「設定がもったいない。続編ありきの”ゆるい”監獄」大脱出2 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
設定がもったいない。続編ありきの”ゆるい”監獄
シルベスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの共演で話題になった「大脱出」(2013)の続編。
スタローン自身の企画シリーズで、脱獄のプロが挑む、難攻不落の監獄・・・という設定は面白いのだけれど、さすがにアクション映画の主演が71歳って、あまりにも厳しい。さすがに今回はシュワルツェネッガー(70歳)は出ていない。
前作は2大スターの華やかさがあって、まあまあだったのだが、巨額の製作費に届かない米国内興収で失敗している。結果として、今回は予算が大幅に圧縮。
なんとか見せ場を作ろうと、代わりに若手(若手といってもスタローンよりも?)を起用。本当の主役はホアン・シャオミン(黄 暁明/41歳)で良かったのではないかと思うほどの大活躍。ほかにも「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でドラックス役のデイブ・バウティスタ(50歳)が出ている。
主人公のブレスリン(シルベスター・スタローン)は、世界で唯一無二のセキュリティ・コンサルタントで、脱獄プロとしての仕事も請け負う。本作では一流のスタッフを集めた警備会社を経営している。
ある日、任務中に姿を消したスタッフのひとり、シュー(ホアン・シャオミン)の行方を追うと、最強の監獄"ハデス"に勾留されていることが判明する。"ハデス"の謎を追うスタッフも次々と消えていく。
5年ぶりのシリーズとして、多少は期待していたところもあったが、やっぱり無理みたい。
ひと言でいうと、"ゆるい監獄"。
最新の監獄なのに、囚人同士を闘わせる余興ルールがあったり、勝った囚人にご褒美タイムで遊ばせたりする。
相手が世界屈指のプロとはいえ、あまりにも簡単にネットワークに侵入できるのはオソマツ。外からモノを持ち込むませる管理の甘さ、そもそも重要な囚人同士を接触させすぎ。脱獄のプロ集団と戦うには、ツッコミどころ満載。
脚本は前作と同じマイルズ・チャップマンだが、スタローンが闘うのは、ほんの一部分。最後にボスキャラらしいヤツが出てくる。本作はパート3を前提に作られていて、パート2というよりは、3部作の真ん中にすぎない。
大スクリーンで観るほどのことはなく、"ビデオスルー"、"配信スルー"でも十分。
(2019/3/31/新宿バルト9/シネスコ/字幕:高井清子)