マーウェンのレビュー・感想・評価
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So-called people
人形が繰り広げる活劇。技術的な挑戦、されどアニメが良いか、人形劇が良いか。話としては着地しているが、ドラマティックではない。実話ベースなのでそれは良いのだが、タイムマシンがクライマックスになってしまうと煙に巻かれた気持ちになる。人形劇だと主人公の心理表現としては物足りないということか。後、女優陣もキャラ描写が総じて浅い。
ヘイトのトラウマに苛まれる主人公。それを排する勇敢さがテーマであるが、讃えることは良いが、引きずり出すようなことはあって欲しくはないもの。
なんたがGIジョーが欲しくなるわ
個人評価:3.7
フィギュアの世界を通し、現実と向き合っていく。人形愛の作品はいくつかあるが、流石のゼメキス作品だけに、現実と空想の狭間の世界観がよく出来ていて、気持ちよく鑑賞できる。CGの可能性に魅せられてからの後期ゼメキス作品の中では一番好きかもしれない。
男子にしか分からないフィギュアの楽しみ方も教えてくれ、鑑賞後はフィギュアが欲しくなる作品だ。
いい意味だけど、変な映画だったなあ
「ハイヒールには女性の真の心が表れている。だから、時々、自分も履いてみるんだ」と感じている主人公。酒場でついそれを話したが為に、気持ち悪がった男達に殴られ蹴られ、記憶喪失含めて脳に障害を負った。ジオラマ内で人形を使った写真を撮って、それが割と人気がある。
これがこの映画のシチュエーションだが、自分で書いても変な話だ。ただ、この映画は実話に基づいている。
最初から最後まで、奇妙な感じは抜けない。自分にはそういう嗜好はないんだな、とわかる。(映画を観なくても、自分にその嗜好がないことは知ってたけど…)
まあ、変な映画です。でも面白い! 進めば進むほど、わかってきて、面白い。何がわかるかって、彼の過去、彼の行動、彼の苦悩… ただ、彼の行動の意味はなかなかわからないのだが、それも後半になれば、徐々にわかってくる。わかった頃に応援したくなり、それは終盤なので一気に終わる。そんな感じだったなあ。
ただ、それは心地よかった。わかった喜びというか、ずっと見てきた彼の行動=彼の頭の中なので、「そういう嗜好もあるだろうな」と心から思えている。なんか、すごく気持ちいい。
この映画を可能にした、「人形の表情だけが人間」というのは、CG技術のひとつの頂点だなぁ。そして、監督の超有名作 "バックトウザフューチャー" のオマージュも、世代的にジャストミートでした!
少年R.ゼメキスの胸の内
心が少年のまま、成長しない監督はハリウッドに何人か居る。
そのうちの一人がR.ゼメキスだと私は思う。
彼が表現する主人公はいつも悲しみと喜びの狭間にいて、
一番大切なことを見つけてエンディングを迎えるパターンが多い。
きっと今回もそうだろう、ほらねやっぱりねと思っても、
彼が題材にする社会問題はいつも深刻で、今回もひどいPTSDを題材にしていて、
それとクロスドレッサー(女装趣味)ってどんなんや!と思ったら、
これ実話なんですね、無知ですみませんw
しかし映像の魔術師は衰えを知らず、
エンタメとはこういうことさ!とドヤ顔が画面を通して見えてしまうくらい、
やっぱり魅せられた120分強、たいしてイケメンでもなく、
たいしていい人でもない主人公が、
いつの間にか拳を握りながら応援していて、最後は栄光の架橋を歌いたい気分にさせるくらい、
よくできた脚本でした。
丁寧に作られた作品は、観ていて本当に清々しい。
ああ、1900円以上の価値あったよホント。
ヘイトクライムから逃げない、表現の不自由、センス・オブ・スケール
先日まで横須賀美術館で開催されていたセンス・オブ・スケール展。
精巧に作られたミニチュアの数々、その中でも映画館のミニチュアがあまりに凄くて、他にこういうミニチュアの展示を常設してる美術館はないか検索していた矢先でした。
繊細できめ細やかな作品。
センス・オブ・スケール、
センス・オブ・ワンダー。
本作も形の大小から、心のスケールもしっかりと細部まで描写されていました。
時間の過去と未来の表現には笑ってしまいました。
主人公は、
ヘイトクライムから逃げません。
単なる暴力よりもヘイトクライムは罪が重いと検事は言ってました。
表現の自由を攻撃する人もいましたが、
表現の自由を守る、ヘイトクライムから逃げない、テロや暴力に屈しないと周りの住人達もみんなで協力していました。
小さな気持ちも集まれば巨悪なんて敵ではない。
そんな小さな気持ちを必死で持ち続けた、
マーク・ホーガンキャンプと、
支え続けた周りの人たちと、
TOYたちはマーウェンコルというコミュニティで素敵なリアルで小さな民主主義を魅せてくれました。
趣味が同じなので、気持ちがわかる。
こんな庭がある家で隠居したい。
主人公がこの趣味になった過程を映画で表現しないと、この映画の趣旨が伝えきれないと思う。
主人公の演技がダスティホフマンに観えた。
この映画を観たら「デスレース2000」を観たくなった。趣味が同じだからだ?
