劇場公開日 2019年3月9日

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「正義とユーモア」たちあがる女 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5正義とユーモア

2019年3月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

たちあがるというか、初っ端から完全に主人公はたたかう女である。やっていることに共感はできないし、映画も取り立てて彼女を肯定して描いているわけでもなく、過激すぎる環境活動家としての主人公と、合唱指導をし養子を求める主人公は当たり前のように同じ人物である。この作品は彼女の行為を正義として描かない。むしろものすごく突き放している。それが彼女を一層過激な行動に駆り立てる、という構造になっている。過激な活動をする意味とは何なのか考えてしまう。
この映画の面白いところは、過激な女性のアクションであれ緊迫したシーンであれ、劇伴を演奏する楽団と歌手が登場するメタ演出である。どこにでも当たり前に登場し、ただ弾くだけでなくどことなくユーモラスな動きを見せるこの音楽隊が、どう考えてもシリアスにしかなり得ない物語の内容を和らげている。
そして双子の姉と「いとこもどき」。双子は絶対に伏線と思ったが、それだけではない、主人公と相対する存在であり、いとこもどきの存在もまた、主人公の人間たる側面を見せてくれる。
このラストがいいのかは正直分からないが...ストーリーテリングとしてはありかな...。
ジョディ・フォスターがリメイクするそうだ。ぴったり過ぎる。

andhyphen