LOOP ループ 時に囚われた男のレビュー・感想・評価
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俺がアイツでアイツが俺で
珍し〜
ループモノときけば1人、もしくは複数人同じ時間を繰り返すが定番だと思ってたけど。
そんなカチコチ頭を破ってくれた。
自分が同じ場所、同じ時に戻るのではなく先に行っちゃった自分を追いかけて未来を変えちゃうストーリィ。
なので、ループなんだけど自分の行動や思考を先回りして邪魔したり未来を変えたりしてしまう。
先行く1人がもともとの行動を取り、それを追っかけていくもう1人が未来を変えようとする。なので俺が2人状態。
ループするのは追っかけるご本人。
あ、あの時の現象はこっちの人の仕業だったのね。とか思っても意外と予想の範囲内
いや、どっちがご本人だ?他に何人かいない?とかラストで考えたりもする。
元々は大量のアンプルの引き渡しをして大金を得て高跳び予定だった男。
しかし彼女の妊娠が発覚してしまい、そこで分裂。
子供を望まない男は彼女を捨て罪を着せようとサイテーな事をしようとする。
そして彼女は車に轢かれ高く飛びあがる。
ネッコは無事。良かった…
もう1人の男はその自分を追いかけるうちに、大切なのは彼女とその子供だと気づき彼女を助けるために奮闘する。
重要ブツとして、ビデオデッキ、留守電、エコー写真などが用意されていたがどれもパキッとした使い方はされていなかったなぁ。残念。
手の甲に書かれた🔁の文字。
彼女がラストで幸せそうに書いた文字。そして序盤で男が消した文字。
この男はどこからどこまでの自分を追いかけていたのだろう。
ここで本当に終わりなのか、それともまだ自分を追いかけている自分がいるのか。
1番かわいそうなのは男を追いかけていたディシュー。
何度も殺した男が現れ驚きの表情をする。
そら、怖いわ。
考察好きな人向けの作品
ループものはどれも基本的に、現在のどのタイミングから過去のどのタイミングに移動したのかが明白。
しかしこの作品ではいつの間にか移動している。
更に体ごと過去に戻るパターンと記憶だけ過去に戻るパターンがあるが、この作品では両方の中間という印象を受ける。
はじめのループだけ見ると記憶が戻っているので、記憶だけ戻るパターンに思えるが、自分が複数出てくること、自分に遭遇することから考えて体が戻っている場合もある。
とはいえ体の傷とかは治っていたりもするので、体ごと過去に戻っていると考えると違和感がある。
この作品の複雑さはそこにあると思う。
したがって、この作品のループ方式はこの作品独自のものであり、既存のものには当てはまらないと考えるのが良いと思う。
ラストについても冒頭とつながるような形で終わるのでループから抜け出せていないとも思えるが、そもそも冒頭の主人公は一番古い主人公なのだろうか?
もう少し未来の主人公という可能性はないだろうか、と個人的には思った。
(その場合は将来的にまたループに巻き込まれる可能性があるということにもなりそうだが)
当然だが最終的にアンナが曲がり角で主人公以外にぶつかったように、ホームレスは主人公以外にパンを貰ったという可能性もあるので、なんとも言えない。
いずれにせよスッキリした終わりを求める人向けの作品ではないと思う。
起点がわからない・・・
よく考えてみると、LOOPって意味がそもそもそんな感じ。朝起きたら同じ一日が始まって・・・なんていうのはループじゃないのかもしれない。本人もいつの間にか同じことを繰り返していて、過去に経験した自分さえも見えてしまう。まるでメビウスの輪!
そのまま同じことを繰り返していたら主要人物アダム、アンナ、デジュが増幅され、何人も現われる気もする。合わせ鏡、ビデオに映ってる自分を撮るようなもの。ただし、途中で3人のうち誰かが死んでいるのでそれほど増えないのか?
全く同じ時間というより、螺旋階段のシーンもあることから、ループよりもスパイラルと言った方がいいのかもしれない。そのスパイラルを断ち切れたのは、多分アンナの命が助かった地点なのだろう。ただし、手に書かれた「8」かと思ってたけど「∞」だったんですね。ゾクっとするエンディングだったけど、TV画面を放っておいたら、勝手にリピートしてしまってビックリした!
場面の構図が面白いが
構造としてはちょっと怪しい出来です。
良く見ると二つのループが混ざり収拾ついてない感じがします。主観時間は進むのに世界の時間は戻ってしまうループと、死に戻りでリセットされるループですね。
死に戻りは「前と同じだ」だけで、あっさり済ませてしまうのがなんとも。。死に戻りなしで、主人公の死は回避できました~みたいなほうが腑に落ちた展開に出来た気も。
それより、舞台裏ではこんなことが!!を、同じ場面でしつこいほど何度も繰り返し、その構図が楽しめます。主人公も同じ場面に遭遇することで改心できたような感じもするので、それが狙いだったんだろうなと思います。
いいオチだ
緻密で繊細な脚本が求められる、いわゆる「タイムリープもの」です。
ところどころ、「これ矛盾してない?」「時系列おかしくない?」って感じる場面もありましたが、これが脚本の不備によるものなのか私の理解力の低さによるものなのかは不明です。ただ、そういう矛盾を孕んでいてもそこそこに楽しめる作品になっていたと思います。
私が今まで見てきた「時をかける少女」や「シュタインズゲート」などのタイムリープものとは異なり、タイムリープしてきた自分と過去の自分が同一世界に存在しています。例えるなら「ドラえもんのタイムマシン」的なシステムです。
過去の自分と対峙したり、利用したり、殴りあったり。展開が読みにくく、楽しく視聴することができました。
個人的にはラストのオチが好きです。
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