パリ、嘘つきな恋のレビュー・感想・評価
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本気だからこそ自分をさらけ出せない
面白かった!
これまで「恋は1日限りでいい」と思っていた軽薄男のジョスランが、たまたま母の遺品の車椅子に乗っている時に、車椅子の女性 フロランスと出会う
そのフロランスに一目惚れしてしまったジョスランは、自分も下半身が麻痺していると偽るようになり、本当は歩けると言い出せなくなってしまう…
そんなジョスランに対して
なんで、本当のことを言わないのよ!
と思いつつも、彼の気持ちも分かる気がした
もしもある時、とても素敵な人に出会ったら、その人に良い人だと思われたくて、いろいろと盛ってしまうことがある
本当はよく知らないのに、話を合わせるために知ったかぶりをしてみたり、いつもよりメイクを念入りにしてみたり、いつも着ないような服を着てみたり
中には、年齢や、学歴や、経歴を詐称する人もいるだろう
ジョスランの場合は、
下半身麻痺のフリをすることだったのだ
そもそも彼は、いつも誰かになりすまして女性に声をかけていた
かわいい女性を見れば、その場に応じてアフリカ人のフリだってするような人だった
そのまま気が合えばベッドインして、翌日にはバイバイしていたような尻軽の彼が、フロランスと出会って、
下半身麻痺のフリをするんだから皮肉な話だ
しかし、私たちが素敵な人と出会って話を盛っても、あっという間に化けの皮が剥がれてしまうように、ジョスランも嘘をつき続けることが辛くなってくる
いつものジョスランだったら、誰かのフリをすることに心が痛むなんてことはなかったのに、フロランスに対しては、心が痛くなるということは、それだけ本気だということなのだ
これはビックリなのだけど、軽薄男のジョスランは、50歳になって初めて本気の恋をしたという話なのだ
さらに、自分を偽って相手を口説くということは、愛する人を騙し、傷つけるということに初めて気づくのだ
その話に説得力があるのは、
そのフロランスが、女性から見ても、とても素敵で魅力的な人だからだ
バイオリニストのフロランスは、キラキラとして、輝いている
ジョスランにはもったいないぐらいの女性だ
そんな彼女だからこそ、ジョスランが嘘をついて近づいた挙句、本当のことを言ったら、嫌われて彼女に会えなくなってしまうことを恐れる気持ちもよく理解できるのだ
50歳のジョスランは、ビジネスで成功し、お金を持っている
夢のような高級アパートに住み、弾けもしないグランドピアノをインテリア代わりにし、ポルシェを乗り回し、女性の趣味を知り尽くしている
しかし、ジョスランからそんな様々な仮面を引き剥がした時、本当の彼はどこにいるのか
ジョスラン本人には何もないからこそ、日頃から他人になりすまして女性に近づき、本気になることを恐れるのだ
その一方で、下半身麻痺という障害を持ちながら、音楽に、スポーツに、自分の好きなことに夢中になってイキイキとするフロランスは、対照的だ
だから、ジョスランは自分にないものを持っているフロランスに恋をしたのだろう
そんな二人は出会うべくして、出会ったのかもしれない
実際のところ、フロランスの方がジョスランよりも何枚も上手で、手の上でジョスランを転がしているのだけど、そのぐらいの方が、彼らはうまくいくに違いない
そんなジョスランを見ていると、いい歳をして…と思ってしまうけど
人が恋するときは、いつまで経っても大人になれないものなのかもしれない
思い遣る『言葉』と『愛』の深さを感じる超おススメの映画
期待を裏切らないというか期待以上の映画に出逢った時は深い充実感。主人公はとにかくもどかしい、そんな蓄積されたフラストレーションがこんな形のラストシーンの感動に涙腺崩壊。思い遣る『言葉』と『愛』の深さを感じる超おススメの映画です。
どんどんかっこ悪くなる主人公
最初は、嘘で固めたちょいワル親父で、ギラついてて、かっこいい!
