「吉行和子さんが、エロ恐かわいい!」雪子さんの足音 music boxさんの映画レビュー(感想・評価)
吉行和子さんが、エロ恐かわいい!
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木村紅美の原作のもの悲しく胸がぞわぞわする感じはそのままだが、吉行和子、菜葉菜、寛一郎、大方斐紗子、野村万蔵といったチャーミングな俳優たちのおかげで、登場人物ひとりひとりは、ずっと人間味にあふれ、魅力的だ。
優柔不断でずるくて煮え切らない薫君も、寛一郎のせつない表情のせいで、ちっとも悪く思えない。
雪子さんは息子にも、おいしいご飯を食べさせて、結局彼を食べてしまったのかもしれない。恐いし、毒親なのかもしれないけれど、やっぱりすこしも憎めない。
雪子さんとお友達の高梨秋江さんを見て――祖母や母たち世代の女性の話を、もっともっと聞いておけばよかった、聞いておかなければと思った。
きれいな爪切りが、ほしくなった。
『雪子さんの足音』の続編が、ぜひ読みたいし、観てみたい。
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