「2020/2/10鑑賞 AI時代の希望(のぞみ)は心(こころ)」AI崩壊 虹孔雀さんの映画レビュー(感想・評価)
2020/2/10鑑賞 AI時代の希望(のぞみ)は心(こころ)
多少見る眼が緩い可能性がありますがご容赦を。
まず、邦画にしてはかなりの傑作です。スタントも演出も安くなく、迫力がありクオリティとしては日本SFでもトップあたりに思えました。
海外でも申し分なく戦える作品だと感じました。
テンポも良く、パニックや展開の速さに置いていかれることもなく食い入って最後まで鑑賞させていただきました。
奥さんの名前「希望」と娘の名前「心」は、恐らく作品を通して、「AI時代における『希望』は『心』なんだ」と指摘したかったのではないでしょうか。メッセージ性を強く感じました。
そのテーマを娘と妻に投影させているとも感じましたし、「人工知能」を信望するサイト陣営と、「直感」を頼りに奔走する警部の存在も重要な対立軸となっており、観ている側としては自然とテーマについて無意識に考えさせるような構成にもなっていたと推察いたします。
現実に近未来に起こりうる、「AIの職業代替問題」も共感はあったと思います。恐らくこの問題は今後も付きまとうテーマですが、やはり人間の心から派生する「情緒」「感性」「共感力」「友情」そして「責任」こうしたもので作り出させる仕事においては、AIの判断を超えて付加価値の高いものとして残り続けると思います。
恐らくAIを完全に信じたらお見合いなんかも体格や顔、家柄、出身地を過去の成婚データを元に判定されて、とんでも結婚が沢山成立するかも知れませんね。
やはり、人には心があるし(私は脳を心とは言ってませんよ)、人を思う心だけは絶対にAIでは探せないと思います。つまりAIは本物の愛だけは知れないはずなんですね。
脱線しましたが、とにかく「AIは人間の幸福を作り出せるか」という問いに対しては、「人間の心から派生する仕事を最大の付加価値の源泉として、人間の幸福を人間が作っていくという強い『責任』で果たしていけばAIは希望(のぞみ)として人の幸福を支えるツールとして残り続ける」と思います。
そんな感想をとりとめもなく考えさせていただいた映画でした。