美しすぎる議員のレビュー・感想・評価
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普通にエンタメしている作品
タイトルから想像している段階では、時事ネタを元にスキャンダラスな描き方をした内容かと思っていた。しかし、確かにフィクションとしての誇張はありつつも、主人公の女性議員と、それを取り巻く政治状況、取り上げられている社会的な問題や、関わってくる周囲の人間などは、いづれも普段我々が世間や報道で見聞きしているまま、に近い姿だった。とはいえ決して、マジメすぎる手法で飽きさせる事もなく、いわば疑似ドキュメントを通して、色々と考えながら最後まで惹き付けられた。弱い毒を飲ませられているが如くに。
投票前に見てほしい作品
茨城県ゆめみ野市という地方都市の市議に当選して2年目の元アイドル・田中愛(川村ゆきえ)が、事務所を訪ねたひとり親やDV被害者など貧困層・弱い立場の女性の自立を支援する様を描く。
政党や地元有力者らの三バンに頼らず、社会的弱者を救うべく、粘り強く見えない恐怖と対峙するもうまく行かない人物像は大変良かったし、実生活の選挙で投票したい候補者を選ぶのにも一役買うのではと思う。
物語は「田中愛はなぜアイドルから議員になったのか」を弱小プロダクションのTVクルー(青柳尊哉)が密着取材するパートと並走しており、強請ったりして観る側の代弁しているように理解できるものの、TVクルーが良くも悪くも泥臭く、途中から整音が崩れて醜くなってしまったのがマイナス点。
日本の貧しさ、個の弱さ。
いままでの五藤監督の作品とは違い、観ていると、いまの日本の国としての貧しさ、疲弊した地方の崩壊しそうな民主主義、個人の無力さがヒリヒリするくらいに伝わってくる。
主人公の「美しすぎる議員」も、政治家としての無力さに打ちひしがれ、その議員を執拗に追い続ける、弱小マスメディアのディレクターも、自分の作品の意図が打ち砕かれ途方に暮れる。
こんな展開でどうやってまとまるのかハラハラしながら観ていると、ちゃんと最後には小さな救いと和解があり、主人公ふたりの気持ちが通い合い、観終わったあと、なんか元気が出てくるという、不思議な作品でした。
でもおもしろかった!
暴くつもりが暴かれる!二重の嘘から見えるホントに大興奮(≧∀≦)
そもそも映像にリアルなんて無い。現実を切り取った時点で何かしらの意図が介入する。
ドキュメンタリーにも、着地点への誘導が仕掛けられている事は周知の事実ですが、
それを逆手に取って、まだ着地点が決まっていないドキュメンタリーを描くとで、こんなにリアルでスリリングな映画が生まれるとは!!
一つのエピソードでも、角度を変えると別の顔が見えてくる。
メディアリテラシーを問うかのような、二重構造のウソにグイグイ引きこまれて翻弄されっぱなしでした。
そして、「美しすぎる議員」の本当の目的を暴くつもりが、逆に観客である自分自身がどんな人間なのかが暴かれてしまう…(^◇^;)
このフェイクドキュメンタリーの誘導と仕掛けに、まんまとハメられました。
監督、お見事!
序盤で製作側がゴシップを引き出そうとするくだりでは「まったく、これだからマスコミの奴らは…。全ての視聴者がゴシップ好きだと思わないで欲しい。(〜_〜)」
などと、嫌悪感を抱いていた筈なのに
一つのエピソードが暴かれた途端「やっぱり、そうだったんだ!!」と思ってしまった自分がいる。
“やっぱり”と感じたということは、どこかにキナ臭さを感じていたからに違いなく、純白の中に疑惑のシミを見つけた時の嬉しさったら♪
一視聴者として、じゅうぶん下世話な自分を突きつけられました。orz
「美しすぎる」は、一見褒め言葉のようですが
見た目を必要としていない業界では「美しい」は付加価値になる。
「美しい」が度を超えて必要以上に「すぎる」と、どこか「美しさ」という付加価値を利用しているニュアンスが漂う。
更に“元タレント”という設定が非常に効いていて、「美しさ」を武器としてきた業界からの転身には、別の目的が隠されていそうで、疑惑は深まるばかり。
インタビュー慣れしていて、ハキハキよどみなく出るコメントは、どこか模範解答で真実味に欠け
「女性の為に」「社会を変える」などと言えば言うほど演技なのではないか?と疑ってしまう。(←演技なのですけどね^_^ この二重構造もたまりません!)
