いがけないことをして喜んでいるシーンで終わる。何故かエンドロールもゆっくりと.......
この映画は、少し間違えれば、幼児虐待をしていると受け止められても仕様がない映画で、他の映画情報サイトでは、製作者側から上映中止の申し立てをベトナムの文化スポーツ観光省に提出している。5月17日の上映開始からわずか4日後の事。 個人的には、アメリカ映画つまりハリウッドに競合する映画作りがなされていると思う。ハッキリ言って、美しく映像化しているのに映画芸術の名のもとに何をしてもいい訳ではない。強く言いすぎました。謝るぐらいなら書くなってか?
そんな映画を評論家や視聴者を含め高い支持をしている本作。
Boston Globe 2019.7.3
アメリカのボストンにおいて最大の部数を発行する日刊新聞
A beguiling and hermetic world in ‘The Third Wife’ より
「この映画の根底には怒りがあるけれど、それはほとんど認められないほどにまで表現されず、映画”第三夫人と髪飾り”としての力と勢いを失っている。」
San Francisco Chronicle 2019.5.29
カリフォルニア州サンフランシスコに本拠地を置く日刊新聞
‘The Third Wife’ a delicate tale of sisterhood in 19th century Vietnam
「映画”第三夫人と髪飾り”は、シナリオに組み込まれたサド・マゾヒスティックなファンタジーの要素について、程度の差はあるが素直に描かれ、奇妙にも田舎の田園の魅力と融合している。」
日本の視聴者からすれば、なんでもない事かもしれないが、その理由がレイティングに対して、日本では、R15+になっているが、文化の違いか、べトナムでは18歳未満鑑賞禁止となっている。そして今や中止に追い込まれている。