「TVシリーズ1期と次期シリーズの間で必ず観るべき」劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明 トーリさんの映画レビュー(感想・評価)
TVシリーズ1期と次期シリーズの間で必ず観るべき
完全にTVシリーズ1期の続きなので、必ず視聴
してから劇場版に臨む必要がある。
小難しく考えない方向で言うならば
ナ ナ チ が 可 愛 い。
個人的には、ただそれだけで充分ですが。
さて、
人のカタチのままで帰還できる限界点と言われる
第6層を超え深淵に潜らんとするリコ。
母を探すという当初の目的からいつの間にか
アビスの謎を解くため未知に飛び込む事自体が
生きる意味になっている。
今回はレグの身体を調べようとするボンドルド卿
の部下達のシーンが観ているこちらの精神まで削ら
れる。そして相変わらずの過酷環境、肉塊の類も
相変わらずぶじゅるぶじゅる。
そして今回のシナリオのテーマとも言える少女プル
シュカのエピソード、結末。
原作既読で知ってはいたのだが、泣いた。
第5層までのような過酷環境の広がる自然と違って
どちらかというと閉鎖的な場所であり、それが余計
に「ヒトが正常な精神を保てる環境ではない」と
気づいてしまうと非常に怖い。ヴィジュアルワーク
は素晴らしい、そしてそれ故にそこがアビスなのだ
と、まざまざと感じた。
ボンドルド卿との対決シーンのアクションは
目で追うのが難しい程激しかった。
常識で到底測れない考え方の持ち主である黎明郷、
やって来た事を考えれば彼を真に絶望・後悔させた
上で殺さねば飽き足らないが、結局の所あのような
決着に留めたのは複雑な部分である。ナナチの心情
を読み解くのはなかなかに難しいのではなかろうか。
(我々の考える生のカタチ・死のカタチはアビスに
おいてはもはや異なる概念となりつつあるなどと
夢想してしまう)
いつか来るであろうこの冒険の結末に一般的な
ハッピーエンドは恐らく有り得ないのに、最後
まで見届けたいと思わずにはいられない。
続編制作が決定と公表されたから必ずそれまで
にこの劇場版を観ておかないと、アビスの呪い
(と祝福)、ボンドルド卿の「カートリッジ」、
そして白笛・・・といった重要要素について理解
してないままで下層に臨むことになる。
4DX対応シアターで観たのだが、座席のスイング
はともかくとしてミストが吹き付けられるのは・・・
この作品のああいうシーンでミストは・・・うん、
呪いを浴びた気分。