そもそも議員なんて、何かしらの旨味があるからなりたいんでしょ?お金だとか、権力だとか。
選挙のときだけ有権者にペコペコして、当選すれば「先生様」
そもそも本気で市民の為に何かを変えようとしている議員なんているのか??
そんな行政不信の私の前で「美しすぎる議員」は、市民の声に耳を傾け、親身になって、少しでもより良い社会になるよう奮闘する。
議員としての、本来あるべき姿を見せられている筈なのに…。むしろ褒められるべき人物の筈なのに…。彼女を信じることの出来ない悲しさ。
私利私欲の為に出馬する奴らの方が、動機として信用できるなんて。私も相当なゲスだわ。
では、一体私は何なら信じられるのか?
よくボランティアをなさっている方のインタビューで「自分の為に続けています」といったコメントを耳にしますが
人が喜んでくれる事に喜びを感じる人や、
誰かに必要とされている事に、自分自身の存在意味を見出す人もいるだろう。
ボランティアの交流を通して、普段の生活では気づかなかった喜びを感じる瞬間があるのかもしれない。
少なくとも「困っている人の役に立ちたい」といった、捉え方によってはやや上から目線を感じる自己犠牲よりも、健全に思える。
どうやら私は、動機が「自分の為」の人だと信じられるようです。
ネタバレのない範囲に留めますが、清々しいラストは「美しすぎる議員」を信じて、心から応援できました。
「愛ちゃん!自分の為に目的に向かって頑張れ〜!」
#美しすぎる議員
ふるさとに愛を
美しく過ぎる議員と取りざたされる元タレントの地方都市市議会議員と彼女を取材するマスコミの話。
コミカルな要素が結構あるのかと思いきや、この様な議員を当選させたり担いだり同調したりする社会や、面白がったり数字や金を稼ごうとするマスコミに対する風刺作品。
女であること美しいこと知名度があること、それは武器なのか権利なのか、人気の理由は何なのか。
贈収賄とか利益供与とか公職選挙法抵触もちらつかせつつ、自分の主張っぽいことは言うけれど、いざとなったら「どう思いますか?」連発の薄っぺらさで、少なく共この主人公は神輿の上のお飾り感が強いけど、実社会に於いても自分も含め殆どの市民は結局単純だし目の前のものに食いつくしバカだからね。
男女平等、女性の社会進出、女性の権利、女性支援、女性の〇〇等々、謳えば謳う程平等ではなくなるというジレンマだったりジェンダーの問題点や主張も含めた哲学的なものも孕んだ作品でなかなか面白かった。
だだ、人それぞれ頭や心の奥底に考えたことはあるだろう問題だし、答えの無さとか委ねられた感や問題提起の今更感はあるかな。
そういう意味では少しドタバタブラックコメディ要素があったら映画としての面白さは濃くなった気がする。
因みに…映画サイトですし個人的感想、及び、主張ですし、上記の解釈・価値観・思想的な内容に関する反駁を頂いても完全にスルーさせて頂きます<(_ _)> www
こんな議員さんがいてくれたら
ユーロライブでの完成試写会を鑑賞。
川村ゆきえさんが演じる『美しすぎる議員』を青柳尊哉さんが演じるテレビドキュメンタリー班が撮影していたが、ドキュメンタリー班が裏の顔を探す為にどんどん取材がエスカレートしていく。はたして、『美しすぎる議員』の本当の姿は?と言った内容。
どちらも一辺では筋が通っていて一辺では違うのでは?と言った人間的で共感できます。
市民の為に走り回り、汚れ仕事をする議員さんが本当にいたら、政治離れにならないのではないか?と思いました。
年や性別は関係なく、色んな層に観てもらいたいです!
川村ゆきえさん、かわいい(重要)
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