劇場公開日 2019年6月14日

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「独創的なアイデアと魅力一つで」メン・イン・ブラック インターナショナル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0独創的なアイデアと魅力一つで

2019年11月1日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

そりゃあMIBにだって別の支部があって別のエージェントが居て当然。何せ地球上あちこちにエイリアンたちが暮らしているのだから、それぞれのエリアのエイリアンはその支部が担当。
7年ぶりの新作は、シリーズ初のスピンオフで、ロンドン支部。
NYの名コンビに変わって今回地球を守る新コンビは…

MCUからMIB入り!?
まさかのソー&ヴァルキリー…!

3度目の“コンビ”となるクリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソン。
クリスはロンドン支部の元敏腕エージェントで問題児、H。自信家でチャラくて、お得意のハンマーも持ったりして、雷神様がそのまま黒服着たよう。
テッサはロンドン支部に配属された見習いエージェント、M。問題児とコンビを組む羽目になるも、初任務に大奮闘!
二人の掛け合いは安心して見ていられる。

昨今流行りのリブートではなくスピンオフなので、世界観はそのまま。
本シリーズの最たる見所、ユニークなエイリアンたち。新たなエイリアンも続々。今作では“ポーニィ”など小型エイリアンに面白キャラが。
新たなアイテムやメカニック。勿論、名物のあのアイテムも。
NY支部ではエマ・トンプソン演じるOやお馴染みのパグ犬が。また、NYのあの名エージェント二人が“絵画”としてある所に。
音楽も引き続きダニー・エルフマン担当なのが嬉しい! あのテーマ曲、好きなので♪
脅威の双子エイリアンや迫り来る凶悪エイリアンと地球の危機…。
新エージェントコンビ、HとMが、“インターナショナル”の副題通り世界を股に駆け、変わらぬノリで地球を守る!
もはや安定のお約束と言えよう。

…そう、今回も楽しいのは楽しい。が、
世界観そのままの継承は嬉しいが、新たなコンビもエイリアンもアイテムも、話もアクションもコメディもビジュアルも危機も“想定内”。
それ以上ではなく、どちらかと言うと以下。
本当の新味には欠ける。

唯一の目新しさは、“ウィメン・イン・ブラック”である事。
実質主役は、M。
彼女がMIBに入るまでは、大勢在籍しているエージェントの中でも異例だろう。
幼い頃にエイリアンと遭遇し、謎の黒服の男たちに両親が記憶を消されてから、宇宙の真実を探し続け、20年以上かけてMIBの所在を突き止め、本来スカウト制なのに自ら売り込んできた強引娘!
そこだけは目新しいが、後は…。
にしても、一般人に所在を突き止められたMIBに、かつてのような謎の秘密組織感が薄れたような…。

シリーズ初の女性エージェントと言ってるけど、
一時期だが、リンダ・フィオレンティーノが在籍していた事を忘れてないかい?
ピカッとやられた…?

実は優秀だが、子供の頃から変わり者扱いされ、親友も恋もした事が無いM。そんな彼女が天職を見出だす。
かつて“知恵と銃1丁”で地球を救い、ロンドン支部きってのエリートだったが、今では上司Tからも失望の存在のH。そんな彼の再起。実は仲間思いで、仲間からの信頼は、ラストのちょっといいエピソード。
MIB内部にスパイが!…など新たな展開を取り入れようとはしたものの、その黒幕がすぐ分かっちゃうのと同じくらい淡白。

NYの名コンビに著しく見劣りするという沢山の意見は否定出来ない。
つまらくなはないけど…、何か薄っぺらく、焼き直し感も否めない。
果たして、せっかく組んだ新たなコンビに次なる任務はあるのか…?
もし、次があるとして、このコンビにあのコンビも参戦したら、確かにワクワク。
でもそれだと、結局過去の活躍に頼ってるだけ。

クールでユニークな面白さこそMIBの魅力。『3』のタイムトラベルなんかまさにそう。
“知恵と銃1丁”の如く、独創的なアイデアと魅力一つで、この新エージェントコンビだって面白くなれる!

近大