「土着感はよかったが、ストーリーがわかりづらい」犬鳴村 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
土着感はよかったが、ストーリーがわかりづらい
福岡県に実際にある心霊スポット旧犬鳴トンネル。
その近くには、外界と隔絶された「犬鳴村」があり、数々の都市伝説が長年に渡って語り継がれているらしい。
映画はこの犬鳴村がモデルになっていますが、実在の正式名称は犬鳴谷村であり、犬鳴ダム建設によって、村はダムの底に沈んでしまったらしい。
ぞくっとする都市伝説を巡るホラー、こういうの怖いけど見たくてしょうがないタチでして、期待してたのですが、寝不足のせいか、あまりストーリーには入っていけず集中できませんでした。
まず、登場人物が多い。その関係性や犬鳴村の設定などが複雑でよくわかってなくて、頭の中がゴチャゴチャになりました。物語のつながりも不自然というか。
主人公の奏役の人の演技がわざとらしく、いまいちで、ちょっと残念。恐怖に対峙している「おそれおののく」感じがあまりなかったです。どういう感情をもって次の行動を起こすのか?、そんな自然な心の動きが読み取れず、ちょっといらいら。(祖父役の石橋蓮司さんが出てきて、ホッとしてしまった)
怖さの演出としては、幽霊屋敷的なものが多かったように思えます。
主人公の奏が車の中で村人たちの幽霊に囲まれて見つめられるところは、恐ろしさを超えておかしかったです。
後半、赤ん坊を連れて民家まで奏がたどり着きますが、あの赤ん坊が「誰なのか?」というのがミソでして、このあたり、タイムトラベルぽく感じました。
せっかくの?犬鳴村都市伝説、もう少し、余分なものをそぎ落として、犬鳴村と哀しい血族のさだめをシンプルに描いてほしかったです。