「【”ある怖ろしき出来事のため、記憶を失った男が”フィギュアの世界”に”逃避”する中で、ある女性に恋をし、”フィギュアの世界”で”彼女を守るために闘い”徐々に再生していく物語。】」マーウェン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ある怖ろしき出来事のため、記憶を失った男が”フィギュアの世界”に”逃避”する中で、ある女性に恋をし、”フィギュアの世界”で”彼女を守るために闘い”徐々に再生していく物語。】
ー 可なり、独特な世界観を持った映画である。劇中描かれるシーンの殆どは、ヘイトクライム(憎悪犯罪)に会い、記憶を失ったマーク(スティーブ・カレル)が作り出したG.I.ジョーのホーギー大尉(マークの分身)と5人のバービー人形(マークを支援する周囲の人々)やナチスのSS(マークを襲った犯人たち)魔女デジャ(ダイアン・クルーガー:怖い・・)を中心とした”劇中劇”である。
マークは自ら造り上げた”劇中劇”の各シーンを自ら写真に収めることで、徐々に”救済”されていくのである。 ー
・マークが記憶を失ったヘイトクライムのシーンは、後半断片的に描かれるのみである。
・だが、観ている側は、徐々にマークがフィギュアの世界に”没入””逃避”している姿や、周囲の人間が”大変だったのね・・”と言いながら、マークに優しく接する姿を見て、マークに何が起こったのかを前半は類推する。
・裁判所からの呼び出しにも、犯人たちと近付くことを本能的に察していたのか、応えないマーク。
・だが、道を挟んだ家にニコルが越してきたことで、マークのフィギアの世界“マーウェン”に変化が訪れる。
ー ”デロリアン”も登場するしね・・。ー
・”マーウェン”の世界で、G.I.ジョーのホーギー大尉(マークの分身)が、ニコルの分身のバービー人形を撃ったナチスのSS(マークを襲った犯人たちの分身、実際に犯人の一人の腕には”ハーケンクロイツ”の入れ墨がある。)との戦いに勝利した事で、マークは裁判所で、震えながらも、暴行事件について、証言する。
<2000年、マーク・ホーガンキャンプは、バーでヘイトクライムにより瀕死の怪我を負い、記憶を失った。だが、彼は自分や自分を支援する周囲の人々を模したフィギュアの世界に没入し、写真を撮り、個展を開くまでになった。
今作は、その事実を基にロバート・ゼメキスがマークが再び立ち上がる姿、周囲の人々の彼を支援する優しき姿を、G.I.ジョーのホーギー大尉と5人のバービー人形の”劇中劇”をメインに描き出したモノである。
ヘイトクライム(憎悪犯罪)の加害者への怒りを直接的に描くのではなく、被害者が徐々に再生していく姿を描くことで、多発するヘイトクライム(憎悪犯罪)に対して、警鐘を鳴らした作品である。>