パリ、嘘つきな恋のレビュー・感想・評価
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コメディのスパイスを絶妙にまぶした軽佻浮薄な中年男の素敵な成長物語
少し心が乾いているなあ、と感じていたので、鑑賞。軽口で嘘を連発する男が車椅子の美女に心奪われ、徐々に真摯な男になっていく過程をくすりと笑える数々のショット、セリフを絡めながら絶妙に描いていく。所々、グッとくる場面もあり、最後はじんわりと涙。心の渇きを見事に潤してくれました。主役の男優は知らないなあ、と思いながら観ていたら、フライヤーに仏蘭西の大人気コメディアンとあり、まずはビックり。(脚本も書いている)車椅子美女はどこかで観たぞと思って過去のパンフを漁っていたら、2014年日本公開の「グレートデイズ!」(車椅子の息子が父親とトライアスロンに臨む感動作)の障害を持った息子の母親を演じていた女優さんだった事に又ビックリ。良作だと思います。
大人にエールを送るラブコメディ
フランスらしい、笑いと恋愛たっぷりの人生謳歌。
嘘つき、お調子者、女たらしと中身はダメダメの主人公、見た目はダンディな超絶ハンサムで地位のあるお金持ち。うっかり落ちた本気の恋にオロオロと一生懸命、なのに穴だらけの取り繕いが笑いを呼ぶ。
一方のヒロインの、生命力に溢れて魅力的な事。両足が不自由で車椅子生活ながら、仕事もプライベートも全力で謳歌する。
彼女は【騙された障害者】ではない。主人公の嘘に気付いて別れを示唆する妹に、真実はとっくに知っている、でも「恋愛を楽しむ時間は逃さない」、と告白する。騙して馬鹿にしてるんじゃない、この人私に気があるんだわ、と、気付いた上で、恋を全力で楽しもうとする力強さ。最っ高にいい女!
パラスポーツやバリアフリーなどの障害についての表現ももちろんあれど、余りそれに特化した主張は、私は受け取らなかった。
違う世界の人と距離をおかず、内面を評価し、一人の人として惹かれる事で縮まる距離。
勇気がない、気持ちに正直になれない、人に誠実に向き合えない…。あなたの幸せを阻害している【障害】は何か、向き合って、受け入れて、少し踏み出してみようよ。
恋も人生も楽しんだ者勝ち!とのエールに思える。
固く受け取らず、元気のでるラブコメディとして楽しみたい。
初日に劇場で
フランス映画で車イスと言えばどうしても『最強のふたり』を思い出してしまいますが、こちらも負けず劣らずとても良い作品でお勧めです。
ストーリーの面白さ、ウイットのある会話、きれいな映像、特にメリハリある音響効果は昨今の大袈裟なハリウッド映画とは一線を画すものと感じました。
後半で主人公がジュリーに言われる「あなたの方がよっぽど障がい者みたいね!」という言葉が印象に残りました。
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