「フレンチ・ポップス」パリ、嘘つきな恋 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
フレンチ・ポップス
軽めのストーリーが、日曜日の昼下がりのビールのお供にぴったりという感じでした♪
近年のフランス映画は、「不況」「解雇」「病気」「DV 」「離婚」と、あまりにも現代世相を深く掘り下げてくれるものだから、リアルでドキュメント過ぎてそれがちょっと辛くてね。
日曜日にそんな映画を観てしまうと月曜日からの一週間がブルーになりますから、DVDのチョイスは大切なのです。(笑)
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学生時代に5年間、車椅子の青年2人の介助を体験しました。
一人は施設を飛び出して自活している脳性マヒの、ほぼ寝たきりだがアクティブな男性。チームを組んでの24時間全介護。
もうひとりはヒ素ミルク被害者の車椅子の文学女性でした。
全介助だと「告白」と「失恋」にも介助者として付き合うんですよー
本人も介助者も、白馬の王子さまを待ったり、ラブコメの世界を一緒に夢見たり、
それ、したいんですよね。
いやいや、この映画のようにはいきませんよ。キラキラした“お金持ちと中途障害者の恋ばな”とか、出来すぎかもね。
車椅子生活は、真相はもっと大変なので。
でもね、
観終わって
「自分もいい人になろう」
って思えたり
「愉快にハッピーエンドを迎えるために、仲間のために一肌脱いで自分も工夫してみようかな」
って小さな決心をしてみたり、
・・そういう映画のサプリメント効果が効いてくるのはこの映画の成功だと思いました。
ウイットの利いた嘘や、嘘を知ってて黙っている大人の判断、そしてそれをサポートする友人や家族のユーモア。
ストーリーが重たくなることは上手に回避しつつも=内容は薄めでもやはりフランス映画は大人の映画でした。
衣装はどれも素敵、
プールの中に見事に広がる赤いドレスを見ましたか?
障がい者のフリをするなんて、かなり失礼な行為だと思ってたけど、不思議と前向きになれますよね。
ポルシェだとトランクに車椅子がそのままでは入らないのかも・・・