「フランスの金八先生」12か月の未来図 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
フランスの金八先生
黒人を中心とした移民が多い郊外の中学校に転任となったフランソワ・フーコー先生。元は名門高校でラテン語を教えていたが、今度は国語だ。堅物で真面目一辺倒の教師かと思っていたら、優秀であるが故に生徒の名前や座席を一日で覚えてしまい、生徒たちの成績や性格も瞬時に把握したかのようだ。真面目が取り柄だけにここはすごい。
「初日が肝心」と言い聞かせ、教師としての威厳だけは取り繕ったが、まるで学級崩壊したかのようなクラスでいかに教えるかが見物。とにかく文法を正すことに集中し、周りの教師や妹からも忠言を得て「アナグラム」のテストを行い、やる気の問題だと悟る。セドゥたちのカンニングの現場も目撃してしまったが、敢えて問い質さずに採点するのだ。無気力を克服し、徐々に成績も上がっていく様子が面白かった。
ちょっとしたことでも退学という評議会に反抗し、教育とは何かということも訴えてくる。退学という処置は確かに教師にとっては楽なのだ。ベルサイユ宮殿への遠足で問題を起こしただけなのに・・・ある意味、他の教師によるフーコー先生への妬みもあったのだろう。負けるな!フーコー。と、夜通しで法律を勉強して退学決定過程の穴を見つけたのだ。
フーコーとセドゥの師弟愛、もう終盤は涙ちょちょぎれ。また元の高校に戻るのか?やっぱりセドゥが卒業するまで見守ってあげたい!そして二人同時の失恋というほろ苦さ。失恋についても教えてあげましょうよ。
コメントする