恋をし始めてからは、なんだか自信なさげで、後ろめたさがあって、かっこわるーいおじさんになっていく感じ。
恋をすると魅力的になっていくのはもちろんだけど、かっこ悪いところを見せていくのも必要で、見せると余計に魅力を感じるんだな〜。
マリーがとってもかわいくて!素敵な人に出会ってほしいな〜
上質
洒落た感じの恋愛映画。
パリとフランスの代名詞みたいだ…。
ただ、本作は1クッション設けてある。
意中の相手が車椅子に乗る障害者。
昨今はこの呼称は使わないのかもしれないが、本作のヒロインは少し違う。
自分の境遇を受け入れるってのは、こおいう事なのかと思わせてくれる程、負い目がない。
彼女は社会的にも、自分の障害からも自立しているように見える。この作品の誰よりも、自身で立ち歩いているように思う。
そんな彼女に、いい加減の代名詞の主人公は惹かれてしまう。
上手いなぁと思うのは「一目惚れ」の表現の仕方で…彼女と初めて会った時、彼の目には彼女しか映ってなかったろうと思わせてくれる。
それこそ、彼女の車椅子も目に入らない程に。
物語はフランスの優雅で趣きのある風景と共に進んでいく。
洒落たオープンカフェにワイン。
柔らかなフランス語に、清潔感のあるファッション。勿論、小粋な会話も。
キュンとするシーンには事欠かないし、笑えるシチュエーションもふんだんに用意されてる。
このままお決まりのハッピーエンドがと思ってたら、ピクルスのような刺激も忘れない。
その辺りのネタが、さすがフランス映画と唸るような人間模様を入れてくる。
完全な善人などいないのである。
人は建前で生きてるし、本心は隠されるからこそ本心なのだ。
そのスパイスのおかげで、終始コメディタッチであった本作はギュッと締まる。
フランス映画特有ではないが、顕著だと思うのがキャラ設定の秀逸さだ。
どのようなエピソードも、どのような表情も、その役から離れる事が少ない。
シナリオ的なご都合はあるものの、キャラ的な違和感は目立たない。
それは凄くありがたい。
気軽に観れて、笑えて、少し考えさせられる。とても良質で上品なラブストーリーだった。
楽しかった。
週末の午後にでも観るには、最高にお奨めの映画!
タイトルに違わず、オシャレで、夢のあるウィットに富んだゴキゲンなフランス・ラブコメで〜す。
監督、脚本、主演がフランク・デュボスクですよ。
ブールビル、ルイ・ド・フィネスといったフランスコメディアンの流れをくむ彼の演出、演技は極上です。登場人物も最高、彼の友人役の医者や彼の秘書など、是非、お奨めです!必ず幸せになれる作品です!
笑顔の真実
金持ちの遊び人が
姉妹の介護士の妹と親しくなるために
車椅子生活が必要であると
嘘をついてしまったまま、
その姉に恋した。
彼女は足が不自由だが魅力的で、
そんな彼女と交流するなかで
改悛するはなし。
ではなくて、
主役は、ヒロイン役の
アレクサンドラ・ラミーかな。
下半身が不自由な女子、
しかも彼女は、
世界を舞台に演奏する
バイオリニストで、
車椅子テニスプレイヤー。
その彼女が、
心無しの男を、
自身が放つ人間としての魅力で
変えていくはなし。
初めに惹かれたのは、彼女の笑顔。
なんというか、
自信と敬愛を感じさせる笑みで
スクリーンに釘付けになりました。
その考え方にも。
ジョスランの嘘を
すぐに見抜いていたことは、
驚きでしたが、
気づかないふりをした理由は…
「~この有利な時間を、
しばらく楽しんでもいいでしょう。
しばらくはあれこれきかないで、
彼を信じるの。」
妹に語った心理には、
体にハンデを負って生きてきた人生と
共に培った強くしたたかな精神が
みえて、
観ている私が
気持ちを揺さぶられました。
かわいそうと感じさせない、
一人の女性のこころのあり方を
たくましく表現しているところに
彼女のプライドを感じて。
特別扱いが一番してはいけないこと
たんだと。
だから
プールでの口説きと、みなもに広がる
赤ドレスには、素直に
男女の恋愛として見れたし、
結ばれた二人には
応援するような気持ちに。
傷つけないように考えた
神による嘘のごまかし方なんて、
やるせなくて、
はずかしくても、
落としどころをつけるために
する大人の恋愛のやり方として
理解できました。
でも、
さすがに、
愚かな行為を恥じた相手に
どのように対応するのか、
傷つけられた彼女が
どう反応するかのかが
わかりませんでした。
だから、
人間性を根底から改心した
ジョスランが
秘書に対してみせた思いやりも
空しかった。
そんな、
気持ちになりながら迎えた
最後に用意された
マラソンのゴールシーンは
よかった…
倒れた彼へ対しての
どこまでも、
素敵な振る舞いと台詞が
忘れられないです。
個人的には、プラハで、
演奏後出てきたフロランスに
ジョスランがたまたま観にきたと
会いにいくところから、
二人のデートになって、
夜明けの川辺を眺めるシーン
が好きです。
その後も、度々、お互いが使う
このフレーズ。
ラストシーンでも
でてくるこの、
「ついでに」という言い回しが
気を使わせない
遊び言葉としていいです。
まぁ、
もちろん相手も
ついでに、こんな場所にきたり
そんなことまで
しないことはわかるんですが。
お互いだけがわかる
フレーズとしてつかっていたのが
楽しい。
おすすめ。
後味すっきり!
