「新コンビ不発…」メン・イン・ブラック インターナショナル おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
新コンビ不発…
人気シリーズの久々の新作ということで、いやがうえにも期待値が上がって鑑賞してきました。オープニングからシリーズをきちんと継承している滑り出しでわくわくし、冒頭から現れるお馴染みの黒スーツにサングラス、そしてニューラライザーも懐かしく、一気にMIBの世界に誘われる雰囲気がよかったです。
加えてギミックいっぱいの車やバイク、複雑で奇抜なデザインのエイリアン、現場のカモフラージュ映像など、(最近の映画では見慣れた感はありますが、)前作よりも技術が進歩したCGを駆使した表現は、目を楽しませてくれました。
ストーリーは、一言でいえば、新人エージェントがベテランと組んで、事件を解決するという王道展開です。しかし、舞台をいくつもの都市に広げたり、裏切り者をミスリードさせたり、冒頭の伏線を終盤で回収したりと、大筋としては楽しめました。
ただ、これまでのMIBシリーズのキモは、エージェントKとJの軽妙なやりとりと絶妙なコンビネーションだったのに対し、本作のHとMにはそれが感じられませんでした。この一点が本作の魅力を大きく落としてしまっているのは残念な限りです。「マイティ・ソー」コンビではありますが、個人としての魅力もやや薄いうえに、エージェントとしてのコンビネーションもまだまだのようでした。
そのためか、テンポが悪く、あろうことか眠くなる時もありました。その中でも、唯一の救いはポーニィの存在です。彼の存在だけが、シリーズの持ち味を本作でも伝えていたように思います。
人気シリーズだけに次回作があるならまたぜひ見たいですが、このコンビは本作限りで、往年のKJコンビ復活、あるいはまた別のコンビ誕生でもいいかなって感じです。