「憧れは止められない」劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明 ローチさんの映画レビュー(感想・評価)
憧れは止められない
TVシリーズからの続きの物語で、ボンボルドとの対決が描かれる。ボンボルドというヴィランは近年稀に見る恐ろしいやつだ。なにしろ、自分自身ではあまり恐ろしい人物だと感じていないふしがある。周囲にとっては異様に残忍であることが彼にとっては普通のことだったりする。本当にネジが飛んでいる人間は、自分のことを正常だと思っているものだ。自分を狂人だと思えるだけのまともな感性すらなくしているのではないか。リコがそれに近い何かを持っているというのも恐ろしくも納得感がある。探究心が人を狂わせることもある。
R15+での公開となっただけあって、ハードな描写が続く。秘境の大穴の全貌はまだ見えず、これだけの苦しい思いをしてもまだ先があるのか、と思わずにいられないが、それでも未知を目指すことの楽しさやワクワク感を失っていないのが素晴らしい。人はどれだけ苦しい思いをしても、冒険への憧れは止められないのだ。
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