フランスらしい爽やかな映画。
コメディ要素も含まれているが、上品な感じ。
フロランスは障害を持っているからこそ、心が広く、大人の対応が出来たのでしょうか。
心の持ちようによって人は幸せになれるんだ、と教えてもらいました。
赤をうまく取り込んだ映像もとても綺麗でした。
特に沈むプールのシーンが印象的でした。
大事な事を教えてくれるラブコメ
やっぱりフランスは大人よね〜
「最強のふたり」の時も思ったけど身体障害にまつわる話を
ここまでカラッと描いてみせる余裕!
大人の恋愛をちゃんとおしゃれに描く文化の豊かさ!
すごいな〜〜
大人のラブコメとして
また障害者と社会の関わりの問題の一つとして
来年パラリンピックも開催されることだし、
ぜひ多くの人に観て欲しいです。
印象的なある仕掛けを使った夢の様な超洒落乙ラブシーン!!
この伏線の張り方が超上手くて唸ってしまった!
このシーン必見です!!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
今年、暫定一位!!
障害があるから恋愛対象として見てもらえない〜
健常者が気づいていなかった障害者の悩み。
人は中身を見ずに表面のレッテルでしか
判断しない今の世界の象徴のようですよね。
対する男の方も女を一夜のアヴ アフェアの
対象として表面しか観ていなくて
ひたすら女の前で
カッコ付けることしか考えて無い薄っぺらい男。
ところがその薄っぺらい男だからこそ
魅力的な見た目の女性に、
車椅子であることを乗り越えて
興味を持ってしまった!
逆説的なこの関係が面白い!
そしていつもの様に気楽に手を出せる相手では無かったから
積極的に彼女のことを知ろうと近づいてくる。
そこで初めて、彼女の中身の素晴らしさに触れてゆく。
健常者だろうが障害者だろうが
相手をどう見て、どう接するかは
自分が成長しなければ見えて来ないモノがあり、
まず、相手を理解しなければ、
自分を理解してくれる人とは出会えない
と言うことなのかな〜
とても大事なことを
洒落乙なコメディーとして教えてくれた
素晴らしい映画です。
オーバー40のチームバツイチや
ずっとシングルメンバーにとっては
本当に興味があるのは人との出会い。
恋愛の始め方〜
こういう映画で大人の恋の始め方を
私も、学習しようと思います。
@もう一度観るなら?
「時間が合えば映画館で観たい!DVD買って持っておきたい」
輝く、すべてを変える笑顔
50代、大人の恋をこれ程楽しく、ロマンチックに描けるフランスという大人な文化の違いを思わせる。
楽しく過ごしてそれで終わり、そんないい所取りで生きてた男を変える素敵な女性。
観客も引き込まれる笑顔を持つ。ただ美しいだけでなく、色々な引き出しを持ち、独りで立ち、ハンディキャップをもろともせず。当たり前に生きてる。
プールの演出には参った(゜∇^d)!!
赤!!
この映画のテーマカラーは赤である。
赤いポルシェ、真っ赤なドレス…
それらがリズムを造り出していて小気味良い。観てる人を飽きさせない。
至るところにジョークというかネタがちりばめられている。一番笑えたのはポルシェのフロントトランクに車椅子をねじ込んでたところ。しかし、主人公のジョスランはそんなに格好良くないんだけど…まぁタキシードでバッチリ決めればそれなりだからいいのか?
フロランスが脚のムダ毛を抜いてるシーンがあったけど、いくつになっても乙女心を忘れない女は素敵!私と同じピンセットを使っていた(笑)
医師で親友のマックスや個性的な秘書のマリーなど、登場人物が皆一癖あって面白い。
ラストはあり得ない…映画的だったけど感動しました。
HAPPYな気分に☆
ラブストーリーはあまり興味がないけれど、ステキなフライヤーと笑えるというレビューを拝見していざ鑑賞。
とっても良かった!!