途中寝ました(笑)。でも悪くない映画
映画冒頭、しばらく実写だと思って見てました(笑)。
それくらい人形のシーンはクオリティ高い。
でも、基本、人形のシーンって主役の人の脳内世界なので、訳わからなくてだんだん眠くなってくる…
もう少し、背景にあったことをしっかり説明してくれれば、寝ることも無かったかなと。
終わり方も好きだし、いい映画だと思うんですが、一言でいうと、もったいないな、という感じ。
冒頭からスティーヴ・カレルなのかトー○○○ーリーなのかというシーン...
冒頭からスティーヴ・カレルなのかトー○○○ーリーなのかというシーンから始まり、動くフィギュアのアニメーションが好きなら、映像を見るだけでも楽しめる。
脳に障害を負うほどの暴行を受け、生業としていたイラストがかけなくなったことから、架空の街マーウェンに生きるフィギュア達の写真をとるようになったマーク。写真は彼の創作物語の一シーンだ。映画はマークの物語と彼のリアルな世界を行ったり来たりしながら進むが、マーウェンの世界のあれは一体何を意味するのか。そしてリアルな世界の問題を乗り越えていくことができるのか、見ていてストーリーに引き込まれていった。
マークとホーギーが優しく勇気をくれる
ロバートゼメキス監督らしい、優しく背中を押してくれる素敵な作品。辛い経験とPTSDに苦しみながらも、優しく見守る友人達や自ら作り出した空想の世界の仲間の力を借りて、懸命に向き合い乗り越える姿に勇気をもらえます。
空想の世界では好きな人ともラブラブで、強くてみんなを守るヒーロー。現実は奇跡は起きないし辛い事もたくさんある。マークの状況は空想の世界へ逃避してもしょうがないとさえ思えますが、そうではなく、空想の世界から勇気と生きる強さを貰う。つまり自分で乗り越えていくんですね。実話がベースのお話ということで、本当に凄い。
ちなみに、ロバートゼメキス監督のあの名作ネタも登場。ニンマリしちゃいます。(笑)
基本いい話、でも物足りない
集団暴行で記憶やイラストを描く能力を失ってしまった男が、自分を取り戻そうとする物語。
結構いい話だったのだが、前半は結構ダレる。人形を使った作品(写真)と創作物語が結構時間をとってて、なんの話なのかハッキリしないままダラダラ続いてしまう印象だった。
その人形たちには実在のモデルがいて、それぞれ自分と関わりのある女性だったりする。それが徐々にわかっていく作りは面白い。でも、唯一特殊なキャラ(魔女)が核心を握ってる感じなのに、実在のモデルが出てこないままで終わってしまうのはどうなのよ!?モヤモヤする。
実話を元にしているので大きな脚色ができなかったのかもしれないが、もったいなかった。
そして、一番印象に残ったのがタイムマシーンとして登場したデロリアン!ちょっとしたファンサービスで楽しかった。
タイトルなし
主人公はPTSDに苦しむ実在の人物で、ロバート・ゼメキスは彼を描いたドキュメント映画を観て着想したそうだ。
きっと、そのドキュメンタリーを観ている最中にこのアイディアがひらめいて、ゼメキスは膝を打ってワクワクしたんじゃないだろうか。
主人公が造り上げた、自分や周囲の人たちを投影した人形による空想の世界。
役者に人間劇と人形劇の両方を演じさせるというアイディアとそれを具現化するテクノロジーの見事さ。
アバンタイトルから驚きの映像で惹き付けられる。
人形からリアルへ、リアルから人形への遷移場面がまた、アイディアに富んでいる。
本当に一見の価値ある映画だ。
人形劇が面白すぎるので、人間劇のインパクトが弱い気はした。
主人公を取り巻く人々の優しさや暖かさ、そして主人公の自分との闘いは、心打つものではある。
法廷の場面などで一部人間劇にもアクションを持たせてはいるものの、やはり派手なところは全部人形劇が持っていく。
このアイディアの諸刃の剣だったのかもしれない。
人間パートが与えられていないダイアン・クルーガーの魔女が「デロリアン」で登場する場面は、ゼメキスファンでなくても胸が踊ると思う。
心憎い。
この素晴らしい世界観はやはりゼメキス!
ロバート・ゼメキスX スティーブ・カレル。
実話をもとに作られたと言うことだが、さすがゼメキス、空想の世界をしっかりと映像化し、レベルの高いファンタジーに仕上げた。
暴行を受けて記憶を失いPTSDに苦しむ主人公は、自ら作りあげたミニチュアの町「マーウェン」で生命を吹き込んだフィギュア達とともに生きる。
暴行した5人の男たちをナチスの兵隊フィギュアに、そして何かと世話をやく近所の女性たちを5体のバービー人形に見立て、終わりのない戦いを繰り返す。主役は自分自身(を模したG.I.ジョー)!
実生活ではカンパニーに恵まれていたと思う。気にかけてくれる女性たちがいるだけで幸せだ。隣に越してきた女性への恋心もポジティブ。
ミニチュアの世界でフィギュア達を躍動させるゼメキスのイマジネーション、そして最近やたら出演作の多いカレルの名演が光る秀作だ。
どこにダイアン・クルーガーが出てたんだ?と思ったら、人形さんでしたか。
ミニチュアの模型やフィギュアの世界。これだけ妄想の世界に入り込めるのも幸せだな~と思っていたら、時折やってくるPTSDの痛み。この傷の痛みは本人しかわからず、誰もそこまでは深く付き合えない。しかも事件以前の記憶がないというのも寂しいことだと感じます。近所の人たちもとても優しくて、妄想世界に付き合ってくれているのだ。
人形の主人公とベルギーの町マーウェンを守る女性レジスタンスたち。毎日のように襲ってくるのはナチス兵士だ。皆の協力でナチスを倒すものの、人形の一人に魔女デジャ(ダイアン・クルーガー)がナチスをことごとく生き返らせるのだ。そんな冒険エピソードもかなりリアルに作りあげていて、ゼメキス監督の攻めどころも凄いのです!ストップモーションなのかCGなのかも全然区別がつかない。ただ、肩、肘などはちゃんと人形してました。
マークの住む家の向かいにニコルという女性が越してくる。何度も挨拶するうちにティータイムに誘われたりして、ほのかに恋心を寄せるマーク。新しい赤毛の人形にニコルと名付けたマーク。この「Eのないニコル」にこだわりがあって楽しい。
現実と夢想の境目がなくなるのもよくわかるし、ニコルの元恋人が突如恐怖のSSになってしまうところもいい。特に裁判所のシーンでは声を上げそうになったくらい(笑)。もちろん『BTTF』のデロリアンもどきも最高でした。
素晴らしかった
模型屋のお姉さんに対する態度がひどくて、あんまりだと思っていて最後ニコルに振られた途端、模型屋に行って露骨すぎる。ニコルに対しても、そっくりな人形にニコルと名付けて自分の人形とイチャイチャしている写真を、ニコル本人に見せるなどあまりに露骨。日本なら警察沙汰なのだが、そんな行為をされていてもニコルは写真店に顔を出すまで付き合ってあげて、本当に心が広い。病人だからしかたがないと思ったのだろうか。
実際、もしあの人形たちに本当に人格があったら新参者のニコルと主人公がいちゃつきだしたら前からいた女たちが怒るだろう。女の集団を甘く見すぎている。しかもニコルには個室、前からの女は相部屋で小さいベッドで、扱いも露骨。
でもそんな露骨さも踏まえて、夢の世界がとても面白い。戦闘シーンが人形なのにスリルがあって、いちいちエキサイティングだ。
バランスは微妙だけど。
暴行を受けて再起不能になってしまった主人公の再生物語だけど、CG なのか人形なのかアニメなのか、とにかく彼らのシーンがとても多く、その不思議さと見事さで完成度が高すぎてそちらに気が集中してしまった。なんにせよ立ち治れる何かがあるっていい。
いつかはフロントを走らなくてならない。
逃げ惑うのは自分は正しいと思うからなのだろう。
被害者と加害者は表と裏。
自らの落ち度に目を向けることをせずに誰かを責め続けていれば悪い妄想が頭を過る。
闘いに臨まなくてはならないのだ。
闘いの相手は自分自身。
面倒なく過ごす為に人の後ろに隠れてばかりいては幸せにはならない。他人の望む人間になるよりは自分自身が望む人間になることが如何に大切なんだ。
今一度、思い知らされた。
色々と作られ感が過ぎる。でも面白い
現実離れしたモチーフを扱っているので、リアリティが薄れてしまうのは仕方がないかもしれないが、実際の事を扱っている割にはあまりに作られ過ぎていると感じてしまった、ストーリー含め─。
でも現実と空想をうまく絡めながら進行していくアイデアは面白いと思ったし、非常に楽しかった。
どことなく哀愁を帯びたスティーブ・カレルも素晴らしい。
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