50歳近いリッチなプレイボーイと車椅子のバイオリン奏者の女性。
爽やか、ステキ、オシャレ、そして可笑しい!
大筋は想定通りのお話だけど、どなたかがレビューされていたように、日本人が撮ったらきっとこうはならないなー。
フランス映画、大人のラブストーリー、幸せな気持ちになれました。
前時代的な価値観に居心地が悪い
何から何まで「前時代感」で覆いつくされているようだと思った。
まず主人公の恋愛や女性に対する価値観など、バブルを経験した60歳前後の男性のそれのようでまったく現代的ではないし、仮に現代の49歳男性(主人公の設定年齢)に置き換えたとしても前時代感が色濃く残る。そしてそれは映画が扱う「障害」に対する価値観もまったく同様であり、現代社会における障害の捉え方とそこかしこにズレがある。そのことに気づかないまま、強引にコメディを押し通していく様子に、私は最後まで違和感を拭い去ることが出来なかった。こういうことを言うと「障害者をコメディで取り上げてはいけないのか、それこそ差別だ」というようなことを思う人がいそうだが、むしろ逆である。障害者の取り上げ方自体が、前時代的で古いということを指摘しているのだ。
なんとなくだけれど作り手の身近に障害者はいなかっただろうなぁ、この映画の制作の現場にきっと障害者はいなかっただろうなぁというのが透けて見えるよう。そしてエンドクレジットで、監督と脚本と主演男優が同一人物であると知って、妙に納得してしまった。この映画の視野の狭さが急に解せる気がしたのだ。と同時に、彼のプロフィールを見て彼の実年齢が55歳であると知って尚更合点がいった。この価値観はこの世代の価値観だ。現代にアップデートし忘れた旧モデルの価値観。
そもそも私には、嘘をついた主人公にどうしても好感を抱けず、相手役のアレクサンドラ・ラミーがチャーミングで魅力的であればあるほど、二人が不似合いに見えてしまう。「嘘をついてばかりの男が正直になる」という点がテーマなので、根本を否定するようなコメントだが、50歳近い男がくだらない嘘をついて、それを馴れ合いの友人に相談して・・・みたいなのがとにかく幼稚で見ていられなかった。全体的にやっていることが幼稚。そして幼稚とピュアはまったく別物だし、幼稚と笑いも別物だと思う。
これ、マラソンが趣味で有名なスニーカーブランドで役職に就く男が不慮の事故でが不自由になり、車いす生活になったことを未だ受け入れられずにいるところ、同じく車いすの女性と知り合い惹かれ、健常者ではない障害者としての「初めての恋」をする・・・ぐらいの設定じゃだめだったのかなぁ?フランク・デュボスクがやりたい喜劇が「嘘」と「ドタバタ」だったのならそれは仕方のないことだけれど。私の個人的な感覚では、どうしてのこの映画の「嘘」がまったく楽しめなくてだめだった。決して「嘘」がいけないわけではなく、「嘘のつき方」が私には合わなかった。
フランスのロマンティック・コメディが大好きで、この映画もかなり楽しみにしていただけに楽しめなくて残念だった。嘘をついた主人公がチャーミングに感じられず、内容全体における価値観の旧さが最後まで引っかかって仕方がなかった。どう見たって60歳なのに無理やり40代の設定に押し込んだ図々しさも含め、終始きまりの悪い映画だった。
むっつりな真面目な男におすすめ笑
フランス映画は覚えている限りこれがまだ2作目ですが、すごくライト笑
恋愛のすべての中の上澄み液だけ抽出したかのような薄さとさわやかさと甘さと、ほんの少しの苦みが詰まった映画。
要はどのように続いているかではなく、どのように始まったか。むしろ始まる前がメインですが。
所々にある男なら思わず笑ってしまう下ジョークやヒロイン女性の屈託のない笑顔がなんともたまらない。名前は存じ上げませんが、Google曰く彼女40代半ばなのですが、まぁもう笑顔が周りの20代じゃ勝てないくらいまぶしい。
人生の真実とか、何か深いテーマがある映画では決してないです。けれども、こういう映画も人生には必要だと感じました。
真面目な人ほどおすすめ。ゆるく生きてる人も笑
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